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第六章 地球より愛をこめて――From Earth with Love
80日目
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太陽系を飛ぶライトアロー号。
これで最後になるかもしれない、馴染みのある惑星たち。
コックピット
ライト「手順はわかっとるな」
ミグ「私は隕石解体のプロだよ?たとえ相手が銀河になろうと変わらんさ・・・」
ライト「・・・怖いか?」
ミグ「怖くないよ・・・
いや、ごめん嘘・・・
でも・・・キミと一緒だから・・・」
にやりと笑うライト「ほんじゃあ、宇宙一周旅行の始まりや・・・!」
スイッチを押す。
リニアエクシードエンジンが起動し、ライトアロー号が徐々に光に変わっていく。
コックピットで手を握るライトとミグ。
すべてが光へ――
・
虚無
・
ミグは夢を見た・・・
揺り籠の中にいるミグ
ミグを覗き込む父親と母親
父親「幸せに生きてほしいな」
母親「大切な人に出会ってね・・・」
立ち上がる幼少期のミグ。
屋敷のダンスホールを見渡す。
将校「大変だ・・・チオルコフスキー夫妻が作戦中の事故で亡くなった・・・!」
養父「ひとりぼっちか可哀想に・・・うちにおいで・・・可愛がってあげるから」
養父に手を引かれる少女時代のミグ。
養父に虐待されるミグ。胸に傷を負わされる。
家を裸足で飛び出す。深い針葉樹の森に駆けていく・・・
イワン「この子は私が引き取る。屋敷も買い上げよう・・・」
養父「冗談じゃない!この子はウチの養子だ・・・!!」
養父の腹を殴るイワン
養父「ぐっ・・・!!」
イワン「彼女が受けた傷はこんなもんじゃないぞ・・・」
20歳くらいのミグ。
イワンを屋敷のドアで引き止める「なんで出て行っちゃうんですか!?
私が若いから・・・?」
イワン「いや・・・」
ミグ「じゃあなんで・・・私が嫌いなら理由を言ってください!」
イワン「・・・その傷かな・・・」
ミグ「え・・・??」
イワン「その胸の傷・・・ずっと気持ち悪いって思ってた・・・これでいいか?」
またひとりぼっちになってしまうミグ
デニス「あなたも結婚したらどう?子育てって大変だけど楽しいわよ~」
バーニー「お前はいいよな。両親が早くに死んでよ。こちとら介護で地獄を見てるぜ」
キャロット軍曹「チオルコフスキー!貴様オレが女だからって手心を加えると思っているな!軌道歩兵隊ではそうはいかんぞ!!その胸以上の傷を覚悟しておけ!!」
ナッシュ・ストライカー軍曹「ご両親は残念な事をしたな・・・
しかし我々ディープインパクトの任務は誰かがやらなければならないものだ。
太陽系に住む多くの人たちが安心して眠れるように・・・」
小惑星の上で凍りついていくミグ
ミグ(もう・・・わからない・・・私は一体何のために生きているの・・・??
大切な人なんて誰もいないのに・・・)
ライト「な~んやここ姉ちゃんちか!」
ミグ「え・・・?」
ライト「オレは地球一の天才発明家ライト・ケレリトゥス!
