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顛末 3
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そんな疑問を口にすると王弟殿下は真剣な顔になる。
「普通はその為に神殿で守護をもらうのだが、君の母親は意図的にそれをしなかったようだ」
「母親だけのせいではないですね。気が付かない父親もの、ですよね」
エイドリアンがぱっきり言ってくれる。
「…公爵家の人間は神殿に来ないからな。エルシーとテレンスは自分で気がついて子供の時に二人で神殿に来たんだ。前の公爵様は神殿と仲が悪くてな。その頃の神殿長とは子供の頃からの確執があったそうだよ。口にはしなかったけど君たちの祖母が公爵家を狙ったのはその辺りもあると思う」
うちの親たち、祖父母からしてもう問題だらけ。祖父母が早々に引退した体をとったのも祖父が思ったより早く亡くなって、父親と宰相様の暗示がうまく行って、その上で悪魔崇拝にハマった、というのが真相なんだろうな。祖父の死とそれを騙った事は公にしなかった。祖父は悪魔崇拝者の襲撃を受けて亡くなった事になった。祖母のそのあたりの悪辣な動きは表沙汰にすると公爵家と侯爵家と伯爵家に類が及ぶ、との事で。一気に宰相と我が父親を失うと国の事務仕事が混乱するのと、陛下の精神安定のため、と言われた。
「陛下には王妃様と側妃様がいらっしゃるから大丈夫なんじゃないでしょうか?」
「まぁ、な。やっぱ、宰相と公爵は陛下の幼馴染でさ。あのヘタレ兄上からしたら大事なのだろう」
王弟殿下は多少呆れた顔だ。
「兄上が表に立っててくれると俺は動きやすいからな」
…この方はいつも偽悪的だ。でもこの方が素直に『兄上が心配で』なんて言ったらそれはそれで信用できないけど。
ナイショの話だけどエイドリアンはマリーベル様と仲良くやっているようだ。叔母さまからの情報なんだけども。たまにデートに行ってるらしく、叔母さまはヤキモキしている。
私は、週に2回の王宮通いと週に2回の宗教教育、残りの日は予習や復習で時間がない。…エレインが王妃になった時にエレインの望む補佐ができるようにならないと。勉強時間はいくらあっても足りない。
「普通はその為に神殿で守護をもらうのだが、君の母親は意図的にそれをしなかったようだ」
「母親だけのせいではないですね。気が付かない父親もの、ですよね」
エイドリアンがぱっきり言ってくれる。
「…公爵家の人間は神殿に来ないからな。エルシーとテレンスは自分で気がついて子供の時に二人で神殿に来たんだ。前の公爵様は神殿と仲が悪くてな。その頃の神殿長とは子供の頃からの確執があったそうだよ。口にはしなかったけど君たちの祖母が公爵家を狙ったのはその辺りもあると思う」
うちの親たち、祖父母からしてもう問題だらけ。祖父母が早々に引退した体をとったのも祖父が思ったより早く亡くなって、父親と宰相様の暗示がうまく行って、その上で悪魔崇拝にハマった、というのが真相なんだろうな。祖父の死とそれを騙った事は公にしなかった。祖父は悪魔崇拝者の襲撃を受けて亡くなった事になった。祖母のそのあたりの悪辣な動きは表沙汰にすると公爵家と侯爵家と伯爵家に類が及ぶ、との事で。一気に宰相と我が父親を失うと国の事務仕事が混乱するのと、陛下の精神安定のため、と言われた。
「陛下には王妃様と側妃様がいらっしゃるから大丈夫なんじゃないでしょうか?」
「まぁ、な。やっぱ、宰相と公爵は陛下の幼馴染でさ。あのヘタレ兄上からしたら大事なのだろう」
王弟殿下は多少呆れた顔だ。
「兄上が表に立っててくれると俺は動きやすいからな」
…この方はいつも偽悪的だ。でもこの方が素直に『兄上が心配で』なんて言ったらそれはそれで信用できないけど。
ナイショの話だけどエイドリアンはマリーベル様と仲良くやっているようだ。叔母さまからの情報なんだけども。たまにデートに行ってるらしく、叔母さまはヤキモキしている。
私は、週に2回の王宮通いと週に2回の宗教教育、残りの日は予習や復習で時間がない。…エレインが王妃になった時にエレインの望む補佐ができるようにならないと。勉強時間はいくらあっても足りない。
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