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(13)缶切りと果物ナイフ、ゲットだぜ!
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「じーちゃん!」
「おう! ユウスケ! やっぱ子どもの体は軽いな」
また手のひらを握ったり、開いたりしながら。
じーちゃんは、楽しそうに言う。
言いかたはいつもじーちゃんなんだけど。
子どもの声でしゃべるじーちゃんは、やっぱり変。
「ドーナツ、効いたの?」
「うん。そうみたいだな」
「さっきはダメだったのに、どうして?」
「分かんねぇなぁ。教室が変わったからか?」
「う~ん」
「それにしても、うるせぇな。この音!」
「でしょ? ボク、頭痛くなりそうだよ!」
「そうだなぁ。さっきは、全然聞こえなかったんだけどなぁ」
どうして今度は、若返りドーナツが効いたのかは分からなかった。
けど、じーちゃんにも音が聞こえるようになったからには。
ふたりで協力すれば、あのミニカーを捕まえられそう!
さっきから、ミニカーはチョロチョロとボクらの周りを走っている。
たまに、どこかに隠れたりもしてるみたいだ。
「よっしゃ~! ユウスケ、さっさと捕まえようぜ!」
「うん!」
「あ、そっち! じーちゃんのうしろ!」
「ユウスケの横!」
「え? どこ? うわ、おしい!」
「なにぃ? あいつら、壁も走れんのかよ!」
「ホントだ! あ、そっちから走ってくるよ!」
「よっし! はい! 捕まえた~!」
「まぢで! やったね」
「ユウスケ、横見ろ。今だっ!」
壁も床も走り回るミニカーをふたりでようやく捕まえられた。
小学校に入ったばかりの頃をボクは、思い出した。
みんなで初めてのキャンプ。
森でじーちゃんと一緒に虫取りをしたっけ。
その時も、こんな風にふたりで虫を追っかけた。
がんばってたくさん取った虫は、ママにリリースされたけど。
「缶切りと果物ナイフ、ゲットだぜ!」
じーちゃんが自信満々にとってるポーズ!
モンスターをゲットしたみたいなノリで!
「ぶはははは! 笑わせないでよ~!」
ミニカーを捕まえると、いつの間にかあの音もやんでいた。
疲れたけど、夏休みっぽいといえば、そんな感じかも。
ふぅ~、やり切った~。
そんな雰囲気になっちゃったボクらは、床に座りこんだ。
「キャンプ行って、虫取りしたのを思い出すなぁ!」
「じーちゃんも? ボクもさっき、そう思ったよ」
「あれは、1年生だったか?」
「うん!」
「つい最近なのになぁ」
「え? 最近じゃないよ、ボク、もう5年生だもん」
「ははは! そうだなぁ!」
じーちゃんは、ひとりで笑って納得してる。
1年生と5年生じゃ、全然違う。
なのに、じーちゃんはいつも『最近』って言うんだ。
大人の世界の時間って、ボクたちと違うのかなぁ?
「さてと、次はおやつタイムかぁ!」
じーちゃんがスクッと立ち上がって、嬉しそうに笑う。
そうだ! 缶切りと果物ナイフをゲットして終わりじゃなかった。
フルーツポンチを作らなきゃ!
ボクは、すっかり忘れちゃってた。
それで……、缶詰は?
あ、あった!
またいつのまにか、黒板の前の調理台の上に置かれている。
大きめのボウル、ミックスフルーツ缶、りんごにサイダー。
そこに、さっきゲットした缶切りと果物ナイフを置く。
「よし! じゃあ、分担するか」
「うん! ボク、缶を開けるのできるよ!」
「そうか。りんごの皮むきは?」
「それはムリ。やったことないもん」
「じゃあ、決まりだな。ユウスケは缶を開けてくれ」
「うん、まかせて!」
ママの料理中にツナ缶を開けたことなんて、何度もある。
ボクが缶を開けるとね。
ママは、嬉しそうに、こう言う。
『ユウスケがいてくれて助かるわ~』
ってね。
缶を開けるのなんて、5年生のボクには簡単!
まぁ、確かに、3年生くらいまでは力が足りなくてさ。
引っ張るのが、すっごく大変で。
結局、パパにやってもらっちゃう、ってこともあったけどさ。
「よし、いくぞ!」
ボクは、缶を前に構えた。
缶には、色とりどりのフルーツが描かれたラベル。
すごくおいしそう!
見たことないラベル。
外国の字?
あれ? ラベル通りに置いたはずなんだけど……。
プルトップが見つからない。
反対かな?
ひっくり返してみても……ないっ!
え? これ、ホントに缶詰?
