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ルトガーの章
06
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「ラスボスが予想外だった」
薄暗い中馬車はスピードを上げて駆け抜けエドガーとアキラはクランハウス、ルトガーは部屋にもどった。体はがちがちの筋肉痛、早く湯あみをしたいと思う反面このまま寝るのもありか、と部屋着に着替える。自分の体と衣服にクリアをかけておく。そしてベッドに横になった。
「おはよう」
朝の身支度を終わらせてリビングに行く。
「夕飯も食べずに寝てましたね」
ニーアさんがにっこり笑う。そしてパンプディングとスープを出してきた。ルトガーは子供っぽいと思いながらパンプディングを食べる。子供の時は好きだったけど、と取り留めなく考えている。そして小さな声で唄を歌いながら繕い物をしているニーアさんを見て綺麗だなとぼんやりルトガーは思っている。
ニーアさんはハーフエルフなんだよな、俺より少しだけ上の美人にしかみえないよなぁとか考えながら徒歩でルトガーは登校している。その思考はそのまま前日のダンジョンのボス戦にスライドしていく。
ボスは小型のリュウモドキだった。と言っても自分の背丈よりは大きいが。
『ボスでドロップする魔鉄鋼で新しい剣と短剣が出来る』
アキラのその一言はかなりテンションがあがった。こういうことでテンションが上がる自分はやはり冒険者がやりたいのか、とルトガーは思う。
今日は昼休みはカフェテリアの一番奥の席を予約している。心得た男子たちもその周りに席を取っている。女子からは男子がルトガーのノートを見せてもらいに行ってるようにしか見えない。しかしこれはルトガー小商いだった。女子には見られたくない買い物、婚約者へのプレゼントや好きな子へのちょっとしたもの、をノート型のカタログにして持ってきている。いくつかのレースとハンカチ、リボンなどを取り扱っている。
今日はカタログは二冊。リボンだけのものとハンカチ用のものと。最初に座ったのはお得意様のアクセサリー店の息子、シモン・エキュだった。元はどこかの商会の血筋だとか。母親とシモンは二人で暮らしていて、シモンはルトガーから素材を手に入れている。ここで手に入れる布とリボンでバレッタを作って母の店で売って小遣いを稼いでいるのだ。
「春の騎士団演練の前にたっぷり布とレースが欲しいんだ」
「ああ、稼ぎ時だもんな。新作のリボンが入ってる。こういうバラ色とかどうかな」
「いいな。それに濃紺をあわせるんだ。二段のリボンは豪華になる。でも形はシンプルに、そして気に入ったらいつでも使える感じで」
こういう話をしながらシモンはたっぷり素材を購入してくれた。シモンとの長話が終わると一人の友人が前に座る。
「妹が特別な刺繍が入ったハンカチが欲しいっていう事聞かなくて」
ルトガーはそれは俺の管轄じゃないんだが、と思いながら友人に教える。
「ああ、マダムフルールとかいう店の通称『お守りハンカチ』、加護刺繍いりのやつだろ?」
「そう、それ!………手数料払うから手に入れてこれないかな」
情けない表情の友人を見てると何とかしてやりたいが
「うーん、俺でも難しいな。マダムフルールの店、あそこおいそれとは入れないんだよ。気にいった人間にしか服をつくらない人だから」
「そこをなんとか」
「なんとかなるもんならなんとかすけど、伝手がない」
と言いながらルトガーは挑戦してもいいかと思った。これはこれで面白い冒険だ、と。
「………オヤジに伝手があるか、だけは確認してくる」
不承不承という体てルトガーは承知して見せるが本音はちょっと面白いと思っていた。商売人適正もそんなに低くはない、とルトガーは悩む。どっちか一方に偏っていたら進路も決めやすいんだがな、と思うがルトガーの前にもう一人、珍しいことに女生徒が立っている。
