転生転移を司る女神は転生する

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波乱3

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「1日に2回も大怪我するとは、今年の一年生は大物だな」

「大物はいいけど、キュールに捕まるとか運ないよな」

「生徒会から直々に命令が出たんだとさ」

王宮付属の騎士兵団と、その付き添いの医師。

「わたしは、えっと?これ固定器具?」

「私はキュール・アウバロー、君と君の友達は訳あって我々の、そう。王宮特別魔術研究所に監禁されることになった」

「はなしがみえない」

「んー、君ら二人は勇者の生まれ変わりってことがわかったのさ。だからそれを隠すためにうちで解体、いや解析してって話し」

「そういうこと」

「魔王が生きていたことも知っちゃった訳だし、そう易々と一般の生活は送れないよー」

「アラミシアはかいほうしてあげて」

「いや、君たち二人を守るためよ?」

「やだ、べつにふつうのせいかつくらいほっといてくれたら送れるし」

「言っとくけどこのまま次アイツらと接触して、また勇者の力を振るったら死ぬよ。だから君達がそうじゃないことを証明する」

「わたしとアラミシアが勇者のいきわかれなのはわかった。つまりしらべたら似てたけど違ったとはっぴょうするの?」

「まぁそういうこと、発表の方はしないよ?公文書に混ぜて入れておく」

「あ、そうか。そもそも知ってる人が学校でも少ないから」

「そゆことー、モーヤン家は今回の騒動で魔王に支援していることが判明、魔術史が間違った解釈だったことも露見してねー大変です」

「わたしがこうろうしゃ」

「結果的にはそうなる。しっかしなぁ…召喚の儀はおろか女神の声すら聞いていないのにこんな事態になるなんて」

一頻りの検査が終わり、王宮の客間へ通された二人。

どうやら魔術研究所と王族一同の相違が発生していたようだ。

「なんというか不思議だね、まるで小説みたい」

「うんしょうせつのしゅじんこう」

それはそうだ、転生や転移への説明を省く為に各世界に物語としてマニュアルを布教しているのだから。

「この場合だと、次は王様との謁見とかかな?ははは」

「うーん、れいぎもしらない子供二人を王様に合わせれるとはおもわない。だいじんあたりが応接するはず」

待てど暮らせど特にくる様子はないようだ。

「少し心配になってきたかも」

「そう?悪いようにはされないはず」

すっかり夕陽が見える頃、ようやく扉がノックされた。

「はーい」

メェルアーはもう寝ていたため、アラミシアが扉を開いた。

「遅れてすまないね、色々事情があって」

威厳のある見た目からは想像のつかないほど落ち着いた声。

「み、オルスト帝国のオルスト王様?!え、陛下様?ひゃっ?!」

アラミシアは目の前の状況に混乱する。

「こうなるから変装をしてきたのだが、無意味だったか」

「あ、その友達を起こすのでまっててください!!」

「構わんよ、こちらが待たせてしまったからな」

脳みそが追いつかないアラミシアの不敬行為に外で待機していた大臣らしき男が入ろうとしたが静止されていた。

「ふぁ~アーフェ…まだ寝てたいよ」

ソファでから転げ落ちるメェルアー。
机の角に頭をぶつけて目を覚ました。

「えっと誰、このおじさんは?」

「きさま!不敬にもほどがあるぞ!」

流石に痺れを切らした大臣が怒鳴り込んできた。

「アラミシア、じじょうがわからない」

「メェルアーちゃん…国王陛下と大臣の前だよ、私も敬語とかわからないけど、とにかくかしこまって」

「ん、初めましておーさまとだいじん」

口から魂が抜けたように膝から崩れ落ちる大臣とアラミシア。

「まだ礼儀作法も習わぬ市政の子達に敬語は無理というものよ。無理強いするではない」

「し、しかしですな。そうやって許していれば延々と勘違いをして不敬を働くのが」

「わしが良いと言っているのに、延々と訂正させようとしてくる人間になるのも困りようだが」

「オルスト王、寛大な処置感謝いたします」

アラミシアが片膝を付いて頭を下げる様子に、メェルアーも真似をする。

「かんだいな処置かんしゃ」

「では早速だが本題に入ろう。君たち二人の問題は今や学校問題を飛び出て国際情勢に飛び火している」

「わからないだろうから説明しておくが、各国の諜報部がこの動きを掴み始めている。だからオロー王国ムリアス第二王子は本件に関して、学生なので隠匿処置が好ましいと判断された。しかし、我が国としては勇者2名の顔立をし、荒れている国際情勢を伐魔王へ意識替えしたいと。情報が漏れた可能性のある今、逆手に取り優位に立つために」

「なっがい、アラミシアまとめて」

メェルアーの態度に大臣は血管が切れそうな思いをしながら耐える。

「私たちが力を隠さなければ世界の国々が手を取り合って、共に魔王を倒す為に動くということ。ですよね、大臣様」

「あぁそうだ、わかりが早くて助かる。オロー王国としては帝国と協和したくないから隠匿を選んだんだろう。まったく相談もなしに動こうだなんて。あの息子共は全員って?!うわぁ」

メェルアーが大臣の顔へ拳を振るった。
寸止めであったが、大臣は流石に腰を抜かした。

「お、おい礼儀云々以前に、暴力は」

王様が落ち着かんか、と静止をかける。

「わたしのともだちをわるくいうな。それから国立のがっこう、そのとっぷに文句を言うなら、そのけいえいけんをにんかした王様への悪口も同意、ふけいはお前だ」

「くっ、それは」

「大臣への不敬と、大臣の不敬を持って今の件は不問で良いな?」

「仕方ありませんね」

「私は…はい」

アラミシアに涙目で首を振られては呑むしかない。

「それで今回の件だが、わしとしては君ら一国民の意見を尊重したいと考えておる」

「勇者の力については使い方も知りませんし、正直闘えって言われても怖くてできません…」

「わたしは勇者の生まれ変わりとして使ってもいい、だけどアラミシアやその他、まわりはまきこまないで」

「し、しかしそれでは」

「わかった約束しよう。それで良いな、ムリアス第二王子」

「えぇ、生徒会としてもかなり良い提案をもらいましたので」

いつの間にかいたムリアス第二王子に大臣は項垂れるしか無かった。
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