竜の探索者  最大手のクラン、所属条件はクラン主のお眼鏡に叶うかどうかのみ。人種も身分も関係ない。僕らはみんな冒険者

あくの

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海の姫の章

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 意外と出会わないもんだな、とアキラは思いながらクランハウスに帰った。

「アキラ、腹減ってないか?」

マルクが心配そうに尋ねてくる。マルクは周りがお腹いっぱいでいて欲しいという無意識な欲望があるようだった。

「大丈夫。王都の定食屋でたっぷり食べてきた。なんだっけ、えーと、デヴィッドの行きつけの所」

「あそこ、まだやってるんだ。俺が冒険者になりたての頃デヴィッドに連れていかれたよ」

マルクは懐かしそうだ。

「なんか金髪の子供がいてデヴィッドがいると膝に座ってたな」

「多分それ、ミヒャエルっていう奴。万聖節の夜っていうクランの現代表」

「ほー、あの子供冒険者になったのか」

マルクは驚いていた。



 海の女王討伐まであと2週間程となった頃、アキラは街をうろついていた。

「なんだよ、アキラ。こんなとこに」

「ミヒャエル。お前こそなんで」

「俺?俺らはウルリッヒ商会の本店がこっちだって聞いたから装備、良いのないかなって思って来た。ここの前に西の支店も見てきたけど今一つ初心者向けでなぁ」

「こっちもそうだろ?」

「ま、初心者向けが多いな。俺には物足りないが、連れてきたやつらは楽しんでるよ。本店限定色のチュニックとかあるから女の子たちは大喜びだ。あと布製の髪留め、値段も張らずに可愛いとか大騒ぎだよ。……アキラはなんでここにいる?」

「俺のホームポイント、こっち。ま、今日は飯食いに来た」

ミヒャエルは二かっと笑う。

「俺も一緒でいいか?」

「ん?いいよ」

ミヒャエルは店の中にいたフードの男に革の小袋を渡しなにか指示をした。

「じゃ、いこっか」



 「さっきのフードの男は?」

「うちの副官。店の支払いを任せた」

「リーダーが自由人だと副官は苦労するねぇ」

アキラとミヒャエルはくくくと笑っている。アキラの足はベルタの店に向かっている。

「ここな」

「しゃれてるな」

「旨いから安心しな」

ミヒャエルは店に入ると圧倒される。女生徒らしき集団がいてミヒャエルの腰が引けている、

「なぁ……この店、冒険者が入ってもいいのか?」

「いいよ?ベルタ、久しぶり」

「久しぶり。王都に贔屓の店はできた?」

「んー、定食屋でいい店はあった。あと、パフェ専門店があったな。フルーツ系メインの」

ベルタが笑う。

「あそこウルリッヒ商会の実験店」

「はぁ……。なんでまた」

「実験ね。エイギョーがカフェと小物売る店はどうかって言い出して」

「ふーん」

ベルタはミヒャエルをみてほほ笑んだ。

「いらっしゃいませ。ゆっくりしていってね」

ベルタは二人を個室に案内した。


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