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木は実によって知られる
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執行猶予がついた結花は、都内の更正施設に入った。
宣言通り、稲本夫妻と悠真そして静華も身元引き取りを拒否したから。
更正施設での結花の評判は良かった。
お行儀よく振る舞い、作業は真面目に……寮母やスタッフからは評判が良かった。
言葉遣いも丁寧になり、多少丸くなった――は表向きの顔だった。
裏では共同生活している人達、特に年下の子達に陰湿な嫌がらせをしていた。
人のプライベートを聞き出し、弱味をついて、脅した。
気に食わないことがあれば、八つ当たりや、怪我をさせるようなことをして、ニタニタ笑っていた。
共同生活している人達は全員女性で、みんな結花より年下の10代から20代の5人ほど。
自分の親ぐらいの人間にいきなり嫌がらせや脅しをされ、社会経験の少ない彼女達は泣き寝入りするしかなかった。
更正施設は2、3ヶ月で出て行くので、短期間で住人が入れ替わる。そのため結花の悪行は知られることなく、自立することが出来た。
元々共同生活無理な結花が早くでるために、優等生キャラを演じていただけだった。
他の人同様3ヶ月で出た結花は、ホームレスになってしまった。
冬の寒い頃だったが、結花の姿を見た支援団体の男性が「寝食、職場が保障されているところがあるので、いかないか」と誘った。
働くのは不本意だが、衣食住そろっているならとすぐに話に乗り、その場所へ向かった。
都内から車で1時間ぐらい離れた辺鄙な山奥の施設だった。
まるで刑務所のような要塞と無機質な鉄筋コンクリートの建物。
まるで隔離されたような村と言えばいいのか、数百人の男女が集団生活をし、せっせと畑仕事や工場仕事をしていた。
服は冬の時期にも関わらず、薄着の青のジャージだった。男女問わず。
結花の中に嫌な予感が走ったが、もう引き返せなかった。
ここに入ると一生出られない。同行者兼紹介した男性――洲本が運転中に言った。
「え? ここなに?」
洲本に尋ねても「農業工場」と答えるだけだった。
「なんで、こんなにみんな薄着なの?」
その瞬間洲本は「つべこべ言わずついてこい」と口調が荒くなった。
公園で声かけられた時は穏やかだったのに、ここに来て急に豹変した。
洲本についていくと地下室のような建物が見えた。
大量の電灯とエアコンに遮光するかのようなカーテン。何か甘いにおいがした。思わず鼻をつまむ。
白みを帯びた緑色の葉っぱが見えた。
せっせと収穫の作業だろうか男女が段ボールに詰める。
「今日からお前はここで働いて貰う。さっきも言ったがここにいる以上一生出られない。いいな?」
「ちょ、ちょっと待ってよ! ここなに? 変な匂いするんだけど?」
「口答えするな。お前は俺にとやかく言える立場じゃない」
洲本は「こいつが今日からお世話になるやつだ。みっちりやってくれよな」と結花に厳しい指導をお願いした。
この建物での就業が終わると、各自大部屋に入れられる。
結花は女性用の部屋に入ったが、思わず声を上げた。
「なにこれ?!」
6畳の畳敷きに10人がぎっちぎっちに入って、申し訳程度にある毛布数枚を2人で使うというものだった。
部屋の中はまるで刑務所の牢屋のような感じで、室内に監視カメラがあった。
エアコンがあるものの、全然効いていなかった。
髪はボサボサ、化粧気もなくしわがめだち、口元が悪人のような顔立ちになった結花。
服も露出多い物ではなく、みんなと同じ青のジャージに着替えた。ここでは仕事中だろうが、就寝だろうがジャージを着て過ごすと。
既にいる先輩方の年齢は幅広い。
結花と同い年ぐらいから、下は10代の女性。
ここのメンバーと寝食をともにすると洲本に言われた。
名前も呉松結花ではなく、120番と呼ばれるようになった。
刑務所同様、名前が剥奪されるのである。
「あんた新入り? 私50番なの。ここは一生出れないよ。おめでとう!」
同室の女性の1人がダミ声で話しかけた。
「わ、私は、呉松結花よ! ゆいちゃんって呼んで!」
「残念ながら、ここは名前で呼ばれない。全員番号で呼ばれる。刑務所と一緒さ。なんたって、ここは、問題起こした人間の最終処分工場だから」
「ど、どういうこと?」
「文字通りさ。私達に行き場がないの。今の時代、一回やらかした人間は社会に戻られるのを嫌がるからねぇ。だからね、人と顔会わせないように、こんな僻地で集団生活おくるのさ。日本各地の”問題児”が送り込まれるんだよ。ここはある意味治外法権だから、館長の言うことが絶対なの。私達に人権なんてないんだから」
自嘲気味に話す女性は、なにか諦め切ったような顔をしていた。
「人権ないって。そんなのおかしいじゃん?」