「あの、マダムフルールの『お守りハンカチ』手に入るんですか?」
薄暗い中馬車はスピードを上げて駆け抜けエドガーとアキラはクランハウス、ルトガーは部屋にもどった。体はがちがちの筋肉痛、早く湯あみをしたいと思う反面このまま寝るのもありか、と部屋着に着替える。自分の体と衣服にクリアをかけておく。そしてベッドに横になった。
「おはよう」
朝の身支度を終わらせてリビングに行く。
「夕飯も食べずに寝てましたね」
ニーアさんがにっこり笑う。そしてパンプディングとスープを出してきた。ルトガーは子供っぽいと思いながらパンプディングを食べる。子供の時は好きだったけど、と取り留めなく考えている。そして小さな声で唄を歌いながら繕い物をしているニーアさんを見て綺麗だなとぼんやりルトガーは思っている。
ニーアさんはハーフエルフなんだよな、俺より少しだけ上の美人にしかみえないよなぁとか考えながら徒歩でルトガーは登校している。その思考はそのまま前日のダンジョンのボス戦にスライドしていく。
ボスは小型のリュウモドキだった。と言っても自分の背丈よりは大きいが。
『ボスでドロップする魔鉄鋼で新しい剣と短剣が出来る』
アキラのその一言はかなりテンションがあがった。こういうことでテンションが上がる自分はやはり冒険者がやりたいのか、とルトガーは思う。
今日は昼休みはカフェテリアの一番奥の席を予約している。心得た男子たちもその周りに席を取っている。女子からは男子がルトガーのノートを見せてもらいに行ってるようにしか見えない。しかしこれはルトガー小商いだった。女子には見られたくない買い物、婚約者へのプレゼントや好きな子へのちょっとしたもの、をノート型のカタログにして持ってきている。いくつかのレースとハンカチ、リボンなどを取り扱っている。
今日はカタログは二冊。リボンだけのものとハンカチ用のものと。最初に座ったのはお得意様のアクセサリー店の息子、シモン・エキュだった。元はどこかの商会の血筋だとか。母親とシモンは二人で暮らしていて、シモンはルトガーから素材を手に入れている。ここで手に入れる布とリボンでバレッタを作って母の店で売って小遣いを稼いでいるのだ。
「春の騎士団演練の前にたっぷり布とレースが欲しいんだ」
「ああ、稼ぎ時だもんな。新作のリボンが入ってる。こういうバラ色とかどうかな」
「いいな。それに濃紺をあわせるんだ。二段のリボンは豪華になる。でも形はシンプルに、そして気に入ったらいつでも使える感じで」
こういう話をしながらシモンはたっぷり素材を購入してくれた。シモンとの長話が終わると一人の友人が前に座る。
「妹が特別な刺繍が入ったハンカチが欲しいっていう事聞かなくて」
ルトガーはそれは俺の管轄じゃないんだが、と思いながら友人に教える。
「ああ、マダムフルールとかいう店の通称『お守りハンカチ』、加護刺繍いりのやつだろ?」
「そう、それ!………手数料払うから手に入れてこれないかな」
情けない表情の友人を見てると何とかしてやりたいが
「うーん、俺でも難しいな。マダムフルールの店、あそこおいそれとは入れないんだよ。気にいった人間にしか服をつくらない人だから」
「そこをなんとか」
「なんとかなるもんならなんとかすけど、伝手がない」
と言いながらルトガーは挑戦してもいいかと思った。これはこれで面白い冒険だ、と。
「………オヤジに伝手があるか、だけは確認してくる」
不承不承という体てルトガーは承知して見せるが本音はちょっと面白いと思っていた。商売人適正もそんなに低くはない、とルトガーは悩む。どっちか一方に偏っていたら進路も決めやすいんだがな、と思うがルトガーの前にもう一人、珍しいことに女生徒が立っている。
「あの、マダムフルールの『お守りハンカチ』手に入るんですか?」
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