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一話 僕が生まれた理由
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それは、僕が3歳の誕生日を迎えた翌朝のことだった。
「ぅぁ⋯⋯っ! 頭が⋯⋯!!」
自室で寝ていたはずの僕は突然の頭痛にヨダレを垂らしながら悶えていた。とんでもない量の情報が一気に押し寄せる感覚。人格が急速に形成されていく。
そうだ⋯⋯僕、いや俺は⋯⋯!!
俺は こことは違う世界で暮らしていた社会人だった。一言で言うなら独身貴族。大手不動産会社に就職し、趣味のアニメやゲーム、ロードバイクで人生を謳歌していた勝ち組の一人だ。女性経験どころか彼女すらいた事もない童貞だったけど、その時の俺にとって些細な問題だった。
そんな俺は、雨の日のロードレースで大規模な落車に巻き込まれ、不運にも命を落とした。26歳の出来事だ。
そこからの記憶は朧気だった。何も無い空間で声だけが響いている。男なのか女なのかわからないが、要所要所のセリフが記憶に張り付いていた。
『あのハードモードな世界で大丈夫だろうか』
『恩恵を3つ与えてあげよう』
『どうか幸せに生きて欲しい』
『余裕があればお供え物をください』
神様⋯⋯だったのだろうか。どうやら別の世界へ生まれ変わったが、ハードモード過ぎて心配だから特別な能力を授けたらしい。前世の記憶を流し込まれているのも、神様が俺の身を案じてのことなのかもしれない。
頭痛が落ち着き、僕が始めにしたのは鏡を見ることだった。
「うわぁ、全然違うや⋯⋯」
前世の僕はパッとしない体育会系みたいな顔だった。今は、少し暗めの茶髪に透き通った青い瞳を持った美少年。将来イケメンを約束された容姿に苦笑いが出た。ただの村人のはずなんだけど、一瞬貴族か何かなのかと思った。
次に、自然とやり方を知っていたある事を試す。
「す、ステータス!」
中身がいい大人なので恥ずかしかったけど、僕の声に反応して半透明のボードが目の前に出現した。
そう、能力を確認出来る『ステータス』で神様から貰った恩恵が何だったのか知らなくてはならない。この世界はハードモードらしいから、これがハズレでも引いてしまえば地獄の始まりになってしまう。
名前:テオ・ノーデンス
年齢:3歳
性別:男
LV:1
HP:15
MP:5
筋力:3
魔力:1
幸運:5
加護:『明鏡止水』『色気の極意』『妖艶神セクアロスの恩恵』
スキル:超集中、ステータス
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯ん? 変なの混ざってた?
ゲームのようなステータスにしては項目が少ない気もするが、一先ず加護の効果が何なのか確認しなくては。
まずは『明鏡止水』。どんな場合でも念じるだけで冷静になれることが出来る汎用性の高い能力だ。これのスキルである『超集中』も腐らせることのなさそうで当たりだろう。
次に『色気』。周りの人から好かれやすくなるって事だけわかったけど、どんな世界でも一人では生きていけない。特にこのハードモードの世界では強いアドバンテージになるだろう。
最後に『妖艶神セクアロスの恩恵』。どうやら『セックスによる経験値補正、レベルアップ時能力上昇値補正』が主な能力で⋯⋯⋯⋯。
セックスに、よる??
前世から童貞の僕がセックス????
「そんなばかな!!」
こんな世界で僕が強くなる方法がセックスしかないってこと?? ありえないでしょ!! せめて攻撃的な能力とか自分より強いモンスターを仲間に出来るテイ厶能力とか色々あるでしょ!! 童貞にセックスの能力って何考えてんのすぐ死んじゃうじゃん!! あの時の神様が妖艶神セクアロスだったってこと!?!?
