44 / 54
体力を削ぎ落せ
しおりを挟む
「それじゃ、頑張ってみようか」
始まったのは、スタミナをすべて使い果たすレベルの過酷な訓練だった。
始まった三十分で、荒い息をしていない人間がいなくなった。
「動きに無駄がある、もうちょっと滑らかに動けない?」
そう言いながらカラは姿勢を正す。
「そこ、体の軸がぶれると体力をロスする。軸は真っすぐに」
言われたことが藁らず戸惑っている相手をカラは身体の線を叩くことで、示す。
「呼吸に気を付けて、規則正しく、ゼハゼハ言ってるのは酸素の無駄遣い」
ビシビシと檄が飛ぶ。
「やってんなあ」
とりあえず、飲み物を用意したタロが、保冷ポットを複数おいておく。
少し甘みをつけておいたのは、筋力を保つために血糖値を一定に保つためだとか。
あと、炭水化物多めの食事メニューを要求された。
「とりあえず三日分」
そうカラは言った。
「三日はきっちりがっちり鍛え上げるつもりだから」
カラはスケジュール帳を片手に宣言した。
「筋肉をつける最短プログラムが、地球人じゃない彼女達にどれほど通用するかは謎だけど、今はそれに頼るしかないわ」
筋肉をつけるには、身体の周期を計ることが重要らしい。トレーニングも、やり始めは順調だが、身体が慣れてくれば停滞期に入る。それをどれだけ遅らせるかもやり方次第らしい。
「プールが使えるか、交渉してみたいんだけど」
「プール?」
「やっぱり、水圧という負荷は魅力的なの、全身つからなくても、腰くらいの深さで歩くだけでも、かなりの筋力アップが見込まれるわ」
「しかし、水着というのはハードルが高すぎないか?野郎ならパンツ一丁で全然大丈夫だろうが」
若い娘が肌もあらわな格好で泳ぐなどあのうるさ型のご婦人が許すはずがない。
「プールに足をつけてバタ足の練習だけでもいいんだけどなあ」
「なるほど、足腰は基本だな」
タロはしばらく考えていた。
「だったらズボンをはいて、水中行進はどうだ。服を着ていれば負荷は倍だろ」
「なるほど、それはそうだ」
カラが大きく手を打った。タロのいた地域では水難予防に着衣水泳の授業があった。着衣をつけたまま水中で動くのは数倍からの力が必要だと身をもって知っていた。
この事実を知れば、居間からの過酷な訓練を受けている彼女達の怨嗟はまっすくにタロに向かうだろう。
それをわかっているため、タロは沈黙を守ることにした。
始まったのは、スタミナをすべて使い果たすレベルの過酷な訓練だった。
始まった三十分で、荒い息をしていない人間がいなくなった。
「動きに無駄がある、もうちょっと滑らかに動けない?」
そう言いながらカラは姿勢を正す。
「そこ、体の軸がぶれると体力をロスする。軸は真っすぐに」
言われたことが藁らず戸惑っている相手をカラは身体の線を叩くことで、示す。
「呼吸に気を付けて、規則正しく、ゼハゼハ言ってるのは酸素の無駄遣い」
ビシビシと檄が飛ぶ。
「やってんなあ」
とりあえず、飲み物を用意したタロが、保冷ポットを複数おいておく。
少し甘みをつけておいたのは、筋力を保つために血糖値を一定に保つためだとか。
あと、炭水化物多めの食事メニューを要求された。
「とりあえず三日分」
そうカラは言った。
「三日はきっちりがっちり鍛え上げるつもりだから」
カラはスケジュール帳を片手に宣言した。
「筋肉をつける最短プログラムが、地球人じゃない彼女達にどれほど通用するかは謎だけど、今はそれに頼るしかないわ」
筋肉をつけるには、身体の周期を計ることが重要らしい。トレーニングも、やり始めは順調だが、身体が慣れてくれば停滞期に入る。それをどれだけ遅らせるかもやり方次第らしい。
「プールが使えるか、交渉してみたいんだけど」
「プール?」
「やっぱり、水圧という負荷は魅力的なの、全身つからなくても、腰くらいの深さで歩くだけでも、かなりの筋力アップが見込まれるわ」
「しかし、水着というのはハードルが高すぎないか?野郎ならパンツ一丁で全然大丈夫だろうが」
若い娘が肌もあらわな格好で泳ぐなどあのうるさ型のご婦人が許すはずがない。
「プールに足をつけてバタ足の練習だけでもいいんだけどなあ」
「なるほど、足腰は基本だな」
タロはしばらく考えていた。
「だったらズボンをはいて、水中行進はどうだ。服を着ていれば負荷は倍だろ」
「なるほど、それはそうだ」
カラが大きく手を打った。タロのいた地域では水難予防に着衣水泳の授業があった。着衣をつけたまま水中で動くのは数倍からの力が必要だと身をもって知っていた。
この事実を知れば、居間からの過酷な訓練を受けている彼女達の怨嗟はまっすくにタロに向かうだろう。
それをわかっているため、タロは沈黙を守ることにした。
1
あなたにおすすめの小説
「俺が勇者一行に?嫌です」
東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。
物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。
は?無理
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる