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魔法とは何ぞや
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侍女さんはちょいちょいとお茶を淹れてくれた。
色は緑茶っぽいけど、味はハーブティ。そして私に求められているのは、国の代表として戦えというものだった。
おいおい、私はか弱い文化系女子だよ、喧嘩なんて子供の頃の兄弟喧嘩しかしたことないよ、そんな私に何と戦えと?
近隣に四つの国があり、私と同じように呼び出された、つまり異世界転移させられた人がいるらしい。その人と戦えということだ。
なんで、見ず知らずの人のために、見ず知らずの人と戦わねばならないのだろう。それと私の戦闘能力は底辺なんだが。
お茶に添えられたパウンドケーキみたいなものを口に入れる。
もったりと重い感じ、バターをケチった味だ。はっきり言ってまずい
「もっとおいしいお菓子を作れるかもしれない」
そう主張して台所に案内させた。
ここにきて食生活も充実してないなんて理不尽な話だと思う。
台所では魔法で食材を加熱していた。
焜炉がないの、たぶんコックさんが鍋に直接魔法で出した火でお肉を焼いている。
まんまファンタジーの世界だが、コックさんが普通に魔法を使う世界で、日本の普通の女子学生が何の役に立つの?
そう思いながら、私は卵と小麦粉砂糖バターを用意させた。
ちゃんとそれらしいのが出てきた。異世界だからこっちの想像を絶するものが出たらどうしようかと思った。
さっきのお菓子の材料を出せと要求したのだ。
秤は天秤だった。
気を取り直して、卵の大きさを基準に材料を計る。
泡だて器がないのでフォークを二本使って白身を泡立てる。
日本の卵と同じように角が立つ。
それに安心した私は砂糖を加えてさらに泡立て、小麦粉、溶かしバター取り除いておいた卵黄を加える。
そして出来上がったものを型に流し込み、さっきのお菓子と同じように焼けとコックさんに要求した。だってこの世界の竈なんて使えそうにないもの。
丸いドーム状のものに型を置き、コックさんが火を出して焼き始めた。
いや、火だけ出して、適当な枝とかに燃え移らせればもっと簡単なんじゃね?
汗だらだらなんだけど。
このままに十分ぐらい火を出し続けて、コックさんが燃え尽きた。
真っ白に燃え尽きたコックさんをほかのコックさんが片付けて、別のコックさんが、ドーム状のものをはずすと、なんとかスポンジケーキが焼けていた。
ナイフで切り出すと、まあまあ焼けている。
弾力のあるスポンジケーキを不思議そうにコックさんは見ていた。
どうやらこの国にはメレンゲという概念はなかったようだ。
それと効率悪すぎる魔法の使い方を聞くと、火の魔法が使える人間しかコックさんになれないらしい。
だから薪に移してなんてやり方はしないと、効率悪すぎて眩暈がしてきた。
一般家庭では火種を木や藁に移して料理しているらしい。まあそれが当たり前だが。
魔法ありきなので料理人としてのセンスは二の次三の次、家庭料理のほうがおいしいらしい。本末転倒って言葉を知っているか?
「しかし、私がどんな役に立つと思う私魔法なんて使えないけど」
本気で聞いてみた。しかし侍女さんは怪訝そうに言った。
「使えますよ、あちらの国の来訪者も使っているそうですし」
「もしかして地球人じゃないの?」
思わず聞いたが全員日本人を名乗っているらしい。
じゃあさっそく使ってみようとすると全員が慌てて止めた。
もっと広いところでと言われたので中庭に行くと、でっかい木があった。樫ってこんな感じだったかなと思いながら、さっきの火を出すのをまねしてみた。
木は跡形もなく消滅した。
根だけが残っているが、真っ黒に炭化している。
あまりの高熱に一瞬で蒸発してしまったらしい。
色は緑茶っぽいけど、味はハーブティ。そして私に求められているのは、国の代表として戦えというものだった。
おいおい、私はか弱い文化系女子だよ、喧嘩なんて子供の頃の兄弟喧嘩しかしたことないよ、そんな私に何と戦えと?
近隣に四つの国があり、私と同じように呼び出された、つまり異世界転移させられた人がいるらしい。その人と戦えということだ。
なんで、見ず知らずの人のために、見ず知らずの人と戦わねばならないのだろう。それと私の戦闘能力は底辺なんだが。
お茶に添えられたパウンドケーキみたいなものを口に入れる。
もったりと重い感じ、バターをケチった味だ。はっきり言ってまずい
「もっとおいしいお菓子を作れるかもしれない」
そう主張して台所に案内させた。
ここにきて食生活も充実してないなんて理不尽な話だと思う。
台所では魔法で食材を加熱していた。
焜炉がないの、たぶんコックさんが鍋に直接魔法で出した火でお肉を焼いている。
まんまファンタジーの世界だが、コックさんが普通に魔法を使う世界で、日本の普通の女子学生が何の役に立つの?
そう思いながら、私は卵と小麦粉砂糖バターを用意させた。
ちゃんとそれらしいのが出てきた。異世界だからこっちの想像を絶するものが出たらどうしようかと思った。
さっきのお菓子の材料を出せと要求したのだ。
秤は天秤だった。
気を取り直して、卵の大きさを基準に材料を計る。
泡だて器がないのでフォークを二本使って白身を泡立てる。
日本の卵と同じように角が立つ。
それに安心した私は砂糖を加えてさらに泡立て、小麦粉、溶かしバター取り除いておいた卵黄を加える。
そして出来上がったものを型に流し込み、さっきのお菓子と同じように焼けとコックさんに要求した。だってこの世界の竈なんて使えそうにないもの。
丸いドーム状のものに型を置き、コックさんが火を出して焼き始めた。
いや、火だけ出して、適当な枝とかに燃え移らせればもっと簡単なんじゃね?
汗だらだらなんだけど。
このままに十分ぐらい火を出し続けて、コックさんが燃え尽きた。
真っ白に燃え尽きたコックさんをほかのコックさんが片付けて、別のコックさんが、ドーム状のものをはずすと、なんとかスポンジケーキが焼けていた。
ナイフで切り出すと、まあまあ焼けている。
弾力のあるスポンジケーキを不思議そうにコックさんは見ていた。
どうやらこの国にはメレンゲという概念はなかったようだ。
それと効率悪すぎる魔法の使い方を聞くと、火の魔法が使える人間しかコックさんになれないらしい。
だから薪に移してなんてやり方はしないと、効率悪すぎて眩暈がしてきた。
一般家庭では火種を木や藁に移して料理しているらしい。まあそれが当たり前だが。
魔法ありきなので料理人としてのセンスは二の次三の次、家庭料理のほうがおいしいらしい。本末転倒って言葉を知っているか?
「しかし、私がどんな役に立つと思う私魔法なんて使えないけど」
本気で聞いてみた。しかし侍女さんは怪訝そうに言った。
「使えますよ、あちらの国の来訪者も使っているそうですし」
「もしかして地球人じゃないの?」
思わず聞いたが全員日本人を名乗っているらしい。
じゃあさっそく使ってみようとすると全員が慌てて止めた。
もっと広いところでと言われたので中庭に行くと、でっかい木があった。樫ってこんな感じだったかなと思いながら、さっきの火を出すのをまねしてみた。
木は跡形もなく消滅した。
根だけが残っているが、真っ黒に炭化している。
あまりの高熱に一瞬で蒸発してしまったらしい。
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