現実を受け入れられなくて布団の上でバタバタと暴れていると、突然部屋の扉が開いた。
「あら? 起こしちゃったかな?」
入ってきたのはポニーテールの少女。腕にはまだ産まれて間もない赤ちゃんを抱いていた。
僕はこの人知っている。現在18歳とまだ子供のように見えるが、僕の母さんのセリア・ノーデンスだ。腕の赤ちゃんは僕の妹アルム・ノーデンス。二人共僕とは違って暗い青色の髪の毛で、僕は父さんの髪色を受け継いだみたいだ。
母さんはアルムを僕の隣りに寝かせると、代わりに僕を抱き上げて額にキスをした。
「テオは一人でお昼寝出来るようになったねぇ、いい子だよ~」
暖かく、包み込むような優しい笑顔。なんて美少女だ。我が母ながら恋に落ちてしまいそうだ。願わくばあともう少し胸が大きければ⋯⋯。
⋯⋯⋯⋯あれ、胸が、というより全体的に小さく細い⋯⋯? 違う。やつれているんだ。
ハタと気付いた。そうだ、この人は18歳にして2児の母というだけではなく、夫が死んでいるんだった。記憶では、食料が安定しないこの村で、父は多少戦える狩人だった。日常的に山に入り、当たり前のように帰らぬ人となったんだ。それも妹が産まれる少し前の出来事。幸せの絶頂で未亡人となり、二人の赤子を育てることを強いられれば、とてもまともで居られるはずがない。
「⋯⋯⋯⋯まま」
「ん? 寂しかった? ママはずっとテオの傍にいるよ。大丈夫、愛してるわ」
服も買えず、栄養も取れぬ母は、それはそれは強い愛情で僕を見守っていた。
そうか、分かったぞ。僕がこの世界ですべきことは、この人を、僕の家族を幸せにすることなんだ。前世では最低限の繋がりしかなかった家族。でも今世では、命を懸けて守ると今ここに誓おう。
見てて母さん。僕はこんな恥ずかしい恩恵しか持ってないけど、どんな手を使ってでも貴方にお腹いっぱいのご飯を食べさせてあげる!! 好きな服だっていくらでも買ってあげられるようになるからね!!
決意の狼煙を上げた。僕という物語は今ここでスタートしたのであった。
パンっパンっパンっパンっ!!
「あぁっ!♡ だめテオっ! 親子でこんなことぉ♡ ぅあああっ!!♡」
「母さんっ! 母さんっ!」
僕は背中から母さんに抱き着き、熱く、柔らかなその中で果ててしまった。
あれから7年。大きくなった僕は母さんを飢えさせないことは出来たが、代わりにとんでもない一線を越えてしまったのだった。
「ぅぁ⋯⋯っ! 頭が⋯⋯!!」
自室で寝ていたはずの僕は突然の頭痛にヨダレを垂らしながら悶えていた。とんでもない量の情報が一気に押し寄せる感覚。人格が急速に形成されていく。
そうだ⋯⋯僕、いや俺は⋯⋯!!
俺は こことは違う世界で暮らしていた社会人だった。一言で言うなら独身貴族。大手不動産会社に就職し、趣味のアニメやゲーム、ロードバイクで人生を謳歌していた勝ち組の一人だ。女性経験どころか彼女すらいた事もない童貞だったけど、その時の俺にとって些細な問題だった。
そんな俺は、雨の日のロードレースで大規模な落車に巻き込まれ、不運にも命を落とした。26歳の出来事だ。
そこからの記憶は朧気だった。何も無い空間で声だけが響いている。男なのか女なのかわからないが、要所要所のセリフが記憶に張り付いていた。
『あのハードモードな世界で大丈夫だろうか』
『恩恵を3つ与えてあげよう』
『どうか幸せに生きて欲しい』
『余裕があればお供え物をください』
神様⋯⋯だったのだろうか。どうやら別の世界へ生まれ変わったが、ハードモード過ぎて心配だから特別な能力を授けたらしい。前世の記憶を流し込まれているのも、神様が俺の身を案じてのことなのかもしれない。
頭痛が落ち着き、僕が始めにしたのは鏡を見ることだった。
「うわぁ、全然違うや⋯⋯」
前世の僕はパッとしない体育会系みたいな顔だった。今は、少し暗めの茶髪に透き通った青い瞳を持った美少年。将来イケメンを約束された容姿に苦笑いが出た。ただの村人のはずなんだけど、一瞬貴族か何かなのかと思った。
次に、自然とやり方を知っていたある事を試す。
「す、ステータス!」
中身がいい大人なので恥ずかしかったけど、僕の声に反応して半透明のボードが目の前に出現した。
そう、能力を確認出来る『ステータス』で神様から貰った恩恵が何だったのか知らなくてはならない。この世界はハードモードらしいから、これがハズレでも引いてしまえば地獄の始まりになってしまう。
名前:テオ・ノーデンス
年齢:3歳
性別:男
LV:1
HP:15
MP:5
筋力:3
魔力:1
幸運:5
加護:『明鏡止水』『色気の極意』『妖艶神セクアロスの恩恵』
スキル:超集中、ステータス
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯ん? 変なの混ざってた?
