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103. 草の味
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クリストフが二杯目の珈琲にミルクと砂糖を入れて飲んでいると副教皇と教皇が食堂に入って来た。
「……教皇様、また痩せてませんか?」
クリストフが心配して声をかける。レイラはさっと立ち上がって、新作の柑橘系の味のMPポーションをテオに渡す。ごくごくとMPポーションを飲み干すとテオの目が丸くなった。
「これいい味だな。酸味と甘味がバランスよくて。鼻に抜ける香りも良い」
レイラの頬が赤くなり喜んでいるのが傍でもわかる。クリストフをはじめとする少年たちはなにかちょっと心に靄が掛かる気がした。ヴィヴィアンウはそんな様をにやにや見てる。ルシアは小声でヴィヴィアンヌに告げる。
「おば様、皆さまひっかかってるみたい」
「レイラはテオが好きだったからね」
「過去形なの?」
ルシアの疑問にヴィヴィアンヌはにっこり笑う。
「それはレイラしかわからないしもしかしたらレイラもわかってないかもしれない」
「そっかー。私の指輪みたいなものかな?」
「ジュリオ殿下の指輪?」
ヴィヴィアンヌの問いにルシアは頷いた。
「急いで決めなくていいよ、ルシア。ゆっくり考えてみればいい。なんなら王家にいかなくてもいいしね」
ルシアは真剣な顔で頷いた。
「おはよう」
髪があっちこっちに跳ねたままのジュリオときっり身支度を整えたエドワードが入ってくる。
「お腹減った」
ジュリオが正直な気持ちを口にする。
「はいはい、こちらにお座りになって」
マーサがあれこれと世話を焼く。ポットの紅茶とルシアの家の可愛らしい薔薇の形の砂糖、ローストビーフのサンドイッチとたっぷりの大きなカップに入った野菜スープが出てきた。ジュリオはあまり野菜を好まないのでみじん切りの野菜のスープをエドワードがリクエストして出してもらっていた。
ジュリオは大人しく、しかし意を決した顔で野菜のスープを一気に飲む。
「ちゃんと具も掬って食べるんだぞ」
クリストフが言いジュリオは不承不承従ったがマーサが大き目のソーセージの輪切りをたっぷり入れていたのでそれを一緒に食べて嬉しそうな顔になっていた。
「ジュリオ、なんでそんなに野菜嫌いなの」
クリストフが不思議そうに聞く。
「えー、なんか草の味するじゃん」
「草食べたことある?」
クリストフの問いにジュリオは暫く考えてから答える。
「そう言えば、草食べたことない」
エドワードが突っ込む。
「なんで草の味って思ったんですか」
ルシアとレイラはくすくす笑う。ジュリオは言い訳をする。
「ほらポーションとか草の味って言うし」
レイラが真面目な顔で説明する。
「ポーション事態の味はポーション草の味です。……草もそれぞれ味が違います」
ルシアが訊ねる。
「え?レイラ、草食べた事あるの?」
レイラは真面目な顔で頷いた。
「師匠が助けてくれるまで少しの間ですけどね。セドリックもマーサも屋敷を辞めさせられて。私の見方が屋敷にいない時期があったんです。……2週間でしたが。食事も碌にもらえずに。裏の森の草食べたりしてた時期があるんです」
レイラの淡々とした言葉にヴィヴィアンヌ以外は言葉を失った。
「……教皇様、また痩せてませんか?」
クリストフが心配して声をかける。レイラはさっと立ち上がって、新作の柑橘系の味のMPポーションをテオに渡す。ごくごくとMPポーションを飲み干すとテオの目が丸くなった。
「これいい味だな。酸味と甘味がバランスよくて。鼻に抜ける香りも良い」
レイラの頬が赤くなり喜んでいるのが傍でもわかる。クリストフをはじめとする少年たちはなにかちょっと心に靄が掛かる気がした。ヴィヴィアンウはそんな様をにやにや見てる。ルシアは小声でヴィヴィアンヌに告げる。
「おば様、皆さまひっかかってるみたい」
「レイラはテオが好きだったからね」
「過去形なの?」
ルシアの疑問にヴィヴィアンヌはにっこり笑う。
「それはレイラしかわからないしもしかしたらレイラもわかってないかもしれない」
「そっかー。私の指輪みたいなものかな?」
「ジュリオ殿下の指輪?」
ヴィヴィアンヌの問いにルシアは頷いた。
「急いで決めなくていいよ、ルシア。ゆっくり考えてみればいい。なんなら王家にいかなくてもいいしね」
ルシアは真剣な顔で頷いた。
「おはよう」
髪があっちこっちに跳ねたままのジュリオときっり身支度を整えたエドワードが入ってくる。
「お腹減った」
ジュリオが正直な気持ちを口にする。
「はいはい、こちらにお座りになって」
マーサがあれこれと世話を焼く。ポットの紅茶とルシアの家の可愛らしい薔薇の形の砂糖、ローストビーフのサンドイッチとたっぷりの大きなカップに入った野菜スープが出てきた。ジュリオはあまり野菜を好まないのでみじん切りの野菜のスープをエドワードがリクエストして出してもらっていた。
ジュリオは大人しく、しかし意を決した顔で野菜のスープを一気に飲む。
「ちゃんと具も掬って食べるんだぞ」
クリストフが言いジュリオは不承不承従ったがマーサが大き目のソーセージの輪切りをたっぷり入れていたのでそれを一緒に食べて嬉しそうな顔になっていた。
「ジュリオ、なんでそんなに野菜嫌いなの」
クリストフが不思議そうに聞く。
「えー、なんか草の味するじゃん」
「草食べたことある?」
クリストフの問いにジュリオは暫く考えてから答える。
「そう言えば、草食べたことない」
エドワードが突っ込む。
「なんで草の味って思ったんですか」
ルシアとレイラはくすくす笑う。ジュリオは言い訳をする。
「ほらポーションとか草の味って言うし」
レイラが真面目な顔で説明する。
「ポーション事態の味はポーション草の味です。……草もそれぞれ味が違います」
ルシアが訊ねる。
「え?レイラ、草食べた事あるの?」
レイラは真面目な顔で頷いた。
「師匠が助けてくれるまで少しの間ですけどね。セドリックもマーサも屋敷を辞めさせられて。私の見方が屋敷にいない時期があったんです。……2週間でしたが。食事も碌にもらえずに。裏の森の草食べたりしてた時期があるんです」
レイラの淡々とした言葉にヴィヴィアンヌ以外は言葉を失った。
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