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ダンジョン攻略の章

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 「さて、最初の陣は俺だよね」

アキラがそう言って陣の真ん中あたりを踏む。一瞬で飛びのくとそこにいたのはワイバーンだった。

「やった、素材!」

アイリスが叫ぶ。ランディも苦笑いしている。

「皮が取れたら買い取りたい」

とアイリス。アマゾネスのギルドで戦闘班にいる女性たちの為にワイバーンの皮の外套を用意してるのだとか。北方遠征時に重宝するのだと。

 モンスターはちゃんと、ダンジョン仕様で倒すとドロップ品が出る。モンスター本体は徐々に消えていくのでヴァイキーの魔剣は急いで血を吸収している。ワイバーンはオールとルトガーで地面近くまで落とした後、ヴァイキーが首の辺りに魔剣を突き刺す。必死で暴れ再度上へ飛んだワイバーンは魔剣が血液と共に生命力を吸い取っているのかみるみる衰弱してよれよれと落ちてきた。地面に伏したワイバーンから首の魔剣を抜く。魔剣の柄にある真っ赤な宝石は底光りして不気味な光を放っている。

「満足したか?」

ヴァイキーの言葉に魔剣も

「悪くなかった」

と満足げに答えた。エドガーが呟く。

「おれ、魔剣が満足そうな声出すの初めて聞いた」

ルトガーも頷く。アキラも

「魔剣はなぁ…、あいつがいれば負けることはあんまりない。一応前のパーティの方の竜の探索者は負け知らずだったし」

と説明してくれる。ヴァイキーが

「こいつの効率的な使い方はヨアヒムとアキラが考えてくれた」

と言うと、魔剣が口を挟む。

「やー、頸動脈狙って刺すのはヴァイキーの腕」

「めずらしいな」

自分をほめる魔剣にヴァイキーは声をかける。

「今、機嫌がいいんだよ。たらふく吸った所だしな」

魔剣の答えに皆笑った。

「現金なやつ」

ヴァイキーは呆れたように呟いた。



「陣と陣の間は殆どモンスターいないね」

「いたとしても積極的にこっちを襲ってこないね」

エドガーとルトガーがそんな話をしてる。

「小部屋の中には結構やばいのもいたよね」

「…部屋みっちりのスライムは絵面的にちょっと、ね」

アイリスが話に加わる。

「大型ナメクジが床一面の所もちょっとなぁ」

デヴィッドが言う。

「あれはオールとルトガーで焼き払ってくれたから助かった」

和気藹々と話しながら次の陣へと着いた。

「これ終わったら休憩兼昼ごはんな」

マルクが皆に伝える。今回はデヴィッドが陣を踏む。

「うぉわぁ?」

デヴィッドが飛びのいた。そこに居たのは巨大なスライムだった。

「こいつは吸うものがないっ」

切り付けるヴァイキーに魔剣が叫ぶ。アキラはそういえば魔剣、口、いや声帯がないのにどうやってしゃべってるんだろう、と思った。

「さっきスライムの話したから呼んだのかなぁ?」

「これ、召喚陣じゃないよ」

とエドガーの呟きにグリーナーが答える。


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