ホロボロイド

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「ん、サトウ」先生の言葉でクラス委員のサトウタロウが号令をした。
「休み連絡は2名。んじゃ欠席とるぞ」先生が前のスクリーンを見る。「アイト、アイナワ」名前が呼ばれるたび机の上に現れたボックスにみんなイヤホンと電子機器を入れていく。ホロボロイドは大きい為、大抵着いた時点でみんなロッカーに入れていく。
「根尾、はせが…根尾お前のランプ消えねぇーぞ」「あれ?あーもしかしてホロボロイド切ってないから」イヤホンが通信中になると授業に使う端末に不具合を起こす可能性がある為、遮断してしまわなければならないのだ。
ウサちゃんはイヤホンを外した時点で自動スリープになっているが電源が切れたわけではない。
「なんだ買ったのか。別に買うのは自由だがちゃんと扱えてから持ってこいよな?今日はこのボックスに入れとけ」
ざわめく教室に恥ずかしさを覚えながらも教卓のボックスにイヤホンと電子機器を入れる根尾。
数世代前なら買っただけで騒がれたが、今は持ってない人が買うと騒がれるくらい時代は変化したのだ。
「みんな知ってると思うが電磁浮遊式の車内であばれた生徒がいると苦情多数だ。続くようなら学校側も対応を強めなければならない」
「二組のアサカじゃね?」「2年の南嶋先輩だよ」「金髪のピアス開けてるアイツだって」ざわざわとする教室。先生は頭に手を当て溜息をつく。
「JHrgrm社が2度目は以降は警察に相談するとのことだ。搭乗者記録とかなんて簡単に参照できるんだしそこら辺を考えるようにな」
先生が出ていくと教室は話し声で包まれた。

授業後-
「根尾ぉ!カフェ行こカフェ」「あーごめんノーラッち、ナッツーとコア買いに行くからさ」荷物をささっとしまい教室の外に出る兎乃
「まって、はやいよー」慌てて駆け出す夏凪と学校の外に出た。校則は寄り道禁止、しかしこれには抜け穴がある。
1着15万円、買え服オプション一つ当たり500円。
普通の服に特殊な素材が練り込まれている為、保存したデータを呼び起こしその服に変えることができるのだ。
学校の制服等は安全面もあり禁止されているが兎乃は改造を施し無理やり可能にしたのだ。
「マジで感謝だよ兎乃~」この高度な技術発展に伴った趣味への出資はホロボロイドバトル市場を独占している。
他の産業は伸びたし機能性も上がったが、そこに金をかける人はお金持ちか兎乃みたいなホロボロイドバトルと無縁の家だけだろう。
兎乃は3着ほど持っていてそのうち1着は夏凪に誕プレとしてあげていたのだ。
「まっ、私しか着てないのもなんか嫌だしさ」ワンピース姿になった夏凪と短パン半袖とラフな格好になった兎乃はコアの売られているショップに向かった。
「あ、見て新作コアだってさ」ショップの入り口にはポスターが貼られていた。新作の案内と、バトル勝者にプレゼントのふれ。
「ふーん、デビュー戦にはもってこいだ」兎乃は骨を鳴らす。
「やめといたらー、親の任意取らなくて良くなったとはいえなんかあったら連絡入るよ」
ローカルで揉め事が起こった場合、当事者同士でカタをつけれるが大会等で問題が起きた時、学生は保護者が呼ばれるケースが多い。
責任者署名というルールが消えた代わりに保護者記入欄が設けられたのだ。
「ウサちゃんもやりたいよねー?」くるっと一回転するウサちゃん
「なら私が最初に当たって兎乃!あんたを挫く」
エントリーシートに名前を記載した兎乃と夏凪、現時点での参加希望者は23名。新作のコアが景品ともあれば学校終わりすぐでも結構人が来るものだ。
「もしなっつーが優勝したらコア奢ってやろう!」兎乃が啖呵をきる。「なら兎乃が勝ったら私は、んー…何が良いと思う?」
広いショップが人で埋まるほどに集まって来た。ジョブ戦やチーム戦個人戦とそれぞれ得意不得意はあるだろうが大会は任意参加なのだから文句は言えない。
「私個人苦手ー、デューク活かすならジョブ戦だもん」やや弱気の夏凪だがこの中だと下手したら1番強いまである程だ。eスポーツを追っている人なら名前くらいは知っているレベル。
2044年のアジア最強決定戦で53位と国内予選を出て世界までいったのだ。
「みて、サマロス様いるよ」「ほんとだー、デューク様も輝いてる」手を振る人たちに手を振りかえす夏凪。
「まって、私よりやばいのいるじゃん」もっと騒がれている方を向く2人。アプリ内は320位と低いが、大会などリアルコンテンツではアジア7位の王(わん)高(がお)、fpsからホロボロイドバトルまで多岐に渡る大会で名を残す強者。彼の使うホロボロイドはダーシィォンマオと言われる兎乃と同じ動物型である。大柄であり、戦闘スタイルはその大きさを生かした突進。
「ヨロシクだ、ライシュやる大会出るから」日本語は覚束ないが英語やフランス語など多数の言語を喋れる国際派の男だ。
「面白くなってきたぜ、この俺様が輝く時代ってわけだな。あんたらも見とけよ?」兎乃達の後ろから声が聞こえた。壁にもたれ掛かり風船ガムを噛む男。
「「誰だよ」」
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