竜の探索者  最大手のクラン、所属条件はクラン主のお眼鏡に叶うかどうかのみ。人種も身分も関係ない。僕らはみんな冒険者

あくの

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ルトガーの章

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 一月半後、アキラ達はニーアではなくドワーフのブラッドを連れ帰ってきていてルトガーは経緯を知らないのでちょっと驚いた。しかしすぐになじんだ。クランハウスにマルクも一緒に住み始めた。

「ま、想定内」

とアキラは言う。マルクが過保護気味なのはルトガーも認める所だった。エドモンドもマルクとブラッドの様子を見にクランハウスによく来るようになった。

 「エドガーとルトガーは愛されてるなぁ」

アキラがしみじみ言うとブラッドも頷く。ブラッドはかなりきれい好きで部屋の掃除や洗濯、家政に関する事を任せても安心だった。今はマルクがルトガーの家とクランハウスの両方の食事の支度をしていた。

「ルトガー、ニーアが帰ってくるまでここに住め。そしたらマルクが楽だし。学校はエドモンドと一緒に行きかえりしたら馬車使えるし、歩きたいなら歩けない距離じゃないし」

とアキラが言い出し、それもそうだなとルトガーは納得した。急遽、身の回りの物をもって引っ越してきた。今、この家は7つあるベッドルームのうち5つが使われるようになった。ブラッドが手のひらサイズの小箱をくれる。

「ここに血を一滴垂らすんだ」

ブラッドがいう場所にルトガーは指先を少し傷つけ血を一滴垂らした。その小箱が輝いて、すぐにおさまった。

「部屋の掃除とかするから見られたくないものはそこに入れておくといい。マジックボックスだからかなりの量はいるし、お前の血を登録したからお前にしか開けられない。我が家の秘術だからどうやって作ったか、は教えられない」

後半はアキラに向けて言っているようだった。

「じゃぁ、マジックバッグとかも?」

「あれはうちの一門の秘術とは違う方法だな。うちのは持ち主が血を垂らさないとただの箱でしかないからな。マジックバッグやマジックボックスは誰でも使えるだろう」

ブラッドは一般のマジックバッグやマジックボックスとは違うと説明を続ける。

「これは血を垂らしたものの魔力量で内容量が決まるんだ」



 「じゃ、今回は数時間だけ様子見で潜る。前回同様俺はついていくだけ」

アキラに言われ、ルトガーとエドガーは遠隔武器の実践を試す為に迷宮前に居た。今回は昼ごはんを食べてからおやつまでの3時間ほどをお試しで潜るのだ。

 中に入る。遠隔武器を、と言われたわけをルトガーもエドガーも悟った。敵が全て天井に張り付くように飛んでいるのだ。

「ここは入口だから蝙蝠類が多いかな」

アキラが天井を見ながら言う。

 「とりあえず二人で50匹やろうか。出てくる敵によって魔法態勢はちがうから」

アキラは後半をルトガーに向けて言った。ルトガーの持っている魔法杖は7色の魔石が埋め込まれている。火、風、土、水、雷、氷、無色で無色は万能だが本人が絶体絶命にならないと反応しない。基本は火風土水雷氷で相手の弱点を利用して倒す。



 「おつかれさん」

マルクが外ではのんびりとスキレット一杯の黄色いなにかを焼いている。エドガーの目が輝く。

「パンケーキだ!」

「あたり。今日は楓の樹液を煮詰めたシロップがある」

ブラッドのとっときのメープルシロップだった。エドガーとルトガーのお腹は音を立てている。マルクは笑いながらパンケーキを5つに割って木皿に取り分けてくれる。

「今日も疲れたな」

「兄さん、魔法打ちっぱなしだったもんな」

「ちょっと最後の方でやっと氷を加減して出せるようになったよ。………敵によったら水で濡らして落として止めもできそうだね」

「俺も羽を打ち抜いて落とす方がいいかも。矢には限りがあるから」

マルクもアキラもブラッドも二人の反省会を眺めて冒険者を始めた頃を思い出していた。
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