クソリプさん 【完結】

月狂 紫乃/月狂 四郎

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クラスメイトの提案

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「湯田が死んだらしい」

 LINKでメッセージが届く。

 涼は思わず目を見開く。湯田と言えば、ついこの間に自分をクソリプさんに捧げようとした裏切り者だ。そんな彼が逆に呪いに遭ったというのか?

 情報をよこしたのはクラスカーストの上位にいる佐藤翔太からだった。明るいムードメーカーなので、大体の生徒からは好かれている。情報の信頼性は高い。

 涼はいくらか混乱しながら返信を打つ。

「死んだ? なんで?」

 他の生徒にも「湯田から送られて来たリンクからは絶対に飛ぶな」と注意喚起をしてあった。生きている生徒たちからは了解の旨の返事が届いた。既読すら付かない奴らがどうなったかまでは分からない。

「例のクソリプさんらしい。ラブホで菅野茉凛さんも一緒に死んでいたそうだ」
「何と……」

 菅野茉凛は既読が付かない生徒のうち一人だった。まさか湯田と一緒にいて、仲良くクソリプさんの餌食になっていたとは……。見た目はかわいかったので、惜しい人を亡くしたと思う。こんな現実感の無い感想も、まだ彼女が死んだという実感が湧かないせいだろうが。

 現場の詳細こそ分かっていないものの、クソリプさんの呪いにかかったということはロクな死に方はしていないはずだ。全身が溶けるとか、全ての関節が折られるなどの悲惨な死に方をしているはず。自分を生け贄にしようとしたとはいえ、湯田がいくらか不憫に思えた。

「分かった。これを知っている人間はどれだけいる?」
「一部の奴だけに教えてある。特に女子には伝えていない。メンタルを削られるだけだからな」

 翔太の言うことは正しかった。たしかに結月は精神的にかなり不安定になっている。

「なあ涼」
「なんだ」
「湯田の件といい、俺たちの中にも不信感や不安が広がっている」
「そうだな」
「このまま行けば、またデマに踊らされてお互いを潰し合う結果になりかねない」
「それはたしかに」
「俺たち、いっぺん集まらないか? 今後の方針を決めるためにも」

 翔太の提案はある程度予想が出来た。

 湯田が身内を引っ掻き回したせいで、俺たちは疑心暗鬼になっている。親も先生もクソリプさんの呪いなんて信じちゃいない。だけど、確実にその呪いは存在している。

 つまり、俺たちは自分でクソリプさんの対策を立てねばならない。そんな状況下で仲間割れなんてしている場合じゃない。きっと政府がようやくクソリプさんの怨念を認めた日には、日本国民全員が呪い殺されていることだろう。

 そうなれば自分たちの身は自分たちで守るしかない。

 バケモノは待ってくれない。奴が来る前に、先に手を打たなければ。

「そうだな、一度集まろう」

 遠藤羅魅乃が亡くなってから、初めてのクラス会議が決まった。
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