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へっぽこ自称騎士団

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「せっかくの休みなのに面倒くさい・・・」

ローゼは呟いた。

この前、おじいちゃん一行の修練を見学する約束をさせられてしまったため、せっかくの今回のお休みは返上になってしまった。

隣には、バジリスクの串の差し入れが入ったカバンを持つカインがいる。なかなか気遣いのできる男である。

ローゼたちは、おじいちゃん一行の集会所に向かって歩いていた。この前の話だと店から5分くらいの所にあるっぽい。

「おじいちゃんの話だと、ここのような気がするんだけど・・」

目の前の建物を見る。街の教会のちょうど裏側あたりにある建物は修繕が必要そうな中々の年代物で、入り口のドアの横にかかった金属札は、長年風雨にさらされたのか、削れてしまって何が書いてあるかわからない。何かの模様が薄っすら見えるのみだ。

「こんにちはー。焼き鳥屋のローゼです」

ドア越しにローゼが言うと、しばらくして中から、勝手に入ってくれと返事があった。

じゃ遠慮なしにと、ドアを開けると強い酒の匂いと共にもくもくした煙が噴き出してきた!

「~~火事ー!!」

ローゼは叫んだ。

※※※※※※※※※※


「改めて、俺はラインハルトだ」

黒髪で背の高い青年がムスッとした顔で言った。おじいちゃんがいない時のまとめ役らしい。ちなみにおじいちゃんはまだ来ていないそうだ。

部屋を見回すと10人くらいの青年が、お酒を飲みながらカードゲームをしたり、お茶を飲んだり、ボーッとしてたりと好きなことをしている。

ちなみにローゼが火事と間違えたモクモクは、タバコだった。この世界ではツィガレと呼ばれてることをカインが教えてくれた。

部屋の中がツィガレと酒臭で死ぬほど臭くて目に染みる。とてもじゃないけど騎士とかには見えない。ただの不良集団だ。

「修練を見学しに来ました」

カインが顔色も変えずバジリスクの串をカバンからだすと、カードゲームをやっていた青年たちがいっせいにこちらに視線を向けた。

「あの美味すぎる串か!!」

みな目をギラつかせ串に群がり我先にと手を伸ばし食べ始める。

この串はこの世の宝だ!などと口々に言いながらあっという間に串はなくなった。

食べ終わると、さっさとまたカードゲームなど好きなことをし出した。ていうか、修練はどうした。

そうこうしているうちにおじいちゃんがやってきて大きな声で言う。

「こりゃ!せっかくローゼちゃんが来てくれたのに何をしとる!整列じゃ!」

いやいやおじいちゃん。この集団、言う事なんか聞かないでしょ、と思っていたら、意外にもおじいちゃんの号令どおり部屋にいる青年たちが面倒くさそうに整列した。

そしておじいちゃんがびっくりするようなことを言った。

「みんな今から修練じゃ!準備するんじゃ。森に行くぞい!」


え、このメンバーで?大丈夫なの?と思っている間に森に出発することになった。
 


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みんなの感想(1件)

KATANA1999
2020.08.22 KATANA1999

騎士団の続きが気になります。
早く続きが見たいです。

アホアホセブン
2020.08.22 アホアホセブン

ありがとうございます^ ^
仕事やらでヘロヘロしてますが頑張ります。

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