太陽系最速の男や!どうや惚れたか~~!!??」
ミグ(なんだこの人・・・)
軍曹に電気ショック与えるライト「えい」
軍曹「ちんぎゃああああ!」
伸びをするライト「あ~オレもう飽きたわこの星。オレ帰るから」
ミグ「え~~~!」
ライト「夢なんか?地球へいくの。そうだ!オレが連れてったる!」
ミグ「え・・・?」
ライト「次は絶対に地球に連れてったるからな!」
ライト「無理やない!!オレを信じろ!!!!」
ミグ(ライト・・・)
冥王星、海王星、天王星・・・様々な星でのライトの笑顔・・・
・
・
何億光年も果の宇宙。
強烈な光を出すフレッドホイル銀河
フレッドホイル銀河が何十億年も前に放射した衝撃波の射程圏内に入るライトアロー号
ライト「・・・グ!ミグ・・・!」
ミグ「ん・・・」
ライト「目を開けろ・・・!おったぞ!!」
目を疑うミグ。
目の前には空間自体をグロテスクにえぐりねじまげる、発光するアメーバーのような巨大な天体が広がっている。
ライト「こいつは・・・銀河やない・・・クエーサーやったんや・・・」
ミグ「クエーサー・・・?」
ライト「やつの心臓はブラックホールや・・・戦うでミグ!準備はええな!!」
機体を安定させるライト
機体に取り付けられた宇宙望遠鏡の映像を送るモニターにターゲットが映る。
実際には機体よりも何億光年も先・・・宇宙の果てにいる怪物
装置を操作して、ジオメトリカルホウサンチュウの入った弾頭を切り離す。
衝撃波の第一波が襲いかかってくる。
コックピットにアラートが鳴りひびく。
メイルシュトローム砲の発射レバーに手をかけるミグ。
ホウサンチュウの弾頭に照準を合わせる。
ミグ「私が撃ったら、すぐに撤退する・・・!」
ライト「任せろ!」
ミグ「カウント3でいくぞ・・・!」
「3」
「2」
・
・
・
「1!!」
目の前が真っ白になり、メイルシュトローム砲が弾頭を貫く。
宇宙にばらまかれたジオメトリカルホウサンチュウがメイルシュトローム砲のエネルギーを喰らい、猛スピードで繁殖していく。そのさまは透明なクリスタルのドームが早回しで建設されていくようだ。
オリハルコンの結晶体はエネルギー砲をつたってライトアロー号にも襲いかかる。
すかさずリニアエクシードエンジンを起動し別の次元に飛んでいくライトアロー号。
次の瞬間衝撃波が襲いかかる。
衝撃波の強大な熱エネルギーはさらにジオメトリカルホウサンチュウのドームに置き換えられていく。
マトリョーシカをしまっていくように、どんどんできるドームの大きさが巨大化していく。
衝撃波が太陽系を襲うたびに・・・
そして・・・
・
・
・
エッジワース・カイパーベルト周辺宙域
太陽系に帰還してくるライトアロー号。
コックピット
無言の二人「・・・・・・。」
窓の外の小さな星を指差すライト。
ライト「あ・・・あれもしかして冥王星ちゃうか?」
ミグ「え・・・?」
身を乗り出すミグ。
かつての自分の星を見てショックを受ける。
ミグ「そんな・・・」
冥王星は氷の惑星に変わっている・・・
ミグ「これが・・・冥王星?私の星・・・??」
ライト「んなバカな・・・」
計器を確認するライト。
太陽系の温度がグッと下がっていることがわかる。
ライト「太陽の方向はあっちや・・・太陽を目指そう・・・」
海王星を通り過ぎるライトアロー号。海王星もメタンで出来た氷の星と化していた。
ライト「どの星も逆に凍てついちまったのか・・・?」
ミグ「いや・・・そうじゃない・・・」
目の前に土星と木星が現れる。
ミグ「ガスになってる・・・蒸発してしまった・・・」
茫然自失するミグ。
ミグ「これが・・・私たちの太陽系・・・」
沈黙。
・
・
・
口を開くライト「・・・帰ろう・・・」
ミグ「帰るってどこに??
私たちは結局何も出来なかった・・・!!」
ライト「できる限りのことはやったやろ・・・」
号泣するミグ「惑星はすべてガスになってしまったんだぞ・・・!?
私たちは誰も助けられなかった・・・!誰ひとり・・・!!」
ライト「まだ決まったわけやないやろ。
それに・・・もし仮に宇宙でオレとお前の二人きりになったとしても・・・オレは生きていく。
あんたが死ぬまでな、ミグ。死ぬまでずっと守り続けてやるから」
ミグを抱きしめるライト。
・
・
・
無線「・・・・」
ライト「なんか聞こえないか?」
ミグ「え?」
ライト「地球からの通信電波や!」
無線周波数を合わせるライト。
無線「・・・こちら地球、ライトアロー号応答せよ」
ミグ「!!!」
無線機を掴むライト
ライト「こちらライトアロー・・・生存者は二名・・・ライト・ケレリトゥスとミグ・チオルコフスキー。
