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花嫁 故郷
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まぶしい、ああ光が辛い。
空はすさまじく美しく真っ青で、さんさんと陽光が降り注いでいる。
ここは嘉の国の港、私が旅立った場所、揺れていない地面。何もかもが懐かしい。
お父様とお兄様が走ってきた。
私はぼんやりとその光景を見ていた。
「美鈿、無事だったか?」
「見た限り無事に見えませんが」
お兄様が痛ましげに私を見た。
「愛亜は、ああそこにいたのか」
愛亜もぼんやりとした顔でその場に佇んでいた。私が声をかけるとゆるゆると顔を上げる。
「ただいま戻りました」
そこまで言って愛亜は膝をついた。
「至らぬこと申し訳ありません」
頭を地面に擦り付けてお父様に謝罪する愛亜にお兄様が立つように促す。
「お前を罪に問うつもりはない。むしろお前には荷が重すぎた。無事に帰ってきただけでも十分手柄だ」
お兄様の言葉に愛亜はしばらく地面に頭を擦り付けた姿勢でいたがようやく立ち上がる。
そして私は家に帰ると懐かしい自分の部屋の寝台で寝込んでしまった。
愛亜も寝込んでしまったので、私の世話はばあやの仕事になった。
「お嬢様、おいたわしいさぞ恐ろしい思いをなされたでしょう」
そう言ってばあやは私の額に手を置いた。
「愛亜は?」
「愛亜も熱を出して寝込んでおります。気を張りすぎたために神経が参ったのだろうと」
ばあやの乾いた手の感触を感じながらうとうとと眠りにつく。
どれだけそんな時間を過ごしただろう。
そして再び愛亜が私の世話係として戻ってきた。
「本気で馘首を覚悟していたのですがね」
そう言って愛亜は私のためにお茶を淹れてくれた。
私もその時には床を離れ普段通りの生活ができるようになっていた。
「ねえ、あの方はどうしているかしらね」
「さあ、あちらのことはここに戻ってからはいっこうに聞きませんね」
「あの、愛亜、本当? 風花という人が仲間を見捨てないと言っていたのは」
「はい、本当です」
愛亜ははっきりと答えた。きっとあの方は救い出してもらえるのだ」
そして、ひと月が過ぎた頃、私は庭でたたずんでいた。
私に黙礼してすれ違ったあの人はまさか。
あの方だ、あの方は救い出されて私のもとに戻ってきたのだ。
私はいつの間にか泣いていた。どうしてだろう嬉しいはずなのに。
「お嬢様、どうなさいました」
愛亜が私に話しかける。愛亜も分かっているはずだ。
「あの方が帰ってきたわ、見たでしょう」
「お嬢様」
愛亜が息をのんだ。
「あの方、帰ってきてくれたのよ」
愛亜は眉をひそめた。そして両手で顔を覆った。
愛亜も喜んでくれるのだ。
空はすさまじく美しく真っ青で、さんさんと陽光が降り注いでいる。
ここは嘉の国の港、私が旅立った場所、揺れていない地面。何もかもが懐かしい。
お父様とお兄様が走ってきた。
私はぼんやりとその光景を見ていた。
「美鈿、無事だったか?」
「見た限り無事に見えませんが」
お兄様が痛ましげに私を見た。
「愛亜は、ああそこにいたのか」
愛亜もぼんやりとした顔でその場に佇んでいた。私が声をかけるとゆるゆると顔を上げる。
「ただいま戻りました」
そこまで言って愛亜は膝をついた。
「至らぬこと申し訳ありません」
頭を地面に擦り付けてお父様に謝罪する愛亜にお兄様が立つように促す。
「お前を罪に問うつもりはない。むしろお前には荷が重すぎた。無事に帰ってきただけでも十分手柄だ」
お兄様の言葉に愛亜はしばらく地面に頭を擦り付けた姿勢でいたがようやく立ち上がる。
そして私は家に帰ると懐かしい自分の部屋の寝台で寝込んでしまった。
愛亜も寝込んでしまったので、私の世話はばあやの仕事になった。
「お嬢様、おいたわしいさぞ恐ろしい思いをなされたでしょう」
そう言ってばあやは私の額に手を置いた。
「愛亜は?」
「愛亜も熱を出して寝込んでおります。気を張りすぎたために神経が参ったのだろうと」
ばあやの乾いた手の感触を感じながらうとうとと眠りにつく。
どれだけそんな時間を過ごしただろう。
そして再び愛亜が私の世話係として戻ってきた。
「本気で馘首を覚悟していたのですがね」
そう言って愛亜は私のためにお茶を淹れてくれた。
私もその時には床を離れ普段通りの生活ができるようになっていた。
「ねえ、あの方はどうしているかしらね」
「さあ、あちらのことはここに戻ってからはいっこうに聞きませんね」
「あの、愛亜、本当? 風花という人が仲間を見捨てないと言っていたのは」
「はい、本当です」
愛亜ははっきりと答えた。きっとあの方は救い出してもらえるのだ」
そして、ひと月が過ぎた頃、私は庭でたたずんでいた。
私に黙礼してすれ違ったあの人はまさか。
あの方だ、あの方は救い出されて私のもとに戻ってきたのだ。
私はいつの間にか泣いていた。どうしてだろう嬉しいはずなのに。
「お嬢様、どうなさいました」
愛亜が私に話しかける。愛亜も分かっているはずだ。
「あの方が帰ってきたわ、見たでしょう」
「お嬢様」
愛亜が息をのんだ。
「あの方、帰ってきてくれたのよ」
愛亜は眉をひそめた。そして両手で顔を覆った。
愛亜も喜んでくれるのだ。
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