現実だと思っていたら、異世界だった件

ながれ

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第3章 世界巡り

第69話 移動都市ミランダとの交流の件

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あれから数日が経ち、今日もハウスさんの航行は順調そのものだ。

「マスター、前方120kmほど先に別の移動都市があります。」

それはハウスさんからの念話だった。

基本的にハウスさんの移動速度はかなり早い。
魔水晶からの魔力供給はすさまじく、結果的に魔法でぶっ飛んで進んでいる。

「マリさん、サエさんに確認して友好な移動都市であれば少し連絡を取り合ってみよう。」

マリさんがサエさんと話している間にハウスさんが速度を調整してくれているようだ。
徐々に外に流れる景色が減速していくのが分かる。

俺がリビングに向かうとサエさんや他のパートナーメンバーも昼食の為に集まっていた。

「なんかしばらく行くと他の移動都市があるみたいなんだけど、みんな知ってる?」

「あれは移動都市ミランダ。いつもはタカギの後を行く航路だからなかなか合わないけど、代表のキー・ミランダさんはいい人よ。」
サエさんはその移動都市を知っているようだ。

「ミランダか~。今年の新作バック見たいな~。」
ミハルさんの話では、タカギの革靴が有名なのに対し、ミランダは革鞄が有名とのこと。
王都などではミランダの革鞄に空間拡張の魔石を埋め込んだものが高額で取引されたりしているそうだ。

「あと5分ほどで近距離通信圏内です。」
ハウスさんが既に回線を繋いでくれる準備をしているようだ。
遠距離魔道通信の場合は、受信側と送信側の双方に遠距離通信用の大型魔石が必要らしく、
一般的には近距離通信が可能な距離に近づいてからお互いに挨拶するものらしい。

「マリさん、一応、マイコさんにも連絡して繋いでおいて。」

「マスター、既にマイコ様とは繋いであります。」
さすがマリさん仕事が早すぎる。

「やっほ~ヤスト。聞こえてるわよ~。なんでもミランダと合流しそうなんだって?」

「ああ、そうらしいんだけど、うちら遊撃隊でミランダさんと交流しても大丈夫?」

「キーさんのところは問題ないわよ~。何か欲しい物資とかがあれば普通に取引してくれるわよ。新作バックがあったら買って転送してね~。」
マイコさんもミランダのバックのファンらしい。
女性はどうしてこうもバックが好きなんだろう。

それからパートナーのみんなにも少し話して、サエさんが近距離魔道通信を開始した。

「こちら、移動都市タカギの遊撃1番隊。そちらは移動都市ミランダとお見受けするが間違いないだろうか?」

「こちら移動都市ミランダ。その声はサエかい?かなり久しぶりだね~。」

「あっキーさん。お久しぶりです。接街しても大丈夫ですか?」

「はいはい。タカギのメンバーなら問題ないよ。しかし遊撃隊かい?なんかあったのかい?」

しばらくサエさんやヒバリさんがミランダのキーさんと会話していたようだ。

「そーかい、シズネさんが逝っちまったのかい。そりゃ残念でならないね~。まぁ詳しい話はうちの街にでも着いたら話そうか。」

しばらく進むと以前のタカギと同じくらいの規模の移動都市が見えてきた。
先頭を何か魔獣のようなものが引っ張っている。あれがモックルという魔獣なのだろう。

ゆっくりとハウスは減速し、移動都市横のシャッター入り口のようなところに接舷する。

ハウスは後部が入り口となっているのでちょうどミランダからハウスがにょきっっと生えたような格好になる。

---ガラガラガラ---
「ようこそ移動都市ミランダへ。みんな元気だったかい?」

シャッターの向こうからシズネ先生と同じようなおばあちゃんがニコニコと手を振ってくれている。

「キーばあちゃん、お久しぶりです!」
真っ先にミランダに乗り込んだのはユリだった。

「おーおーユリかい。大きくなったね~。」

パートナーの面々がそれぞれミランダに乗り込み挨拶をしている。

「おやおや、あんたがこの遊撃隊の隊長さんかえ?」

「あっ初めまして、ヤストと言います。よろしくお願いします。」

「ほいほい。まぁここであったのも何かの縁じゃ、まぁくつろいで行きなさいな~。」

ヒバリさんの話では、キーさんのスキルは「鎮静」。いろいろな事象を落ち着かせる効果があるらしい。
このユニークスキルで若いころは暴動の鎮圧などを行っていたらしいが、
娘の一人に「鎮静」のスキルが受け継がれたことで、晴れて王都を離れることを許された人なのだそうだ。
彼女はデリカントで、リカントのシズネ先生とも仲が良かったらしい。
そもそもタカギの革靴とミランダの革鞄はお互いの航路が近いこともあって特産品がかぶらないように協議した結果だったようだ。

中のつくりは昔のタカギそっくりだ。たぶんこれが移動都市のスタンダードなのかもしれない。
ぶっちゃけ、広さだけならハウスの方が内部面積は広い。

売店には皆様お目当ての革鞄ももちろん販売されている。
しかも街の人用の価格なのでかなり安くていい商品が沢山あるようだ。
女性陣は目を輝かせながら爆買いしているようだ。

俺はミランダのキーさんとその秘書役のエイストさんと一緒に執務室に向かう。
俺とマリさん、サエさんが一緒に階段を上っている。
何となく初めてタカギを訪れた頃を思い出していた。

キーさんやエイストさんは西洋系の顔立ちでかなり色白。マリさんといい勝負だ。

執務室に案内されマリさんを中継し、マイコさんもその会話に参加する。
しばらく近況報告や今王都に向かっていることなどを会話し、
タカギとミランダの今後についても話し合っていた。

「なるほどの~。ブライアントもようやく本腰を入れる気になったというわけじゃな。」

会話の中でも一応俺のスキルに関しては伏せていてくれる。
高純度魔力結晶や転送の魔法陣、マリさんたちドロイドに関しては、
ブライアントさんとミサカさんの功績という事になっている。

ミランダもタカギ同様にいくつかのアンテナショップを持っているようだ。
そこではやはり革鞄が主力商品のようで、お互いの商圏がかぶらないようになっているようだ。
マイコさんも交えて「業務提携」という形でタカギのショップでミランダの革鞄を取引させてもらうことになりそうだ。

テシマのような主要都市ではお互いのアンテナショップが共立しているが、
そこもうまくやり取りしていずれは共同ショップのように合流するのもアリという事になりそうだ。

ミランダとしても新たな物流ネットワークと全城塞都市での出店という商圏の拡大はかなり魅力的らしい。
結局打ち合わせは夕食時まで続いた。
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