竜の探索者  最大手のクラン、所属条件はクラン主のお眼鏡に叶うかどうかのみ。人種も身分も関係ない。僕らはみんな冒険者

あくの

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海の姫の章

33

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 「あの子は……能力は高いんです。バカなだけで。ずるがしこくはありますが」

クロの為に皆クランハウスに集まった。デヴィッドとオールもいる。チャーリーは

『はいはいはい、私が書類はある程度は片付けときますよ。ギルド長は昼から休暇、と』

快く(?)デヴィッドを話し合いに送り出してくれた。

「あの位置から動けばわかるようにマーカーを室の入口と洞窟の入口に着けてある。その場所を通ると自動的にマークがつくから位置は把握できる」

「彼女が感づいたら」

シルバーの言葉にオールがにやりと笑う。

「マーカーは俺の魔法を洞窟中に充満してた彼女の魔力で包んだ。だからよほど繊細じゃないと気が付かない」

シルバーは考え込んでいる。

「本体先に叩いてもいいのだけど……」

おもむろにクロが口を開く。

「儂の本体があの入口に陣取ってる。寝てたからすぐに動かせた。対本体は儂が出張ろう。デヴィッド引き続き事務員クロは休みで。今、本体同士で話し合いをしている。シルバーにも内緒でそこにいる設定だ」

クロは本体を転移させたせいで体力が減っているようだ。

「食べるもの用意する」

「出来ればスープ系、それもポタージュ系で頼む」

クロはそういうと真剣な顔のまま動かなくなった。

「そういやチビ端末どうなってるんだろう?」

「……あれは急に倒れたことになってる。マリナが世話してるな、今」

クロはそれだけ言うとまた無言になった。

 シルバーはクロの手元にすぐに食べられるようにタルティーヌや紅茶を置く。サクサクとクロの口の中に消えていく。アキラは部屋に七輪を出し、手元にあるスープを温めると風魔法で具を粉砕し、ポタージュにする。そうして七輪の上に鍋を置いたり外して網を置いて肉の串を温めたりしてクロが食べやすいようにと、用意をする。
 時々デヴィッドがギルドに戻り、あったかいスープを厨房から貰って来たり、大量の芋を持って帰ってきたりする。芋はアキラ達の口に入る方が多かった。




 クロの顔がげっそりやつれている。

「強情な子だな。あ、今日から末姫、ここに来るそうだ。シルバー、海の王子を呼んできてくれ。まずは兄弟と話したいらしい。くれぐれも女王は呼ぶな、と。お互い所在をはっきりさせるためにここに泊まってもらう」

「……厄介事の気配がする」

アキラのつぶやきにレッドがげらげら笑う。がクロの言葉で自分が一番厄介な立場になると認識した。

「レッドは末姫の接待係な。セックスも求められれば応じてやれ」

「エドガーはどうする?」

デヴィッドが手を挙げる。

「俺がエドガーに連絡する。今は工房に籠ってるはず」

「他の奴らのの事も頼む」

アキラの頼みにデヴィッドは頷いた。

「女性も危ないですよ」

シルバーが言う。

「あの子は基本他の女性をバカにしてますし……」

シルバーの溜息が深い。

「あれだか他の人を馬鹿にしてるのになんで人間の中で暮らしたいのか……私にはわかりません」

シルバーの言葉にアキラとレッドの返事が重なった。

「海が嫌なんじゃないの?」

「海が嫌なんだろ?」

シルバーは顔をあげレッドとアキラを交互に何度も見ている。

「……そんな単純な理由でしょうか?」

「さぁ?俺にはわかんないけど海の生活が好きなら海から逃げないと思っただけ」

アキラはそういう。シルバーは考え込んだ。
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