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水中訓練と新たな決意
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全員石を口に含ませた状態で水中に潜らせてカラは鏡の前に立つ。
相棒の鏡はすでに水中に沈めてある。
「それでは皆さん、レッツダンス、私の動く通りに動いてください」
そしてまずはラジオ体操から始めた。
そしてスクワット、腹筋運動、背筋運動などを行ってみた。
軽く息を切らせた状態でからは向こうの様子を見る。
スクワットはあまり効いていなかった。水の浮力が仇となったらしい。
「こうなると、まあいいや踊ろう」
カラはスローテンポの踊りからだんだん速度を速めて踊る。
そしてこの訓練の致命的な欠点に気が付いてしまった。
水による負荷こそないがカラ自身もがっつり運動してしまう羽目になるのだ。基礎体力がないカラには致命的だった。
だんだんやばい呼吸になっていくカラにそばで見ていたメイドたちも青ざめていく。
「大丈夫ですか、あの顔色がものすごく真っ赤です」
そう言ってメイドがカラを止めようとしたがカラは無言で首を振った。
こうなったら最後までやるしかない。カラもかつては国旗を背負ったこともあるアスリート、これくらいの試練耐えられなくてどうする。
鬼気迫る形相でからは最後まで踊り切った。
「終了」
その一言を口にしたのちカラはぱったりと倒れた。
「担架を持ってきて」
カラ考案の担架に運ばれて医務室送りになった。
そのカラを水中から伸びあがった軍人たちは無言で見送っていた。
「やる前に気が付くべきだったと思うが」
タロがあきれたように医務室のベッドのわきでそう言った。
「明日は筋肉痛で動けないかもしれないぞ」
そう言われてカラは深いため息をついた。
「やっぱり諦めちゃいけなかったのよ」
「あ?」
「私は自分が生まれついて運動神経が不自由な体だからとあきらめて自分を鍛えなかったわ、それを後悔しているの、たとえどれほど鍛えがいのない体でも私の身体なんだから鍛えなきゃいけなかったのよ」
カラは一度目を閉じた。
「決めたの、この訓練で私は私を鍛えなおす。たとえかつてのレベルに戻れなくても近づけることはできるはずよ」
「おい、無茶するなよ」
今のカラの身体は一般平均にすら及んでいない。それを軍人と一緒に鍛えなおすなんて自殺行為だ。
「だから、この訓練を何度でもやるわ、そうして私を鍛えなおす」
軟弱な身体に宿ったアスリートの魂が燃えている。
そして、この訓練のきつさに値を上げていた軍人たちは額からびっしりと冷や汗を流していた。
この訓練やめたいのだがカラの様子ではヘビロテ待ったなしだろう。
医務室の前で立ち聞きしていた軍人たちを憐れみの目でタロは見ていた。
相棒の鏡はすでに水中に沈めてある。
「それでは皆さん、レッツダンス、私の動く通りに動いてください」
そしてまずはラジオ体操から始めた。
そしてスクワット、腹筋運動、背筋運動などを行ってみた。
軽く息を切らせた状態でからは向こうの様子を見る。
スクワットはあまり効いていなかった。水の浮力が仇となったらしい。
「こうなると、まあいいや踊ろう」
カラはスローテンポの踊りからだんだん速度を速めて踊る。
そしてこの訓練の致命的な欠点に気が付いてしまった。
水による負荷こそないがカラ自身もがっつり運動してしまう羽目になるのだ。基礎体力がないカラには致命的だった。
だんだんやばい呼吸になっていくカラにそばで見ていたメイドたちも青ざめていく。
「大丈夫ですか、あの顔色がものすごく真っ赤です」
そう言ってメイドがカラを止めようとしたがカラは無言で首を振った。
こうなったら最後までやるしかない。カラもかつては国旗を背負ったこともあるアスリート、これくらいの試練耐えられなくてどうする。
鬼気迫る形相でからは最後まで踊り切った。
「終了」
その一言を口にしたのちカラはぱったりと倒れた。
「担架を持ってきて」
カラ考案の担架に運ばれて医務室送りになった。
そのカラを水中から伸びあがった軍人たちは無言で見送っていた。
「やる前に気が付くべきだったと思うが」
タロがあきれたように医務室のベッドのわきでそう言った。
「明日は筋肉痛で動けないかもしれないぞ」
そう言われてカラは深いため息をついた。
「やっぱり諦めちゃいけなかったのよ」
「あ?」
「私は自分が生まれついて運動神経が不自由な体だからとあきらめて自分を鍛えなかったわ、それを後悔しているの、たとえどれほど鍛えがいのない体でも私の身体なんだから鍛えなきゃいけなかったのよ」
カラは一度目を閉じた。
「決めたの、この訓練で私は私を鍛えなおす。たとえかつてのレベルに戻れなくても近づけることはできるはずよ」
「おい、無茶するなよ」
今のカラの身体は一般平均にすら及んでいない。それを軍人と一緒に鍛えなおすなんて自殺行為だ。
「だから、この訓練を何度でもやるわ、そうして私を鍛えなおす」
軟弱な身体に宿ったアスリートの魂が燃えている。
そして、この訓練のきつさに値を上げていた軍人たちは額からびっしりと冷や汗を流していた。
この訓練やめたいのだがカラの様子ではヘビロテ待ったなしだろう。
医務室の前で立ち聞きしていた軍人たちを憐れみの目でタロは見ていた。
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