「おかしいっていっても、あたしたちに言われてもねぇ。夏の暑いし、冬は寒い。仕事が出来なければ罰が待っている。館長や各部屋のリーダーの機嫌を損ねたら死んじゃうからね。服もこんなのだし、虫も出るから」
同室の人達は体をかきむしって必死にこらえる。
「あ、病院とかないから、死んだらそれまでだからね。毎日誰かしらここの施設で死んでるから」
施設――暁水館の本当の過酷さはこれからだった。
近隣住民から変なにおいがすると暁警察へ通報があった。
暁水館の中を調べると、例のビニールハウスから大麻栽培していることが分かった。
主犯として館長の洲本、彼の妻、兄弟が捕まった。
そこから芋づる式で、暁水館の実態が分かった。
犯罪をして出所した人がホームレスになり、衣食住がない人たちをあつめ、大麻栽培に関わらせ、虐待や劣悪な環境で働かせていたこと。
そこで亡くなった人達は近隣の山中で遺体を遺棄していた。
8月12日、暁町5丁目の山中で、女性の遺体が発見されました。
遺体の損傷がひどく、警察は遺体の身元判明を急いでいます。
外傷が目立つので誰かに襲われたか――。
警察は事件と事故の両面で捜査している。
身元は結花だと分かった瞬間、マスコミが陽鞠のもとへ来た。
『因果応報でしょうね。家族を裏切り、同級生いじめたりしていましたから。やっとこの世を去ってほっとしています。あの人にふさわしい最期だと思います』
『誰かに恨まれたんですないですか? 嫌ってる人いっぱいいましたから』
悠真と陽鞠のコメントは何一つ結花を悼むものではなく、いなくなってよかったと遠回しに喜んでいるものだった。
良輔と静華も「無関係です」と遺体の引き取りを拒否した。
自治体で無縁仏として遺骨が保管されることになった。
ネットでは怨恨説や自作自演説、暁水館にいたことから、そこで死んで遺棄されたのではなど推理を披露する人が出た。以前炎上したことや、琥珀と翡翠を誘拐して脅迫していたことから、因果応報と喜ぶコメントが並んでいた。
暁水館は、出所した人を支援するという名目で、山奥に隔離し、劣悪な環境で働かせてたことから、そのやり方を支持するコメントも相次いだ。
因果応報や犯罪者にふさわしい末路と。
――世界一可愛いゆいちゃんは、イケメンで高収入な夫と結婚して可愛い子供を産んで、おばあちゃんになっても孫と子供に囲まれて生きていくの。
彼女の願いはむなしく消え散り、最後は身内から見放された形だった。享年56歳。
見た目だけで甘やかされ、学習も成長も努力もせず、悪行を重ねた女の末路である。
これ、因果応報なり。
宣言通り、稲本夫妻と悠真そして静華も身元引き取りを拒否したから。
更正施設での結花の評判は良かった。
お行儀よく振る舞い、作業は真面目に……寮母やスタッフからは評判が良かった。
言葉遣いも丁寧になり、多少丸くなった――は表向きの顔だった。
裏では共同生活している人達、特に年下の子達に陰湿な嫌がらせをしていた。
人のプライベートを聞き出し、弱味をついて、脅した。
気に食わないことがあれば、八つ当たりや、怪我をさせるようなことをして、ニタニタ笑っていた。
共同生活している人達は全員女性で、みんな結花より年下の10代から20代の5人ほど。
自分の親ぐらいの人間にいきなり嫌がらせや脅しをされ、社会経験の少ない彼女達は泣き寝入りするしかなかった。
更正施設は2、3ヶ月で出て行くので、短期間で住人が入れ替わる。そのため結花の悪行は知られることなく、自立することが出来た。
元々共同生活無理な結花が早くでるために、優等生キャラを演じていただけだった。
他の人同様3ヶ月で出た結花は、ホームレスになってしまった。
冬の寒い頃だったが、結花の姿を見た支援団体の男性が「寝食、職場が保障されているところがあるので、いかないか」と誘った。
働くのは不本意だが、衣食住そろっているならとすぐに話に乗り、その場所へ向かった。
都内から車で1時間ぐらい離れた辺鄙な山奥の施設だった。
まるで刑務所のような要塞と無機質な鉄筋コンクリートの建物。
まるで隔離されたような村と言えばいいのか、数百人の男女が集団生活をし、せっせと畑仕事や工場仕事をしていた。
服は冬の時期にも関わらず、薄着の青のジャージだった。男女問わず。
結花の中に嫌な予感が走ったが、もう引き返せなかった。
ここに入ると一生出られない。同行者兼紹介した男性――洲本が運転中に言った。
「え? ここなに?」
洲本に尋ねても「農業工場」と答えるだけだった。
「なんで、こんなにみんな薄着なの?」
その瞬間洲本は「つべこべ言わずついてこい」と口調が荒くなった。
公園で声かけられた時は穏やかだったのに、ここに来て急に豹変した。
洲本についていくと地下室のような建物が見えた。
大量の電灯とエアコンに遮光するかのようなカーテン。何か甘いにおいがした。思わず鼻をつまむ。
白みを帯びた緑色の葉っぱが見えた。
