風と翼

田代剛大

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織田信長編:REVIVE

第11話 最低のパパ

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「なるほど・・・分析通りの実力ってわけね・・・」
振り返る二人。
結界が解け薬草園に入ってくる織田信長。
「しかし、ぼくは欲しいと思ったものは必ず手に入れる・・・」
カイト「信長・・・!」
翼「この土地はあなたには渡さない・・・!」
誰かに呼びかける信長「娘はこう言ってるけど、どうします?」
百地「・・・もう諦めろ・・・」
翼「!?お父さん・・・!??」
カイト「信長に捕まったんじゃ・・・」

陰鬱な表情の翼「違う・・・はなからこの二人はグルだったんだ・・・!」
カイト「え・・・?」
百地「ビジネスパートナーだよ・・・」
信長の兵が、銃を突きつけて金吾と千代女を連れてくる。
翼「頭領・・・!」
カイト「千代女さん・・・!!」
千代女「カイト君、うちのお父さん大怪我してるの・・・!」
血を流す望月「痛いよ~」
カイト「え・・・!!」
百地「勝負は付いた。
この土地は我々がもらう。」

信長「くっくっく我々・・・?
いやあ違うでしょ・・・私の土地でしょ」
百地「なに?」
信長「キミはこのボクと対等な立場だと思ってたのかい?
キミの薬に分ける土地なんて1ヘクタールもないです。
全部、核兵器の燃料にするんだ・・・」
百地「信長、話が違うぞ・・・!」
信長「残念だけど、君の奥さんは戻って来ない・・・」
百地「・・・・・・!」
翼「・・・?」
カイト「・・・もしかしてコード:REVIVEって・・・」
信長「君ら忍者ってのは、本当に恐ろしいよ・・・
優秀で勤勉で忠実で、戦闘能力は抜群・・・しかし腹の底が読めない・・・
君らが結託して裏切る前に手を打たなければ・・・
だからここでまとめて滅ぼすことにしました。」
信長に襲い掛かる百地「おのれ・・・!」

とっさに翼を人質に取る信長。
「どんな人間も家族に危害を加えればたいてい操れる・・・君はそう言ってたよね?」
百地「うっ・・・」
信長「よくこんな汚いことできたもんだなって思ってたけど、なるほど確かに効果的だ・・・」
百地にピストルを撃つ信長。
倒れる百地。
百地に駆け寄ろうとする翼「お父さん!!」
カイト「翼さん行っちゃダメだ!!」
信長「伊賀忍者の首領もあっけないものだねえ・・・
じゃあ残りの忍者諸君も、この土地の養分にでもなってもらおうかな」
瀕死の百地「・・・娘だけは・・・翼だけは助けてくれ・・・」
信長「ふうん、奥さんと同じ名前をつけたんだ・・・哀れだね。
さて、今夜は総理と会食の予定があってね。ちゃっちゃと済まそう。」
銃を構える信長の兵たち。
「カイトさん・・・」
震える手でカイトにしがみつく翼。
千代女を見るカイト。
札をすべて奪われたらしく首を振る千代女。

その時――戦車が突っ込んでくる。
長門「まだ戦いは終わってねえ~~!帰ってきたぜ~~!!」
蹴散らされる信長の兵たち「うわああ!」
長門「喰らえオラ~~!」
見境なく主砲を連射する長門。
バックホウやブルドーザが爆発する。
信長「なんだ、あのキチガイは!やめさせなさい!!」
長門を取り押さえる兵士たち「は・・・!」

すると、ヘリコプターのローター音が聞こえてくる。
“本能寺テレビ”とボディに塗装されたヘリの軍団。

信長「誰がタレ込んだ・・・?」
ニヤリと笑う百地「・・・あんたが忍者を蔑んでいるのも知ってたさ・・・」
百地に銃を再び向ける信長「・・・・!」
しかし銃口を下げる。
秘書(蘭丸)「いけませんお館様!どこにマスコミのカメラがあるかわかりませぬ!
やつらこそ最も恐ろしい忍者(すっぱ)です!ここは堪えてください!
さあ、参りましょう!」
リムジンに誘導される信長。
蜘蛛の子を散らすように撤収していく信長軍。

