【完結】泥中の蓮

side story -レイとルーク-

レイの恋煩い⑤※

レイの脇に手を入れて、身体を持ち上げ寝台へ仰向けにした。レイはまだ少し喉が絡んでいるようだったが、俺がすることに文句も抵抗もしなかった。苦しかったことでレイの股の間はすっかり萎えていた。

俺はレイの柔らかい唇にキスをした。頬に、こめかみに、額に、顎に、レイがくすぐったいと言うまで雨を降らせた。

顔を離してレイの瞳を見つめた。綺麗なサファイア色は吸い込まれそうなほど美しかった。いつか舐めさせてもらおうと不穏なことを思いながら、もう一度深く口付けた。

口内は青臭く苦味があるが、舌を絡ませながら口内を暴れているうちに気にならなくなる。


「ん……ぅ、ぁん……ふっ……ぅ」


唾液を含んだようなクチュクチュとした音が口内から響く。レイの官能を引き出すため、レイの口の中で弱い上顎を重点的に責めた。


「んっんっ……ん……ぅん」
「……ん、凄い気持ちよさそうだけど、大丈夫か？」
「はっ、はぁ……ん……へー、き……ね、もっと……」


レイの手が俺の首へ絡みつく。レイの可愛らしいオネダリの言うことを聞きながら、レイの肢体をゆっくりなぞり、服のボタンを開けていく。そしてそのまま手は下へ向かっていく。また立ち上がりかけている陰茎をかする。レイの声が漏れるが、そこはそれ以上触らず、もっと後ろの後孔を人差し指でトントンとした。


「ん！んっ！」


途端にレイは何かを思い出したかのように暴れだした。さっきまで紅潮していた頬は一瞬で青白くなっていた。


「……怖いか？」
「…………へ、ーき。大丈夫……」


俺の服をカタカタと震える手で掴んでいる。

俺があの時あの馬車に乗せなければあんなことには。と悔やむが、今は目の前の恋人の恐怖を癒すことが先決だった。


「ん。痛くなんかさせないから。信じて」
「……うん」


俺は枕をレイの腰の下に2つ入れた。レイはかなり腰が上がったことに驚き、俺が近づこうとしている場所に気づいて顔から蒸気が吹き出していた。

俺は舌を出して後孔をゆっくりねぶった。多少レイの足が暴れたが、俺が内股にキスをしたら止まった。後孔に口を戻してゆっくりと襞の皺をふやかす様に一つ一つ舐める。


「あっあっ、ん……ぅ…ぁ……」


舌を中に入れて、ジュルジュルと吸うと、反応が強くなった。


「あっ！ああ！」


舌で後孔の中をねぶり続ける。

十分に解れてきた所で口を離して今度は人差し指を入れた。ゆっくりと挿入すると、レイは少しだけ怖がっているようだった。


「……ふっ、ぅ……ん！んぅ！」
「ああ、偉いぞ。ゆっくり息を吸って吐け」
「ふぅ、は……ぁ、あん！」


中指を追加して、前立腺がある所に触れた。一際高い嬌声が上がる。レイは必死にシーツを掴んで、艶めかしい肢体を小さくくねらせる。

良い反応をされ、思わずそのまま突っ込みたい衝動に駆られるが何とか押さえ込んだ。


「あっ、ぁん！んっ……あ！」
「あー…かわい。めっちゃチンコ痛ぇわ」


指2本に慣れてきた所で薬指も追加して入れる。レイの後孔は俺の眼前でいやらしくヒクヒクと蠢いていた。レイの陰茎も力を取り戻していたが、俺はそれを無視することにした。

簡単ではないがここまで出来上がってるなら中だけでもイける気がした。まぁ難しかったら少し触ってやればいいしと思って、レイの中を指で嬲り続けた。


「……っるーく、っぁ！あっ」
「はー……っやべぇな」
「んっ、ぁう、あっあっ、ああ！」


綺麗で可愛いレイ。いつもなら魔法を使って駆けずり回り、性欲なんか微塵も感じさせないあのレイが。今俺の目の前で身体を捩り、腰をガクガクと震えさせながら喘いでいる。その事実だけで俺がイきそうになる。

俺は指を引き抜いた。穴は閉じきらず、いやらしくヒクヒクと蠢いていた。香油をサイドボードから取り出して、レイの後孔と自分の陰茎にたっぷりつけた。香油によって更にテラテラと淫靡な穴に無理矢理奥まで突っ込みたくなるのを我慢した。