ボクの前にあるそいつは、上も下もツルーンとしていた。
プルトップがなかったら、どうやって開けるの⁉︎
「おう! ユウスケ! やっぱ子どもの体は軽いな」
また手のひらを握ったり、開いたりしながら。
じーちゃんは、楽しそうに言う。
言いかたはいつもじーちゃんなんだけど。
子どもの声でしゃべるじーちゃんは、やっぱり変。
「ドーナツ、効いたの?」
「うん。そうみたいだな」
「さっきはダメだったのに、どうして?」
「分かんねぇなぁ。教室が変わったからか?」
「う~ん」
「それにしても、うるせぇな。この音!」
「でしょ? ボク、頭痛くなりそうだよ!」
「そうだなぁ。さっきは、全然聞こえなかったんだけどなぁ」
どうして今度は、若返りドーナツが効いたのかは分からなかった。
けど、じーちゃんにも音が聞こえるようになったからには。
ふたりで協力すれば、あのミニカーを捕まえられそう!
さっきから、ミニカーはチョロチョロとボクらの周りを走っている。
たまに、どこかに隠れたりもしてるみたいだ。
「よっしゃ~! ユウスケ、さっさと捕まえようぜ!」
「うん!」
「あ、そっち! じーちゃんのうしろ!」
「ユウスケの横!」
「え? どこ? うわ、おしい!」
「なにぃ? あいつら、壁も走れんのかよ!」
「ホントだ! あ、そっちから走ってくるよ!」
「よっし! はい! 捕まえた~!」
「まぢで! やったね」
「ユウスケ、横見ろ。今だっ!」
壁も床も走り回るミニカーをふたりでようやく捕まえられた。
小学校に入ったばかりの頃をボクは、思い出した。
みんなで初めてのキャンプ。
森でじーちゃんと一緒に虫取りをしたっけ。
その時も、こんな風にふたりで虫を追っかけた。
がんばってたくさん取った虫は、ママにリリースされたけど。
「缶切りと果物ナイフ、ゲットだぜ!」
じーちゃんが自信満々にとってるポーズ!
モンスターをゲットしたみたいなノリで!
「ぶはははは! 笑わせないでよ~!」
ミニカーを捕まえると、いつの間にかあの音もやんでいた。
疲れたけど、夏休みっぽいといえば、そんな感じかも。
ふぅ~、やり切った~。
そんな雰囲気になっちゃったボクらは、床に座りこんだ。
「キャンプ行って、虫取りしたのを思い出すなぁ!」
「じーちゃんも? ボクもさっき、そう思ったよ」
「あれは、1年生だったか?」
「うん!」
「つい最近なのになぁ」
「え? 最近じゃないよ、ボク、もう5年生だもん」
「ははは! そうだなぁ!」
じーちゃんは、ひとりで笑って納得してる。
1年生と5年生じゃ、全然違う。
なのに、じーちゃんはいつも『最近』って言うんだ。
大人の世界の時間って、ボクたちと違うのかなぁ?
「さてと、次はおやつタイムかぁ!」
じーちゃんがスクッと立ち上がって、嬉しそうに笑う。
そうだ! 缶切りと果物ナイフをゲットして終わりじゃなかった。
フルーツポンチを作らなきゃ!
ボクは、すっかり忘れちゃってた。
それで……、缶詰は?
あ、あった!
またいつのまにか、黒板の前の調理台の上に置かれている。
大きめのボウル、ミックスフルーツ缶、りんごにサイダー。
そこに、さっきゲットした缶切りと果物ナイフを置く。
「よし! じゃあ、分担するか」
「うん! ボク、缶を開けるのできるよ!」
「そうか。りんごの皮むきは?」
「それはムリ。やったことないもん」
「じゃあ、決まりだな。ユウスケは缶を開けてくれ」
「うん、まかせて!」
ママの料理中にツナ缶を開けたことなんて、何度もある。
ボクが缶を開けるとね。
ママは、嬉しそうに、こう言う。
『ユウスケがいてくれて助かるわ~』
ってね。
缶を開けるのなんて、5年生のボクには簡単!
まぁ、確かに、3年生くらいまでは力が足りなくてさ。
引っ張るのが、すっごく大変で。
結局、パパにやってもらっちゃう、ってこともあったけどさ。
「よし、いくぞ!」
ボクは、缶を前に構えた。
缶には、色とりどりのフルーツが描かれたラベル。
すごくおいしそう!
見たことないラベル。
外国の字?
あれ? ラベル通りに置いたはずなんだけど……。
プルトップが見つからない。
反対かな?
ひっくり返してみても……ないっ!
え? これ、ホントに缶詰?
ボクの前にあるそいつは、上も下もツルーンとしていた。
プルトップがなかったら、どうやって開けるの⁉︎
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