乗り残される忍者たち。
きょとんとするカイト「助かった・・・?」
駆け出す翼「お父さん・・・!」
百地を手当しようとする翼。
カイトがケースを開けて明智からもらった薬を取り出す。
カイト「翼さん、これ・・・!」
百地「その必要はない・・・」
薬を拒否する百地。
「すまない・・・
最後にお前に伝えておきたいことがある・・・
実は、母さんはお前を産んですぐに亡くなったんだ・・・病気でね・・・」
翼「・・・離婚したんじゃ・・・」
力なく首を振る百地。
「お前に似て美しく、優しい女性だったが・・・
体が弱かったんだ・・・
私は妻の死を受け入れられなかった・・・だから・・・
甲賀忍者の医術を求めて、この土地を訪れた・・・」
翼「え・・・?」
百地「しかし、秘術で死者を生き返らせることを、望月金吾は許さなかった・・・
そして私は彼と決別し・・・信長と手を組んだ・・・」
カイト「それがコード:REVIVE・・・」
百地「ファイルを見たんだな・・・その通りだよカイト君・・・」
カイト「あの写真は翼さんじゃなくて、奥さんだったんだ・・・」
翼「なんで本当のことを教えてくれなかったの??」
百地「お前を悲しませたくなかったんだ・・・お前はいつも言っていた・・・お母さんはいつかきっと帰ってくると・・・」
首を振る翼「違う・・・あなたは私に自分の趣味を押し付けようとした・・・可愛らしいピンクのワンピース、たくさんのぬいぐるみ・・・それは全て、お母さんの好きなもの・・・
でも・・・私はお母さんの代わりじゃないよ・・・」
百地「まったくだ・・・お前のことなんか考えてなかったのかもな・・・
お前の言うとおりの最低の父親だ・・・」
翼「でも私のたったひとりの父親です・・・」
おろおろするカイト「は、早く薬を使わないと・・・死んじゃうよ・・・!」
百地「その薬を使うのは私じゃない・・・」
震える手で金吾を指差す百地。
百地「思い返せば、先生が言っていたことが全て正しかった・・・」
金吾「たわけが・・・わしはもう長くはない・・・」
目を閉じる百地「いや・・・長く生きてくれなければ困ります・・・翼を・・・
これからも見守ってください・・・」



こうして伊賀の乱は終わった・・・
尾張財団の総帥、天才実業家と謳われた織田信長は、本能寺テレビによって数々の狼藉が生中継され、大炎上、経団連の会長を辞任、尾張財団のトップの座からも引きずり下ろされた。
次期会長には羽柴秀吉さんという庶民派で、人あたりが良さそうな叩き上げの社員が任命された。

ニュース番組のカット。“清須会談決着!”のテロップ。

そして・・・
たったひとりの女性を一途に思い続けた男は、結局自分の命すら失ってしまった・・・
でも・・・もし仮にオレが翼さんを失ったら・・・

平穏な毎日に戻った望月村。
金吾と千代女と仲良さげに暮らす翼を忍者屋敷の縁側から眺めるカイト。
経済誌を読みながら千代女
「だから、おならを出すには食物繊維を食べればいいのよ」
翼「今日から根菜中心の食生活にしましょう」
金吾「いや、それではくささが出ないんじゃよ・・・」
翼「くささって絶対に必要ですか?」
金吾「武器にならんじゃろ!」
微笑むカイト。
翼「どうしました、カイトさん・・・」
カイト「いや、三人を見ていると、本当の家族みたいだなって・・・」
翼「カイトさんには本当の家族があります・・・
ねえ・・・そろそろ仲直りしませんか・・・?」
カイト「・・・・・・。」

自宅に帰るカイト。
心配そうに駆け寄ってくる両親。
「どこへ行ってたの!?心配したのよ!」
カイト「ちょっと、織田信長を倒しにね・・・」
おしまい
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