1 / 1
瘤結び
しおりを挟む
輪っかを作って、スルッと抜けちゃって。
「輪っかづくりって難しいね。」
「まぁ、いつか結べるよ。」
僕らは毎日毎日、輪っかを作っていた。
「結べそうな気がするのにね。」
僕らは一緒に寝そべりながら言った。
ある夏の雨がしとしとと降る日だった。
彼女はドタバタと来て、鼻息が荒かった。
「あのね!輪っかが結べたの!」
僕はそれを聞いたとき飛び跳ねて喜んだ。
その夜はゆっくり寝れた。
その日僕は夢を見た。
結んだ輪っかを大切そうに守る二人の姿だ。
それが僕らだったのか、他の誰かのだったかは見えながったがそれは幽霊みたいに透けていた。それが少し不気味で怖かった。
その二人の透明度は少しづつ下がっていった。
消えそうになったとき僕は起きた。
彼女も同じ夢を見たらしく不思議だなと思った。
それは暑い日の面影がなくなったころ。
彼女は無機質な部屋にいた。
そこにいる彼女の姿は少しつらそうで、だいぶワクワクしていた。
僕もワクワクしていた。あの部屋のみんなはワクワクしていた。
だいぶ僕は慢心していた。
頭のいい人は言った。
「輪っかが流れました。」
その言葉は、僕らを殺した。
彼女は、泣きわめいていた。
僕は心を張り詰めて逃げていた。その悲しみに僕の心を埋められないように。
でも、そのことは確実に残った。
心は少しづつ隙間をなくした。
僕らは二人で泣いた。
僕らは二人で寝そべった。
二人で手を繋いで、前へ歩いた。
「輪っかづくりって難しいね。」
「まぁ、いつか結べるよ。」
僕らは毎日毎日、輪っかを作っていた。
「結べそうな気がするのにね。」
僕らは一緒に寝そべりながら言った。
ある夏の雨がしとしとと降る日だった。
彼女はドタバタと来て、鼻息が荒かった。
「あのね!輪っかが結べたの!」
僕はそれを聞いたとき飛び跳ねて喜んだ。
その夜はゆっくり寝れた。
その日僕は夢を見た。
結んだ輪っかを大切そうに守る二人の姿だ。
それが僕らだったのか、他の誰かのだったかは見えながったがそれは幽霊みたいに透けていた。それが少し不気味で怖かった。
その二人の透明度は少しづつ下がっていった。
消えそうになったとき僕は起きた。
彼女も同じ夢を見たらしく不思議だなと思った。
それは暑い日の面影がなくなったころ。
彼女は無機質な部屋にいた。
そこにいる彼女の姿は少しつらそうで、だいぶワクワクしていた。
僕もワクワクしていた。あの部屋のみんなはワクワクしていた。
だいぶ僕は慢心していた。
頭のいい人は言った。
「輪っかが流れました。」
その言葉は、僕らを殺した。
彼女は、泣きわめいていた。
僕は心を張り詰めて逃げていた。その悲しみに僕の心を埋められないように。
でも、そのことは確実に残った。
心は少しづつ隙間をなくした。
僕らは二人で泣いた。
僕らは二人で寝そべった。
二人で手を繋いで、前へ歩いた。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【完結】探さないでください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
私は、貴方と共にした一夜を後悔した事はない。
貴方は私に尊いこの子を与えてくれた。
あの一夜を境に、私の環境は正反対に変わってしまった。
冷たく厳しい人々の中から、温かく優しい人々の中へ私は飛び込んだ。
複雑で高級な物に囲まれる暮らしから、質素で簡素な物に囲まれる暮らしへ移ろいだ。
無関心で疎遠な沢山の親族を捨てて、誰よりも私を必要としてくれる尊いこの子だけを選んだ。
風の噂で貴方が私を探しているという話を聞く。
だけど、誰も私が貴方が探している人物とは思わないはず。
今、私は幸せを感じている。
貴方が側にいなくても、私はこの子と生きていける。
だから、、、
もう、、、
私を、、、
探さないでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる