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帰り道、ぼくはせいぎのみかたにお礼を言いました。
「今日は本当にありがとう。楽しかったです」
すると、せいぎのみかたは微笑んで言いました。
「私も、りょうたくんのお父様とお会いできて良かったですよ。それに、りょうたくんのお父様のお話を聞くことができて、とても勉強になりました」
せいぎのみかたは頭を深くさげました。
「また、どこかでお会いできるといいですね」
ぼくたちは別れを告げました。せいぎのみかたが見えなくなるまで見送りました。
家に帰る途中、ぼくはせいぎのみかたに言われたことを思い出しました。
『君がこの世界を救う勇者になるんだよ』
ぼくは立ち止まって考え込みました。
「うーん……やっぱり、ぼくには無理かな」
ぼくは弱気になって呟きました。でも、その時でした。
「あっ! 」
ぼくは思い出しました。それは、お父さんの部屋にあった本の中に書いてあったことです。その本の主人公は、悪の魔王を倒すために旅に出たのですが、途中で仲間に裏切られたり、悪い人たちに襲われたりで大変な目に遭います。それでも、最後は仲間たちと協力して魔王を倒して、世界を平和に導くことができたのです。そして、最後に主人公が言った言葉が印象的でした。
『僕は諦めない。絶対に最後までやり遂げるんだ!』
ぼくはその主人公に憧れました。ぼくはお父さんみたいになりたいけど、なかなかうまくいきません。でも、ぼくは勇者になろうと思いました。お父さんみたいな強い男になって、困っている人を助けるんです。そして、世界中を冒険したいと思います。ぼくの夢は、世界一の冒険者になることです。だから、頑張ります。お父さんのような優しい大人になれるように。
「えいっ! えいっ! 」
ぼくは腕立て伏せをしています。せいぎのみかたがいなくなった後も、ぼくは一人でトレーニングを続けています。お父さんにも毎日のように言われていたし、お父さんとお母さんが働いている時に、何もしないのも申し訳ないので、ぼくは筋トレを始めたのです。最初は大変でしたが、今ではすっかり慣れて、100回くらいなら簡単にできるようになりました。
ぼくが運動していると、お母さんがやって来ました。
「りょうた。頑張ってるわね」
「うん!」
「偉いわ。お母さん、嬉しい」
「えへへ……」
褒められると嬉しいです。ぼくは照れながら、ふと思ったことを口に出しました。
「ねぇ、おかあさん。どうして、ぼくを産もうと決めたの?」
「あら、急にどうしたの?」
「ちょっと気になったんだ。お父さんは、ぼくが産まれる時、嬉しくなかったの?」
「そんなことないと思うよ」
「そうなんだ」
「あなたを産むと決めて、お父さんも迷っていたから」
「そうなの!?」
「お父さんは反対したんだけど、お母さんが強引に進めたの」
「そっか……。お父さんは反対だったのか」
「そう。お父さんは反対していたの」
「お父さんはぼくのこと嫌いなのかな」
「そんなことはないよ。お父さんだって、りょうたが産まれた時は、凄く喜んでいたもの」
「じゃあ、なんで反対するの? 」
「お父さんは、自分が忙しいから、りょうたの面倒をみられないのを心配しているの」
「なるほど。そういうことだったの」
「今日は本当にありがとう。楽しかったです」
すると、せいぎのみかたは微笑んで言いました。
「私も、りょうたくんのお父様とお会いできて良かったですよ。それに、りょうたくんのお父様のお話を聞くことができて、とても勉強になりました」
せいぎのみかたは頭を深くさげました。
「また、どこかでお会いできるといいですね」
ぼくたちは別れを告げました。せいぎのみかたが見えなくなるまで見送りました。
家に帰る途中、ぼくはせいぎのみかたに言われたことを思い出しました。
『君がこの世界を救う勇者になるんだよ』
ぼくは立ち止まって考え込みました。
「うーん……やっぱり、ぼくには無理かな」
ぼくは弱気になって呟きました。でも、その時でした。
「あっ! 」
ぼくは思い出しました。それは、お父さんの部屋にあった本の中に書いてあったことです。その本の主人公は、悪の魔王を倒すために旅に出たのですが、途中で仲間に裏切られたり、悪い人たちに襲われたりで大変な目に遭います。それでも、最後は仲間たちと協力して魔王を倒して、世界を平和に導くことができたのです。そして、最後に主人公が言った言葉が印象的でした。
『僕は諦めない。絶対に最後までやり遂げるんだ!』
ぼくはその主人公に憧れました。ぼくはお父さんみたいになりたいけど、なかなかうまくいきません。でも、ぼくは勇者になろうと思いました。お父さんみたいな強い男になって、困っている人を助けるんです。そして、世界中を冒険したいと思います。ぼくの夢は、世界一の冒険者になることです。だから、頑張ります。お父さんのような優しい大人になれるように。
「えいっ! えいっ! 」
ぼくは腕立て伏せをしています。せいぎのみかたがいなくなった後も、ぼくは一人でトレーニングを続けています。お父さんにも毎日のように言われていたし、お父さんとお母さんが働いている時に、何もしないのも申し訳ないので、ぼくは筋トレを始めたのです。最初は大変でしたが、今ではすっかり慣れて、100回くらいなら簡単にできるようになりました。
ぼくが運動していると、お母さんがやって来ました。
「りょうた。頑張ってるわね」
「うん!」
「偉いわ。お母さん、嬉しい」
「えへへ……」
褒められると嬉しいです。ぼくは照れながら、ふと思ったことを口に出しました。
「ねぇ、おかあさん。どうして、ぼくを産もうと決めたの?」
「あら、急にどうしたの?」
「ちょっと気になったんだ。お父さんは、ぼくが産まれる時、嬉しくなかったの?」
「そんなことないと思うよ」
「そうなんだ」
「あなたを産むと決めて、お父さんも迷っていたから」
「そうなの!?」
「お父さんは反対したんだけど、お母さんが強引に進めたの」
「そっか……。お父さんは反対だったのか」
「そう。お父さんは反対していたの」
「お父さんはぼくのこと嫌いなのかな」
「そんなことはないよ。お父さんだって、りょうたが産まれた時は、凄く喜んでいたもの」
「じゃあ、なんで反対するの? 」
「お父さんは、自分が忙しいから、りょうたの面倒をみられないのを心配しているの」
「なるほど。そういうことだったの」
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