そっちは無事なのか!?」
ミグ「助かった・・・?」
ライト「あ、ああ・・・」
ミグ「助かった・・・!」
ミグと抱き合うライト「助かったんや!!!!」
無線「現在地の座標を送る。直ちに帰還せよ。」
ライト「了解、進路を326に取る」
地球に向けて進路を取るライト。
ミグ「あれが・・・」
ミグの目の前にある青い美しい星――地球。
奇跡的に災厄をまぬがれ太陽系で唯一生命が存在する星・・・
ライト「これがずっと見せたかったんや」
涙を流すミグ。
小さく頷くミグ「うん・・・」
ライト「さあ・・・家に帰ろう・・・」
地球に向かうライトアロー号。
神よ 変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。
『80日間宇宙一周』おしまい
これで最後になるかもしれない、馴染みのある惑星たち。
コックピット
ライト「手順はわかっとるな」
ミグ「私は隕石解体のプロだよ?たとえ相手が銀河になろうと変わらんさ・・・」
ライト「・・・怖いか?」
ミグ「怖くないよ・・・
いや、ごめん嘘・・・
でも・・・キミと一緒だから・・・」
にやりと笑うライト「ほんじゃあ、宇宙一周旅行の始まりや・・・!」
スイッチを押す。
リニアエクシードエンジンが起動し、ライトアロー号が徐々に光に変わっていく。
コックピットで手を握るライトとミグ。
すべてが光へ――
・
虚無
・
ミグは夢を見た・・・
揺り籠の中にいるミグ
ミグを覗き込む父親と母親
父親「幸せに生きてほしいな」
母親「大切な人に出会ってね・・・」
立ち上がる幼少期のミグ。
屋敷のダンスホールを見渡す。
将校「大変だ・・・チオルコフスキー夫妻が作戦中の事故で亡くなった・・・!」
養父「ひとりぼっちか可哀想に・・・うちにおいで・・・可愛がってあげるから」
養父に手を引かれる少女時代のミグ。
養父に虐待されるミグ。胸に傷を負わされる。
家を裸足で飛び出す。深い針葉樹の森に駆けていく・・・
イワン「この子は私が引き取る。屋敷も買い上げよう・・・」
養父「冗談じゃない!この子はウチの養子だ・・・!!」
養父の腹を殴るイワン
養父「ぐっ・・・!!」
イワン「彼女が受けた傷はこんなもんじゃないぞ・・・」
20歳くらいのミグ。
イワンを屋敷のドアで引き止める「なんで出て行っちゃうんですか!?
私が若いから・・・?」
イワン「いや・・・」
ミグ「じゃあなんで・・・私が嫌いなら理由を言ってください!」
イワン「・・・その傷かな・・・」
ミグ「え・・・??」
イワン「その胸の傷・・・ずっと気持ち悪いって思ってた・・・これでいいか?」
またひとりぼっちになってしまうミグ
デニス「あなたも結婚したらどう?子育てって大変だけど楽しいわよ~」
バーニー「お前はいいよな。両親が早くに死んでよ。こちとら介護で地獄を見てるぜ」
キャロット軍曹「チオルコフスキー!貴様オレが女だからって手心を加えると思っているな!軌道歩兵隊ではそうはいかんぞ!!その胸以上の傷を覚悟しておけ!!」
ナッシュ・ストライカー軍曹「ご両親は残念な事をしたな・・・
しかし我々ディープインパクトの任務は誰かがやらなければならないものだ。
太陽系に住む多くの人たちが安心して眠れるように・・・」
小惑星の上で凍りついていくミグ
ミグ(もう・・・わからない・・・私は一体何のために生きているの・・・??
大切な人なんて誰もいないのに・・・)
ライト「な~んやここ姉ちゃんちか!」
ミグ「え・・・?」
ライト「オレは地球一の天才発明家ライト・ケレリトゥス!
太陽系最速の男や!どうや惚れたか~~!!??」
ミグ(なんだこの人・・・)
軍曹に電気ショック与えるライト「えい」
軍曹「ちんぎゃああああ!」
伸びをするライト「あ~オレもう飽きたわこの星。オレ帰るから」
ミグ「え~~~!」
ライト「夢なんか?地球へいくの。そうだ!オレが連れてったる!」
ミグ「え・・・?」
ライト「次は絶対に地球に連れてったるからな!」
ライト「無理やない!!オレを信じろ!!!!」
ミグ(ライト・・・)
冥王星、海王星、天王星・・・様々な星でのライトの笑顔・・・
・
・
何億光年も果の宇宙。
強烈な光を出すフレッドホイル銀河
フレッドホイル銀河が何十億年も前に放射した衝撃波の射程圏内に入るライトアロー号
ライト「・・・グ!ミグ・・・!」
ミグ「ん・・・」
ライト「目を開けろ・・・!おったぞ!!」
目を疑うミグ。
目の前には空間自体をグロテスクにえぐりねじまげる、発光するアメーバーのような巨大な天体が広がっている。
