ホロボロイド

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ソシャゲでは一位なんだから

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私の名前は根尾兎乃、16歳の高校生。将来の夢はホロボロイドバトラーになる事
今や世界的人気を誇る遊戯、ホロボロイドバトルは世界73ヵ所で毎月のように大会が開催されている。
見るもよしやるもよしで配信者も多く参戦しテレビでも連日連夜放送。名前を知らない人はいない。
やったことのない人はいないとまで謳われる。私の親も先駆者として黎明期から活動をしていた。その意思を継ぎたいです
「発表ってこれでいいのかな、はぁ」畳八畳間の広々とした部屋で寛ぐ兎乃。高校で将来像を発表する時間があるがその時の文章に躓いているようだ。
「ウサちゃんどー?」「兎乃!夢大事」跳ねて回って楽しそうにする兎型のホロボロイド。兎乃が昨日拾ってきたホロボロイドだ。
従来製よりも小さく、知能部分にあたるAIも決して賢いとは言えない。
ホロボロイドというよりは一世代前にはやったセラピーロボといったところだろう。よしよしと撫でると頬を指にすり寄せる様は戦闘向けとは思えない。
「ソシャゲのホロボロイドバトルじゃ負け無しだけど実際の手に汗握る戦いもしたいものよね」兎乃は祖父母のせいでホロボロイドバトルが出来ない。
今時の電子機器に慣れてないおかげでアプリケーションの方は触れるが、実機を伴う方はイヤホンは形見だからあるにしろ実機の方を買うにはリスクが高い。大きいし勝手に動き回る。
「ウサちゃんでは出来なそうだもんね。どう?」「兎乃戦うすき?」机の上でぴょんぴょんと跳ねるウサちゃんには受け答えが難しいようでまともな回答が返ってこない。
「まぁーそっか。さて次は数学の問題プリントしないと」机の上にプリントを広げて鉛筆でカツカツと計算をしていく。本棚に入れた数学の本を数冊取り出して読んでは仕舞いを繰り返す。
「数学は必須、世界に飛ぶには英語も必須。工学系も知識がないと整備できないし…プロ達に聴いた事やってるけど」

-次の日-
朝に起きるのではなくアラームが鳴ったから起きるのだ。そう書かれた掛け軸の前でストレッチをする兎乃。
「朝10分体を動かして目を覚ます」制服に着替えてスカートのポケットにウサちゃんを潜ませる
「おはよーおばあちゃんおじいちゃん。あ、味噌汁は私が作るよ」祖母と朝ご飯を作り、食卓に着く
「いただきます」根尾家では朝5時から活動が始まる。兎乃が通う都立檜枝学校は家から電車で2時間バス15分。9時から始まる授業に間に合うには朝の6時に出なければならない。
「ねぇ、私今日遅くなるからご飯先食べてていいよ」学校に行く支度を整える兎乃。通学カバンを肩にかけながら弁当を作る。
「いってきまーす」靴を履き外へ踏み出す。ウサちゃんがいるからか世界が変わって見える
ホロボロイドを持ち歩くことは法律で禁止されていない。ペットのように繋ぐものも居れば友人のように接する者もいる。
「ウサちゃんほら、出てきていいよ」イヤホンを耳に付けて起動する。ウサちゃんはポッケから出ると体を回るように這い上がり肩へと上がってきた。
定期片手に改札を抜ける。『間も無く到着の電車は檜枝行きです』タイミングよく来た電車に乗った。
席はガラガラだ。椅子に座りホロボロイドバトルを開く。1人でバトルを選択し編成をしていく。
「仮にウサちゃんで戦うとしたら。小型、動物タイプ。中距離…んー、防衛・攻撃・工作・支援・回復・察知が適正なのは確かだけど中距離で小回りがきくと、動物型活かすなら察知だし普通にいくと支援」
最後の項目に自身のホロボロイドを読み込むという欄を見つけ兎乃は押した。「ウサちゃん登録っと」一瞬画面にノイズが走りアプリ内にウサちゃんが表示された
「兎乃!ウサちゃんここいる」「だねー」肩の上で左右行き来するウサちゃん
「電車で電波切れてもだし1人対戦でいっか。CPU対戦っと」スリーコア選択を終えて対戦モードに入った。
ウサちゃんが目線操作で動かされる。敵は一般型と言われる作業用量産ホロボロイド。兎乃が入れたコアは加速・火力・自動補填
「よーし、ウサちゃん初陣だよ」「兎乃兎乃」肩の横で画面を覗くウサちゃん。
静動する車内で兎乃が操作するウサちゃんが相手機体を撃破した。
「兎乃やった!」「やったよ!ウサちゃん実は可愛い見た目してるけど最強機体だったりして」顔を寄せて頬ずりをするウサちゃんを見る。
一度アプリを閉じてウサちゃんの管理画面を開く。AI学習情報を開くと200に及ぶ単語がスクーロルされていった。
「やっぱそうだ。ウサちゃんの知能AIは何かのせいで制限がかかってるんだ」空き欄の下の方は暗くなり赤い鎖で覆われていた。
子供も参戦するホロボロイドバトルではセンシティブワードやアダルトコンテンツなどを制限する機能がある。
親の管理端末で地道に消す方法が昔は支流だったが、今は国が推奨するシステムが導入されているためオートメーションにそれが可能なのだ。
「ウサちゃんの制限は解除できない、友達に頼まれて制限開け何回もした事あるのに」
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