せっせと収穫の作業だろうか男女が段ボールに詰める。
「今日からお前はここで働いて貰う。さっきも言ったがここにいる以上一生出られない。いいな?」
「ちょ、ちょっと待ってよ! ここなに? 変な匂いするんだけど?」
「口答えするな。お前は俺にとやかく言える立場じゃない」
洲本は「こいつが今日からお世話になるやつだ。みっちりやってくれよな」と結花に厳しい指導をお願いした。
この建物での就業が終わると、各自大部屋に入れられる。
結花は女性用の部屋に入ったが、思わず声を上げた。
「なにこれ?!」
6畳の畳敷きに10人がぎっちぎっちに入って、申し訳程度にある毛布数枚を2人で使うというものだった。
部屋の中はまるで刑務所の牢屋のような感じで、室内に監視カメラがあった。
エアコンがあるものの、全然効いていなかった。
髪はボサボサ、化粧気もなくしわがめだち、口元が悪人のような顔立ちになった結花。
服も露出多い物ではなく、みんなと同じ青のジャージに着替えた。ここでは仕事中だろうが、就寝だろうがジャージを着て過ごすと。
既にいる先輩方の年齢は幅広い。
結花と同い年ぐらいから、下は10代の女性。
ここのメンバーと寝食をともにすると洲本に言われた。
名前も呉松結花ではなく、120番と呼ばれるようになった。
刑務所同様、名前が剥奪されるのである。
「あんた新入り? 私50番なの。ここは一生出れないよ。おめでとう!」
同室の女性の1人がダミ声で話しかけた。
「わ、私は、呉松結花よ! ゆいちゃんって呼んで!」
「残念ながら、ここは名前で呼ばれない。全員番号で呼ばれる。刑務所と一緒さ。なんたって、ここは、問題起こした人間の最終処分工場だから」
「ど、どういうこと?」
「文字通りさ。私達に行き場がないの。今の時代、一回やらかした人間は社会に戻られるのを嫌がるからねぇ。だからね、人と顔会わせないように、こんな僻地で集団生活おくるのさ。日本各地の”問題児”が送り込まれるんだよ。ここはある意味治外法権だから、館長の言うことが絶対なの。私達に人権なんてないんだから」
自嘲気味に話す女性は、なにか諦め切ったような顔をしていた。
「人権ないって。そんなのおかしいじゃん?」
「おかしいっていっても、あたしたちに言われてもねぇ。夏の暑いし、冬は寒い。仕事が出来なければ罰が待っている。館長や各部屋のリーダーの機嫌を損ねたら死んじゃうからね。服もこんなのだし、虫も出るから」
同室の人達は体をかきむしって必死にこらえる。
「あ、病院とかないから、死んだらそれまでだからね。毎日誰かしらここの施設で死んでるから」
施設――暁水館の本当の過酷さはこれからだった。
近隣住民から変なにおいがすると暁警察へ通報があった。
暁水館の中を調べると、例のビニールハウスから大麻栽培していることが分かった。
主犯として館長の洲本、彼の妻、兄弟が捕まった。
そこから芋づる式で、暁水館の実態が分かった。
犯罪をして出所した人がホームレスになり、衣食住がない人たちをあつめ、大麻栽培に関わらせ、虐待や劣悪な環境で働かせていたこと。
そこで亡くなった人達は近隣の山中で遺体を遺棄していた。
8月12日、暁町5丁目の山中で、女性の遺体が発見されました。
遺体の損傷がひどく、警察は遺体の身元判明を急いでいます。
外傷が目立つので誰かに襲われたか――。
警察は事件と事故の両面で捜査している。
身元は結花だと分かった瞬間、マスコミが陽鞠のもとへ来た。
『因果応報でしょうね。家族を裏切り、同級生いじめたりしていましたから。やっとこの世を去ってほっとしています。あの人にふさわしい最期だと思います』
『誰かに恨まれたんですないですか? 嫌ってる人いっぱいいましたから』
悠真と陽鞠のコメントは何一つ結花を悼むものではなく、いなくなってよかったと遠回しに喜んでいるものだった。
良輔と静華も「無関係です」と遺体の引き取りを拒否した。
自治体で無縁仏として遺骨が保管されることになった。
ネットでは怨恨説や自作自演説、暁水館にいたことから、そこで死んで遺棄されたのではなど推理を披露する人が出た。以前炎上したことや、琥珀と翡翠を誘拐して脅迫していたことから、因果応報と喜ぶコメントが並んでいた。
暁水館は、出所した人を支援するという名目で、山奥に隔離し、劣悪な環境で働かせてたことから、そのやり方を支持するコメントも相次いだ。
因果応報や犯罪者にふさわしい末路と。
――世界一可愛いゆいちゃんは、イケメンで高収入な夫と結婚して可愛い子供を産んで、おばあちゃんになっても孫と子供に囲まれて生きていくの。
彼女の願いはむなしく消え散り、最後は身内から見放された形だった。享年56歳。
見た目だけで甘やかされ、学習も成長も努力もせず、悪行を重ねた女の末路である。
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