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第8話
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泥沼は危険なので魔物たちに木製の柵を作ってもらった。たぶん何日かしたら乾いて固まると思う。
俺とミズハは教会に戻った後、すぐにユリアナさんに経緯を報告した。
「そうですか。それはよかったです。しかし、魔物たちと町を作るなんて驚きましたよ。この町の人たちとも仲良くしてくれれば嬉しいのですが……」
「はい、俺から話してみます。魔物たちの目的は魔王を倒した勇者パーティーのメンバーを殺すことなので、この町の人たちは大丈夫だとは思うんですが……」
「ええ、そうですね。私もそう願いたいところです」
やっぱり町の近くに魔物の町があったら住人も不安だろう。魔物の町は山奥に作った方が安全かもしれないな。
「まあ、念のため警戒しておくことに越したことはないでしょう。それにしてもユリアナさんの光魔法は凄いですね!あんな防御結界は初めて見ました!」
俺は町の周囲で見た靄を思い出しながら言った。あれほど広範囲の防御結界は今まで見たことがなかった。
「フフッ、ありがとうございます。しかし、私は攻撃魔法は苦手ですし、魔物と戦ったりしたこともありません。今回、あなたが来てくれなかったら私たちは全滅していたかもしれません」
「そうなんですか。そう言ってもらえると頑張った甲斐がありました」
「はい。この度は本当に助かりました。改めてお礼を申し上げます」
「いえいえ、そんな……。これからも何かあった時は遠慮なく呼んでください」
「ええ、その時はよろしくお願いします」
その後、ユリアナさんは疲れていると言って自室に戻った。きっと防御結界を長時間張っていたから精神的にも肉体的にも消耗しているのだろう。俺も今日は早く帰って休むとしよう……
***
俺とミズハは自宅に帰って来た。
「ただいま~。って誰もいないんだけどな……。ははは……」
「ただいま帰りました。ふぅ……」
俺とミズハはリビングに座って一息ついた。
「大変だったな……。まさか、こんなことになるとは思わなかった……」
「本当ですね……。私もまだ頭が追い付いていなくて混乱しています……」
「だよなぁ……。よし、じゃあ気分転換に料理でもするか!何か食べたいものはあるか?」
「いいですね!私はニンニク料理が食べたいなと思います!」
「了解だ。それなら今日はニンニクを炒めるか」
「わーい!やったー!!」
ミズハはとても嬉しそうだ。そんなにニンニクが好きなのか?
それから俺たちは料理を始めた。エリンギとニンニクのソテーを作ることにした。まずエリンギを食べやすい大きさに切って縦に薄くスライスする。それからニンニクの皮を剥き薄くスライスする。
「ニンニクの皮は料理には不向きだが、実の部分よりも食物繊維やポリフェノールが豊富なんだよな」
「へぇ~、そうなんですか。私、初めて知りました」
「ああ、にんにくの皮は実よりも食物繊維が4倍、ポリフェノールは7倍も高く、活性酸素を除去する抗酸化力も1.5倍高いそうなんだ」
「えっ!そんなにすごいんですね!」
「そうだぞ。だから健康のためにもなるべく捨てないで、スープの出汁に使ったり、粉末にして料理に混ぜたりして摂取すると良いらしい」
「そうなんですね。今度からは気を付けようっと」
それからフライパンにオリーブオイルを入れて熱した後、ニンニクを入れた。ニンニクが焦げないように弱火にし、香りが出てきたらエリンギを入れて塩コショウを振る。
「うう……匂いがきつくなってきました……」
そうだな……。でもこの家には換気扇なんてものはない。窓を開けると虫が入るかもしれないからここは我慢しよう……。
「さて、そろそろいいか。皿に移すぞ」
「はい!」
そして、完成したニンニクのソテーを二人分盛り付けた。うん、美味しそうだ。
「では、いただきます」
「いただきまーす!!んぐ……!?」
ミズハは一瞬、目を見開いて驚いたような表情を見せたが、すぐに笑顔になった。
「美味しいです!これ、すごく好きになりました!」
「そうか、それはよかった。俺も好きだよ。ニンニクは体にも良いらしいから毎日食べるようにしよう。ニンニクにはアリシンやカロテン、ビタミンB6が豊富に含まれているらしいから、疲労回復や美肌効果があるらしいぞ」
「ええ、嬉しい効果ばかりですね。私、毎日食べたくなりました」
「そうだろう。それに食物繊維も豊富で、便秘解消の効果もあるみたいだしな。ただ、匂いがキツいので、そこは注意が必要だけどな……」
「そうですね。でも、私はこのくらいの臭さがちょうどいいですよ!」
「ははは、確かにな。でも、明日みんなにニンニク料理を食べたことがバレちゃうな」
「あっ!その可能性はありましたね……。そういえば吸血鬼はニンニクが嫌いとか聞いたことがあるのですが、魔物に嫌われたりしないでしょうか?」
「ああ、大丈夫だと思うぞ。逆にニンニクの匂いが好きな魔物もいるんじゃないか?ニンニクは豚の飼料としても使われることもあるらしいしな」
「そうなんですか!知りませんでした」
それから俺たちは食事を終えて、片付けをした。
「ふぅ~……。今日は色々あって疲れたけど、ミズハのおかげで何とかなったな。ありがとう」
「いえいえ、どういたしまして。それにしても、まさか魔物を仲間にするとは思いもしませんでした」
「俺も最初はどうかと思ったが、オクキンは意外といい奴だったから良かったと思う。これからも一緒に頑張ろうな」