ゲームのようなステータスにしては項目が少ない気もするが、一先ず加護の効果が何なのか確認しなくては。
まずは『明鏡止水』。どんな場合でも念じるだけで冷静になれることが出来る汎用性の高い能力だ。これのスキルである『超集中』も腐らせることのなさそうで当たりだろう。
次に『色気』。周りの人から好かれやすくなるって事だけわかったけど、どんな世界でも一人では生きていけない。特にこのハードモードの世界では強いアドバンテージになるだろう。
最後に『妖艶神セクアロスの恩恵』。どうやら『セックスによる経験値補正、レベルアップ時能力上昇値補正』が主な能力で⋯⋯⋯⋯。
セックスに、よる??
前世から童貞の僕がセックス????
「そんなばかな!!」
こんな世界で僕が強くなる方法がセックスしかないってこと?? ありえないでしょ!! せめて攻撃的な能力とか自分より強いモンスターを仲間に出来るテイ厶能力とか色々あるでしょ!! 童貞にセックスの能力って何考えてんのすぐ死んじゃうじゃん!! あの時の神様が妖艶神セクアロスだったってこと!?!?
現実を受け入れられなくて布団の上でバタバタと暴れていると、突然部屋の扉が開いた。
「あら? 起こしちゃったかな?」
入ってきたのはポニーテールの少女。腕にはまだ産まれて間もない赤ちゃんを抱いていた。
僕はこの人知っている。現在18歳とまだ子供のように見えるが、僕の母さんのセリア・ノーデンスだ。腕の赤ちゃんは僕の妹アルム・ノーデンス。二人共僕とは違って暗い青色の髪の毛で、僕は父さんの髪色を受け継いだみたいだ。
母さんはアルムを僕の隣りに寝かせると、代わりに僕を抱き上げて額にキスをした。
「テオは一人でお昼寝出来るようになったねぇ、いい子だよ~」
暖かく、包み込むような優しい笑顔。なんて美少女だ。我が母ながら恋に落ちてしまいそうだ。願わくばあともう少し胸が大きければ⋯⋯。
⋯⋯⋯⋯あれ、胸が、というより全体的に小さく細い⋯⋯? 違う。やつれているんだ。
ハタと気付いた。そうだ、この人は18歳にして2児の母というだけではなく、夫が死んでいるんだった。記憶では、食料が安定しないこの村で、父は多少戦える狩人だった。日常的に山に入り、当たり前のように帰らぬ人となったんだ。それも妹が産まれる少し前の出来事。幸せの絶頂で未亡人となり、二人の赤子を育てることを強いられれば、とてもまともで居られるはずがない。
「⋯⋯⋯⋯まま」
「ん? 寂しかった? ママはずっとテオの傍にいるよ。大丈夫、愛してるわ」
服も買えず、栄養も取れぬ母は、それはそれは強い愛情で僕を見守っていた。
そうか、分かったぞ。僕がこの世界ですべきことは、この人を、僕の家族を幸せにすることなんだ。前世では最低限の繋がりしかなかった家族。でも今世では、命を懸けて守ると今ここに誓おう。
見てて母さん。僕はこんな恥ずかしい恩恵しか持ってないけど、どんな手を使ってでも貴方にお腹いっぱいのご飯を食べさせてあげる!! 好きな服だっていくらでも買ってあげられるようになるからね!!
決意の狼煙を上げた。僕という物語は今ここでスタートしたのであった。
パンっパンっパンっパンっ!!
「あぁっ!♡ だめテオっ! 親子でこんなことぉ♡ ぅあああっ!!♡」
「母さんっ! 母さんっ!」
僕は背中から母さんに抱き着き、熱く、柔らかなその中で果ててしまった。
あれから7年。大きくなった僕は母さんを飢えさせないことは出来たが、代わりにとんでもない一線を越えてしまったのだった。
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