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しおりを挟む私が見たのは同じ苦しみを味わった同士の姿だった。
あの異常者は私と同じ義獣人だったというわけだったのか……。
だから私の異常な再生能力を見ても驚かなかったというわけだ。
自分も同じ異常な再生能力を持ってるから
「なるほど…資料で見たサイコパスな義獣人で有名なオーガさんじゃないですかぁ……
まさか薔宿に身を潜めてたとはね」
「そんなこと言ってる場合ではないですよ隊長!」
隊長と呼ばれる彼女はまだ冷静だった。
私を抑える手を離すと立ち上がって着ているコートを脱いで被っていたキャスケットをクルクルと手で回していた。
「ハイハイ…ジェリーはそこにいるトカゲちゃんを守ってなさい
ここは私がやるから」
その時私は目を疑った
キラキラと青白く光るように綺麗なその銀髪は染めたものでは無い
あれは地毛だ
そんなの普通だったらありえない
ということは彼女は……
「義獣人…?」
「…正解だよ」
私の目を見るように膝をついて座るとキャスケットを被らせて脱いだコートを私にかけるとまた頭を撫でてきた。
まるでもう大丈夫だと言ってるかのようで安心してしまった私がいて気づいた時には頭を撫でていた手を叩いてしまった。
「むぅ…わかったわよさっさとあのオーガを取り押さえますよ……っと!」
一瞬だった
ヘラヘラと笑って話したと思ったら一瞬で振り返って正面からきた拳を受け止めていた。
なんて力が強いのだろう
「獣人化してこの程度か…わざわざこちらが獣人化する必要性はないわね
じゃあ君にはこれをあげる!」
拳を受け止められた彼女は驚き、一度距離をとるとこちらを睨んできた。
その一瞬を女は見逃さなかった
室内でブーツのヒール部分を鳴らして一気に距離を詰めると相手の首に蹴りをくらわせると空中で横に一回転すると逆の足で腕を狙って蹴った。
腕の折れる音が聞こえて咄嗟に耳を塞いだ
なんで私はそんなことをしてしまったのだろうか理解できない
でも隣にいたジェリーと呼ばれていた男は私のことを抱き寄せて大丈夫だと呟いた。
「耳を塞いで目を閉じてなさい…そうすればすぐに終わるから」
頭に虹色のターバンをつけていておかしな頭をしている彼もまた優しく笑って私の目を見てた。
こいつもか…
あの女もこいつも私の目を見て話すんだ
今までそんな人はいなかったから変な気持ちになる
そしてこいつの言ってた通りすぐに終わってしまった
私が耳を塞いで目を閉じる前にことは終わってしまったのだ。
床に倒れ伏す彼女の黒い髪の毛はただのウィッグで下にある地毛は青色だった…そこまでして自分が義獣人だということを隠したかったのか。
そして銀髪の女の左手に持ってるのは…
パチパチと聞こえる音は私が研究所で受けてた電撃の音に似ていてまた身震いした。
「おっと…この音もトラウマか
ごめんごめん」
私の方なんて一切見ないで謝ってきた…なんでわかったのだろうか
悪気なんてないと言ってパチパチするやつの電源を切ると外に待機してたと思われる部下がそれを受け取ってた。
そして他の部下は気絶した彼女をしっかりと拘束してどこかへ連れて行ってしまった。
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