異世界で高級男娼になりました

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有難い忠告

「最近アキト、なーんか吹っ切れたよねえ?」
「え」

そうかな?と聞き返すと「そうだよ」とエルマーがしたり顔で返してくる。この先輩はいつ見ても肌がつやっつやである。ほんとにいくつなんだろうか、どう見ても年下にしかみえないのだが…

「一皮むけたって感じ」

固定客も増えたみたいだしね、とエルマーは笑う。別にこれは嫌味ではない。と思う。エルマーはヤンとは違うから。

「ギフトでもついたかな」
「あ、それ」
「ついたの?ほんとに?」
「…まあ、ぶっちゃけ結構早い段階でついてたんだけどさ」
「そうなんだ、……てことはふたつめ?」

それってかなり凄いことだよ、とエルマーは声をひそめてそう言った。そして続けて、こうも言った。

「こっちから話を振っておいてなんだけど、ギフトの話はあんまり他人にしない方がいい。やっかまれたり、利用されたり………まあ、ろくな目にあわないからね」
「経験談?」
「そうだね、先輩からの有難いアドバイスだ」

エルマーはそう言うと、にこりと微笑った。ほんとに可愛い顔である。少女のような、少年のような、その中間みたいな絶妙な色香を感じる。上手く表現出来ないけれど、なんだか甘酸っぱい青春の香り…がするようなしないような…


「それからさ、この痣」

またヤンの仕業でしょ?とエルマーは眉間に皺を寄せる。

「いい加減支配人に言った方がいい。アイツ、アキトがおとなしいからって調子に乗り過ぎ。今に接客にだって影響が出るよ」
「……うーん、でもさ、基本支配人って事なかれ主義じゃん?」

言ったところで対処してくれるとは限らなくない?と暁斗が茶化すと、エルマーは「ダメだよ」と念を押してくる。それも、やや真剣な顔つきで。

「男娼同士のトラブルって、実はすごく多いんだ。こういう時店側はどうしても売れてる方の肩を持つ。今なら、支配人はヤンよりアキトを守ると思うから」
「………………」
「取り返しがつかなくなる前に、相談くらいはしておいた方がいい。ヤンもあれでいて悪い仲間は結構いるんだ。町で妙な連中に絡まれたくはないだろ?」
「………肝に銘じておくよ」
「忠告、したからね」

エルマーはそう言って、暁斗の頭をナデナデしてから去っていく。本当に頼りになる先輩である。とっても、ありがたい忠告だ。


「…………でもなぁ、なんか、気がひけるんだよなぁ…」

ハァ、とため息が出る。指名も人気もうなぎのぼりだというのに、暁斗の気持ちはイマイチ晴れなかった。
感想 2

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