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ルートF(フェアリー)
十五話 不幸の妖精メカと遭遇しました。
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──殺気。
そう呼ぶしかない感覚がボクの中を駆け巡った。
昼寝を始めてから一時間程度が経過した頃だろう。
目を覚ましたボクの視界にはボクと同じくらいの背丈のローブを纏った者がいた。
顔はよく見えない。
でも、凄まじい殺気だ。
幸せな人生を送ってきたボクでさえ感じ取れるような明確な殺気。
明らかな敵意、あるいは殺意と言い換えても問題にならない程の嫌な感じがする。
「誰だっ!?」
ローブを纏った者はボクの問いかけを無視し、宙を舞うかのように重さのない足取りで歩いてこちらに近づいてくる。
ボクは身構えて戦いに備えるも、体は震えていた。
「何なんだ……この震えは……体の芯というか、魂が震えるようなこの感覚……」
「ふっ、ふふっ、はは、ははははははっ!!」
「!?」
ローブのヤツはボクに襲いかかってきた。
彼の体と同じサイズの拳が現れ、ボクは咄嗟に両手で防御する。
オレンジ色のバリアが瞬時に現れるも、バリンという音が聞こえ、オレンジ色のバリアが壊れ、そのまま巨大な拳はボクを殴り飛ばした。
「ぐあっ!」
ボクは木の幹に打ち付けられ、肺が潰れるような痛みに襲われる。
衝撃が強くて動けない。
「ようやくこの時がやってきた! 待ちに待ったこの瞬間!! キミは僕が倒す!!」
彼はローブを脱ぎ捨て、その全貌を顕にする。
機械でできたうさぎ。
形が今のボクとそっくり。
「君は何者なんだ!」
「僕は不幸の妖精メカ。キミを倒す者だ」
「不幸の妖精だって……?」
「そうさ。キミが幸せな人生を送った人間をベースに作られたのなら、僕は不幸な人生を送った人間をベースに作られた存在。僕とキミは対の存在なんだよ」
「なるほどね……君はこの世界に不幸を振り撒く事が目的なわけか」
「違うよ。あくまでそれは建前。僕の目的はキミを倒す事。幸せの妖精じゃなくて、宇佐美つきみをね!!」
メカはボクの日本での名前を言い当てた。
ボクはアオノにもレアルにも勿論街の誰かにも自分の名前を話していない。
それなのにボクの名前を知っている。
と言う事は、この不幸の妖精メカは宇佐美つきみの事を知っている人物という事になる。
「君は以前のボクを知ってるの? 君は誰? ボクのクラスメイト? それとも家族? いや、ボクの知る限りそんな話し方の人はいない。ボクが知っているクラスメイトの一人称は大体『俺』だし……」
「キミならすぐに分かりそうだけどな。僕が真実を告げずとも、キミはその答えに必ず辿り着く。そもそもキミを消す前にそれには気づいてもらわなきゃ困る。罪を自覚しないまま死に逃げはさせないよ」
「ボクの罪……?」
ボクがそう呟くと、メカはボクを蹴り上げた。
「うごっ…!」
「さっきの反応といい今の反応といい、キミには痛覚があるみたいだね。流石は幸せの妖精。僕に幸せを齎してくれたのかな? ではキミの体に電流を流す事にしよう」
「なっ……!」
メカは右腕をケーブル状に変形させ、ボクの体に触れさせた。
メカは機械の歯を見せてニヤリと笑い、目を赤く光らせた。
直後、ボクの体を凄まじい衝撃が襲った。
「んがぎぎぎぎぎぎぐががががががががぎぐばばばばばばばばばべがががががががぎがああああああああああああああああああああああああああああ!!」
電流。
殴られたり蹴られたり、膝を擦りむいたり、包丁で指を切ったりといった痛みとはまるで違う。
通常の痛みなら声を出さずに耐えられる。
でもこれは無理だ!