ライト「こいつは・・・銀河やない・・・クエーサーやったんや・・・」
ミグ「クエーサー・・・?」
ライト「やつの心臓はブラックホールや・・・戦うでミグ!準備はええな!!」
機体を安定させるライト
機体に取り付けられた宇宙望遠鏡の映像を送るモニターにターゲットが映る。
実際には機体よりも何億光年も先・・・宇宙の果てにいる怪物
装置を操作して、ジオメトリカルホウサンチュウの入った弾頭を切り離す。
衝撃波の第一波が襲いかかってくる。
コックピットにアラートが鳴りひびく。
メイルシュトローム砲の発射レバーに手をかけるミグ。
ホウサンチュウの弾頭に照準を合わせる。
ミグ「私が撃ったら、すぐに撤退する・・・!」
ライト「任せろ!」
ミグ「カウント3でいくぞ・・・!」
「3」
「2」
・
・
・
「1!!」
目の前が真っ白になり、メイルシュトローム砲が弾頭を貫く。
宇宙にばらまかれたジオメトリカルホウサンチュウがメイルシュトローム砲のエネルギーを喰らい、猛スピードで繁殖していく。そのさまは透明なクリスタルのドームが早回しで建設されていくようだ。
オリハルコンの結晶体はエネルギー砲をつたってライトアロー号にも襲いかかる。
すかさずリニアエクシードエンジンを起動し別の次元に飛んでいくライトアロー号。
次の瞬間衝撃波が襲いかかる。
衝撃波の強大な熱エネルギーはさらにジオメトリカルホウサンチュウのドームに置き換えられていく。
マトリョーシカをしまっていくように、どんどんできるドームの大きさが巨大化していく。
衝撃波が太陽系を襲うたびに・・・
そして・・・
・
・
・
エッジワース・カイパーベルト周辺宙域
太陽系に帰還してくるライトアロー号。
コックピット
無言の二人「・・・・・・。」
窓の外の小さな星を指差すライト。
ライト「あ・・・あれもしかして冥王星ちゃうか?」
ミグ「え・・・?」
身を乗り出すミグ。
かつての自分の星を見てショックを受ける。
ミグ「そんな・・・」
冥王星は氷の惑星に変わっている・・・
ミグ「これが・・・冥王星?私の星・・・??」
ライト「んなバカな・・・」
計器を確認するライト。
太陽系の温度がグッと下がっていることがわかる。
ライト「太陽の方向はあっちや・・・太陽を目指そう・・・」
海王星を通り過ぎるライトアロー号。海王星もメタンで出来た氷の星と化していた。
ライト「どの星も逆に凍てついちまったのか・・・?」
ミグ「いや・・・そうじゃない・・・」
目の前に土星と木星が現れる。
ミグ「ガスになってる・・・蒸発してしまった・・・」
茫然自失するミグ。
ミグ「これが・・・私たちの太陽系・・・」
沈黙。
・
・
・
口を開くライト「・・・帰ろう・・・」
ミグ「帰るってどこに??
私たちは結局何も出来なかった・・・!!」
ライト「できる限りのことはやったやろ・・・」
号泣するミグ「惑星はすべてガスになってしまったんだぞ・・・!?
私たちは誰も助けられなかった・・・!誰ひとり・・・!!」
ライト「まだ決まったわけやないやろ。
それに・・・もし仮に宇宙でオレとお前の二人きりになったとしても・・・オレは生きていく。
あんたが死ぬまでな、ミグ。死ぬまでずっと守り続けてやるから」
ミグを抱きしめるライト。
・
・
・
無線「・・・・」
ライト「なんか聞こえないか?」
ミグ「え?」
ライト「地球からの通信電波や!」
無線周波数を合わせるライト。
無線「・・・こちら地球、ライトアロー号応答せよ」
ミグ「!!!」
無線機を掴むライト
ライト「こちらライトアロー・・・生存者は二名・・・ライト・ケレリトゥスとミグ・チオルコフスキー。
そっちは無事なのか!?」
ミグ「助かった・・・?」
ライト「あ、ああ・・・」
ミグ「助かった・・・!」
ミグと抱き合うライト「助かったんや!!!!」
無線「現在地の座標を送る。直ちに帰還せよ。」
ライト「了解、進路を326に取る」
地球に向けて進路を取るライト。
ミグ「あれが・・・」
ミグの目の前にある青い美しい星――地球。
奇跡的に災厄をまぬがれ太陽系で唯一生命が存在する星・・・
ライト「これがずっと見せたかったんや」
涙を流すミグ。
小さく頷くミグ「うん・・・」
ライト「さあ・・・家に帰ろう・・・」
地球に向かうライトアロー号。
神よ 変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。
『80日間宇宙一周』おしまい
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