「あっ……ん、るーくぅ…」 
「レイ、自分の足抱えて。膝の後ろに手を入れるんだ」
「んっ……」


枕を1つ抜いて、レイに自ら足を広げさせる。レイは膝を抱えて丸くなった。濡れてヒクつく穴も、先走りを垂らす小ぶりな陰茎も全て見えている。

イヤらしい姿勢を自分でとっているのが分かるのか、恥ずかしそうに顔を真っ赤にして目を逸らされる。理性を総動員させ自分の一物を後孔にあてがった。


「挿れるよ。ゆっくり呼吸して」
「ん、ふぅ……はぁ、あっ、あああ……っ」
「そうそう。大丈夫、ゆっくり挿れるから」


ゆっくりと中を拡張させていく様に少しずつ奥に進める。レイの顔が歪みそうなら止めて、落ち着いたらまた進めてを繰り返した。レイの奥に届くところで動きを止めた。


「……っはー､レイ。入った。大丈夫？」
「んっ、ん！ルーク、ぁっ……！やだ、なんか……きそう……！」
「ん？ああ、ゆっくりやったから気持ちよくなっちゃった？」
「んぅ……るーく、助けて……」


レイの目に水溜まりが出来ていた。俺は頬にキスをした後、唇をもう一度貪った。レイの中が俺を痛いくらいに締め付けていたが、口内の気持ちいい所を舌で舐ると、下の口の締め付けが少し緩まりふわふわになり始めた。


「そのままちゃんと足抱えてて、動くぞ」
「あ……ぁ、あ……あっ、あっ、あん！」
「あー……やっば。すげ……」
「あっ、あっ、あぁ、……っん！ぁっ」


ゆっくり揺さぶるように抽挿を始める。少しずつストロークを大きくすると、レイの前立腺を当てているのか声がまた高くなり始めた。レイの陰茎はプルプル律動に合わせて震えていたが、俺はそこには触れなかった。


「中だけで気持ちよくなれそうだな。ほら」
「あ！あん！あっ、っ……！あ、だめ！きちゃう！ぁ、やだ！」
「ん、ヤダじゃないな。イクだ。気持ちいいんだろ？」
「あっ、あ！きもちい！ルークの、るーくのきもちいい！あっ、あ！くる、イク、イっちゃ……！～～～～っ！！！」


レイの中がビクビクと痙攣する。俺はその気持ちよさに耐えて、レイの顔中にキスを降らせた。レイは身体をガクガクさせて余韻に浸っている。


「レイ、手離せ。……ちょっと頑張ろうな」
「ん……っ！あ！」


レイの手を膝から離し、ずるりと俺自身を引き抜抜いた。今度はうつ伏せに寝かせる。そして真っ直ぐうつ伏せに寝たレイに枕を持たせ、俺はレイの臀部の辺りに体重をかけ過ぎないように座った。


「んぁ……なに……？」
「辛くても頑張れるな？」
「へ……？」


レイの後孔が見えるように、肌触りの良い双丘を両手で広げた。見えてくる濡れて淫靡な後孔に目掛けて凶器を奥まで一気に挿した。


「あ゛！！！」
「レイ、もう他のやつの、チンポなんか、挿れんなよ。俺だけだ、俺だけがお前を、気持ちよくさせられる」
「あ゛っ、あ゛！ん゛っ、ぉ！」


さっきとは打って変わって遠慮ない抽挿に、レイはだらしなく喘ぎ声をあげることしか出来ない。激しい動きに合わせてレイの中はキュンキュンしていた。


「あー……レイ、気持ちいい？」
「ん゛っ、ぎもちい゛！あ゛」
「可愛い、レイ。……っは、やば。イきそう」
「あ゛っ、あ゛！い、イク！あ゛っ！い゛っちゃう、うう゛！」
「ふっ、良いとこ、カリで押されてっ、んもんなぁ！」


ばちゅんばちゅんとはしたない音が部屋の中を響かせ、ストロークの速度を上げた。レイの足はつま先までピンと伸びてビクビクしていた。レイの良いところをゴリュッと当てる。


「～～～～～っあ゛！！！」
「……っ、う」


レイは前立腺の刺激とシーツに擦れた陰茎への刺激で達する。それと同時に中の締め付けが強くなった事で、俺はレイの中で爆ぜた。


「はぁ、はぁ……ぅ……う…」
「っはー……レイ？」


激しい動きで乱れた髪をかきあげながらレイを見ると、枕に顔を埋めながらまだビクビクと身体が震えていた。快感が続いているらしいが、俺はゆっくりレイの中から引き抜いて優しく仰向けに戻した。


「んっ、は、ぁ……るー、く。ルーク」
「レイ……」


とろんとした顔が俺の股間をもう一度刺激してくるが、これ以上は多分慣れていないし痛がる可能性がある。優しく口付けを何度かしているうちにレイはゆっくりと瞼を閉じていった。静かに吐息が聞こえてくる中、俺はニヤつく自分の顔が止められなかった。


「あー、やば。最高。次は何させっかな」


どんなお願いも聞いてくれる美しい蝶のような恋人。俺は満足気に笑いながら目が覚めたらやらせる事に思いを巡らした。









次回は3章です。ほのぼのを目指します。お付き合い頂ければ幸いです。