神経に直接マグマを流し込まれているかのような酷い痛みだ。
体も自分の意思を外れて電流によって踊り狂う。
脳まで焼き切れそうだ。
「あ……ぐ……あがあ……」
「どうだ? 中々痛いだろう? でもね、僕はもっと痛かった。苦しかった。うーん、肉体への痛みだけじゃ効果は薄そうだ。では次はそこで寝転がっている子供に電流を流してみようか」
「!? や、めろっ……!」
「ううん、やめない」
メカはケーブルをレアルの腕に触れさせた。
そう呼ぶしかない感覚がボクの中を駆け巡った。
昼寝を始めてから一時間程度が経過した頃だろう。
目を覚ましたボクの視界にはボクと同じくらいの背丈のローブを纏った者がいた。
顔はよく見えない。
でも、凄まじい殺気だ。
幸せな人生を送ってきたボクでさえ感じ取れるような明確な殺気。
明らかな敵意、あるいは殺意と言い換えても問題にならない程の嫌な感じがする。
「誰だっ!?」
ローブを纏った者はボクの問いかけを無視し、宙を舞うかのように重さのない足取りで歩いてこちらに近づいてくる。
ボクは身構えて戦いに備えるも、体は震えていた。
「何なんだ……この震えは……体の芯というか、魂が震えるようなこの感覚……」
「ふっ、ふふっ、はは、ははははははっ!!」
「!?」
ローブのヤツはボクに襲いかかってきた。
彼の体と同じサイズの拳が現れ、ボクは咄嗟に両手で防御する。
オレンジ色のバリアが瞬時に現れるも、バリンという音が聞こえ、オレンジ色のバリアが壊れ、そのまま巨大な拳はボクを殴り飛ばした。
「ぐあっ!」
ボクは木の幹に打ち付けられ、肺が潰れるような痛みに襲われる。
衝撃が強くて動けない。
「ようやくこの時がやってきた! 待ちに待ったこの瞬間!! キミは僕が倒す!!」
彼はローブを脱ぎ捨て、その全貌を顕にする。
機械でできたうさぎ。
形が今のボクとそっくり。
「君は何者なんだ!」
「僕は不幸の妖精メカ。キミを倒す者だ」
「不幸の妖精だって……?」
「そうさ。キミが幸せな人生を送った人間をベースに作られたのなら、僕は不幸な人生を送った人間をベースに作られた存在。僕とキミは対の存在なんだよ」
「なるほどね……君はこの世界に不幸を振り撒く事が目的なわけか」
「違うよ。あくまでそれは建前。僕の目的はキミを倒す事。幸せの妖精じゃなくて、宇佐美つきみをね!!」
メカはボクの日本での名前を言い当てた。
ボクはアオノにもレアルにも勿論街の誰かにも自分の名前を話していない。
それなのにボクの名前を知っている。
と言う事は、この不幸の妖精メカは宇佐美つきみの事を知っている人物という事になる。
「君は以前のボクを知ってるの? 君は誰? ボクのクラスメイト? それとも家族? いや、ボクの知る限りそんな話し方の人はいない。ボクが知っているクラスメイトの一人称は大体『俺』だし……」
「キミならすぐに分かりそうだけどな。僕が真実を告げずとも、キミはその答えに必ず辿り着く。そもそもキミを消す前にそれには気づいてもらわなきゃ困る。罪を自覚しないまま死に逃げはさせないよ」
「ボクの罪……?」
ボクがそう呟くと、メカはボクを蹴り上げた。
「うごっ…!」
「さっきの反応といい今の反応といい、キミには痛覚があるみたいだね。流石は幸せの妖精。僕に幸せを齎してくれたのかな? ではキミの体に電流を流す事にしよう」
「なっ……!」
メカは右腕をケーブル状に変形させ、ボクの体に触れさせた。
メカは機械の歯を見せてニヤリと笑い、目を赤く光らせた。
直後、ボクの体を凄まじい衝撃が襲った。
「んがぎぎぎぎぎぎぐががががががががぎぐばばばばばばばばばべがががががががぎがああああああああああああああああああああああああああああ!!」
電流。
殴られたり蹴られたり、膝を擦りむいたり、包丁で指を切ったりといった痛みとはまるで違う。
通常の痛みなら声を出さずに耐えられる。
でもこれは無理だ!
神経に直接マグマを流し込まれているかのような酷い痛みだ。
体も自分の意思を外れて電流によって踊り狂う。
脳まで焼き切れそうだ。
「あ……ぐ……あがあ……」
「どうだ? 中々痛いだろう? でもね、僕はもっと痛かった。苦しかった。うーん、肉体への痛みだけじゃ効果は薄そうだ。では次はそこで寝転がっている子供に電流を流してみようか」
「!? や、めろっ……!」
「ううん、やめない」
メカはケーブルをレアルの腕に触れさせた。
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