「はい!もちろんです!!」
こうして、俺たちは長い一日を終え、眠りについた。
俺とミズハは教会に戻った後、すぐにユリアナさんに経緯を報告した。
「そうですか。それはよかったです。しかし、魔物たちと町を作るなんて驚きましたよ。この町の人たちとも仲良くしてくれれば嬉しいのですが……」
「はい、俺から話してみます。魔物たちの目的は魔王を倒した勇者パーティーのメンバーを殺すことなので、この町の人たちは大丈夫だとは思うんですが……」
「ええ、そうですね。私もそう願いたいところです」
やっぱり町の近くに魔物の町があったら住人も不安だろう。魔物の町は山奥に作った方が安全かもしれないな。
「まあ、念のため警戒しておくことに越したことはないでしょう。それにしてもユリアナさんの光魔法は凄いですね!あんな防御結界は初めて見ました!」
俺は町の周囲で見た靄を思い出しながら言った。あれほど広範囲の防御結界は今まで見たことがなかった。
「フフッ、ありがとうございます。しかし、私は攻撃魔法は苦手ですし、魔物と戦ったりしたこともありません。今回、あなたが来てくれなかったら私たちは全滅していたかもしれません」
「そうなんですか。そう言ってもらえると頑張った甲斐がありました」
「はい。この度は本当に助かりました。改めてお礼を申し上げます」
「いえいえ、そんな……。これからも何かあった時は遠慮なく呼んでください」
「ええ、その時はよろしくお願いします」
その後、ユリアナさんは疲れていると言って自室に戻った。きっと防御結界を長時間張っていたから精神的にも肉体的にも消耗しているのだろう。俺も今日は早く帰って休むとしよう……
***
俺とミズハは自宅に帰って来た。
「ただいま~。って誰もいないんだけどな……。ははは……」
「ただいま帰りました。ふぅ……」
俺とミズハはリビングに座って一息ついた。
「大変だったな……。まさか、こんなことになるとは思わなかった……」
「本当ですね……。私もまだ頭が追い付いていなくて混乱しています……」
「だよなぁ……。よし、じゃあ気分転換に料理でもするか!何か食べたいものはあるか?」
「いいですね!私はニンニク料理が食べたいなと思います!」
「了解だ。それなら今日はニンニクを炒めるか」
「わーい!やったー!!」
ミズハはとても嬉しそうだ。そんなにニンニクが好きなのか?
それから俺たちは料理を始めた。エリンギとニンニクのソテーを作ることにした。まずエリンギを食べやすい大きさに切って縦に薄くスライスする。それからニンニクの皮を剥き薄くスライスする。
「ニンニクの皮は料理には不向きだが、実の部分よりも食物繊維やポリフェノールが豊富なんだよな」
「へぇ~、そうなんですか。私、初めて知りました」
「ああ、にんにくの皮は実よりも食物繊維が4倍、ポリフェノールは7倍も高く、活性酸素を除去する抗酸化力も1.5倍高いそうなんだ」
「えっ!そんなにすごいんですね!」
「そうだぞ。だから健康のためにもなるべく捨てないで、スープの出汁に使ったり、粉末にして料理に混ぜたりして摂取すると良いらしい」
「そうなんですね。今度からは気を付けようっと」
それからフライパンにオリーブオイルを入れて熱した後、ニンニクを入れた。ニンニクが焦げないように弱火にし、香りが出てきたらエリンギを入れて塩コショウを振る。
「うう……匂いがきつくなってきました……」
そうだな……。でもこの家には換気扇なんてものはない。窓を開けると虫が入るかもしれないからここは我慢しよう……。
「さて、そろそろいいか。皿に移すぞ」
「はい!」
そして、完成したニンニクのソテーを二人分盛り付けた。うん、美味しそうだ。
「では、いただきます」
「いただきまーす!!んぐ……!?」
ミズハは一瞬、目を見開いて驚いたような表情を見せたが、すぐに笑顔になった。
「美味しいです!これ、すごく好きになりました!」
「そうか、それはよかった。俺も好きだよ。ニンニクは体にも良いらしいから毎日食べるようにしよう。ニンニクにはアリシンやカロテン、ビタミンB6が豊富に含まれているらしいから、疲労回復や美肌効果があるらしいぞ」
「ええ、嬉しい効果ばかりですね。私、毎日食べたくなりました」
「そうだろう。それに食物繊維も豊富で、便秘解消の効果もあるみたいだしな。ただ、匂いがキツいので、そこは注意が必要だけどな……」
「そうですね。でも、私はこのくらいの臭さがちょうどいいですよ!」
「ははは、確かにな。でも、明日みんなにニンニク料理を食べたことがバレちゃうな」
「あっ!その可能性はありましたね……。そういえば吸血鬼はニンニクが嫌いとか聞いたことがあるのですが、魔物に嫌われたりしないでしょうか?」
「ああ、大丈夫だと思うぞ。逆にニンニクの匂いが好きな魔物もいるんじゃないか?ニンニクは豚の飼料としても使われることもあるらしいしな」
「そうなんですか!知りませんでした」
それから俺たちは食事を終えて、片付けをした。
「ふぅ~……。今日は色々あって疲れたけど、ミズハのおかげで何とかなったな。ありがとう」
「いえいえ、どういたしまして。それにしても、まさか魔物を仲間にするとは思いもしませんでした」
「俺も最初はどうかと思ったが、オクキンは意外といい奴だったから良かったと思う。これからも一緒に頑張ろうな」
「はい!もちろんです!!」
こうして、俺たちは長い一日を終え、眠りについた。
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