メディシンエフェクト

西智

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第二章 西難学園

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 祐也は今までずっと何も知らないまま一般家庭の子供のように育てられていた。
母は専業主婦で父は開発部長であり、父はどのようなものを作っているのかよく知らない。
一度、未来に役立つものと言っていたような気もする。
祐也にはあと姉と妹がいる。
姉の結菜は、妹同様にとても可愛く、胸も一般程度にあり、何より茶髪で髪が妹以上に美しいのだ。
そして何より姉は優しく、気配りが上手である。
ただし、一つを除いていうと完璧なのである。
 次の日、祐也は早速西難学園へ見学しに行った。
いろいろと手続きがあるので、その次いでということらしい。
祐也は以外と人見知りなので、初対面の人と話したり見られたりすると、少し縮こまるのだった。
西難学園はかなり大きく、教室は一般の学校と対して変わらないものの、他の設備などは一般とは違ってかなりいいものだ。
祐也は校内を見学したのち学園長室に向かった。
「よく来たね」
と愛子は微笑んで言った。
祐也は少し苦笑いしながらも、愛子の説明などを聞いて書類などにサインをした。
そして、この学校の生徒会長の紹介をしてくれるそうだった。
しかし、その時祐也は嫌な予感がしていた。
その予感は当たったのかその生徒会長は姉の結菜だった。
「ねっ…姉さん…!」
祐也は慌てて結菜と距離を開ける。
しかし、結菜は祐也に飛びかかるように抱きついて、
「会いたかったわ、祐くん」
実は、姉の結菜は極度のブラコンである。
そのせいで、祐也は結菜にかなりの苦手意識があるのだ。
「姉さん、なんでここにいるの?」
祐也は驚いたかのように聞いた。
「祐くんと同じで私もだからよ」
と頬を祐也にすりすりしながら答えた。
「運命的な再会はここまでにして祐也君にはそろそろ入学テストでもしてもらいましょうか」
と愛子はにやにやと笑っている。
「そうですわね」
と結菜もまた同じような感じでにやにやとわらっている。
祐也は不安になりながらもテスト会場に向かうと、なんとそこはスタジアムみたいなドーム型の球場になっていた。そこはあらゆる戦闘訓練などをする言わば、訓練場なのだ。
その先を進んでいくと普通の体育館の倍以上はある空間にでた。
そこは決闘が行われるところで、そこで試験をやるのだと言われた。
その試験内容は結菜と戦うことだった。
それに加え、その戦いでランクが決まる。
ランクとは、言わば軍でいうと階級みたいなもので、
ランクが高いと自然に軍のエリート街道に進めるらしい。
ランクは学園内で、いろいろな権限があるのだ。
祐也はそんなことを聞いて結菜に挑んだ。
「手加減してあげるね祐くん」
と結菜はやはりブラコンである。
愛子は頭を抱えながら
「ちゃんとしてね…」
と小声で言った。
「姉さん行くよ」
祐也はその途端、身体からとてつもない魔力(プレッシャー)を解き放った。
「おっ!結構あるじゃん」
とにやにやと笑いながらも目は真剣のようだ。
祐也はまだ、魔法が使えるようになってほんの数日。
さすがに、まだまだ甘々だが、魔力の量はかなりあるのだ。
すると、祐也は攻撃系の魔法を唱えた。
「雷光の流星弾(らいこうのメテオガン)
流星弾が結菜に向かって凄まじいほどの威力で飛んできた。
結菜に直撃したけれども、爆煙の中から影がまだ見える。
結菜は結界を張って凌いでいた。
「祐くん、なかなかやるね。今度はこっちの番ね」
と表情がかなり変わった。
結菜は、祐也とは比べものにならないくらいの魔力を放出した。
そして、祐也に向かって魔法を唱えた。
「聖雷の菊花弾(シャイニングクリサンスマム)
すると、大きな菊の花が咲き誇り空から祐也に向かって、菊花弾が飛んでくるのだ。
祐也も結界を張って凌ごうとしたが結界が破壊され
祐也は負けてしまった。
「まぁ、こんなもんよ」
と結菜は笑顔で祐也に近寄った。
そして、祐也はCランクになり明日から転校することに決まった。
そして、家に帰り家族に姉のことを話すと妹の真梨が
「ゆいねーちゃんに会ってどうせうれしかったんでしょ」
と顔を膨らませてこちらを見てきた。
「そんなことないよ」
祐也はそう真梨に言ったものの信じてくれないようだった。
祐也はそういう真梨の態度にため息をつき明日の転校に備えたのだった。
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