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13 終
出産は本当に大変でした。
ユエルさんやエマ、他のオークの女性陣に何やら色々叫ぶように言われたけど全くもってなんにも思い出せません。
励ましたりアドバイスしたりしてくれていたようだが、1ミリも覚えてません。
ただただ痛みが襲いかかり、死ぬんじゃないかと思うほど体力をごっそり持っていかれたのです。
けど、記憶があるのは産声を聞いたあたりからです。元気に泣く声が、聞こえてきて、エマもユエルさんもみんな、一斉におめでとう、とか頑張ったわね、とか色々言ってくれました。
ユエルさんが抱えた赤ちゃんを優しく拭って、僕の胸の前に置いて抱かせてくれます。
「……この、子が…僕の子ですか……?」
皆さんより少し薄い緑だけど、間違いなくオークの子です。
何もかもちっちゃくて、必死に泣いています。
「ええ、ええ!そうよ! ミシュメール、頑張ったわね!」
「……可愛い……、とっても可愛い……」
疲れていて、今にも意識を失いそうなのに、それでもなんとか抱えて、我が子を見ていると泣きたくなるほど胸が苦しくなりました。
「ほら、旦那にも抱かせてあげなさい」
外に追い出されていたゼタさんがようやく中に入ることをユエルさんに許されたようです。
『邪魔だよ!ゼタ!!』とユエルさんと他の女性陣に怒られているのが遠くの方で聞こえてはいたのですが、あいにく僕は構ってもいられないほど苦しかったので、ゼタさんがハラハラした顔のまま追い出されていたのを横目に見たのです。
そして、そのゼタさんはバタン!とドアを慌ただしく開けて、僕のところに一目散にやってきます。
「ミシュメール! 大丈夫か?! 子供は!?」
「……ゼタさん」
僕はなんとか疲れている顔をへにょりと笑顔にします。僕の腕で泣いている子を見て、ゼタさんはほんの少し震える手で赤ちゃんの頬に触れました。
「凄く可愛い…!ミシュメール、ありがとう……!」
「まぁー」
「はーい、よいしょ」
まだ舌っ足らずな我が子が抱っこをせがむようにまだ短い腕を伸ばします。僕は作業していた手を止めて子供を優先しました。
「ミシュメール、交代よ。少しだけ休んできなさい」
後ろからユエルさんが声をかけてくれます。
「はい、ありがとうございます。ルッタ、ママお昼寝してくるけど、ルッタもする?ここで遊ぶ?」
「ぶー!」
「ありゃ。フラれちゃいました…」
元気よく返事をする我が子に僕が少ししょんぼりしてしまいます。
ルッタはまだ産まれたばかりですが、少しずつお話してくれるようになりました。子供の成長は早いって言いますが、本当のようで、僕は毎日驚くことばかりです。
「ふふふ、みんなと遊びたいわよねぇ? 寂しくなって泣いちゃったらルッタを連れてくから、安心して休んできなさい」
「ありがとうございます」
ルッタを下ろすと四つん這いで他の子供たちのところにトコトコ歩いていってしまいました。
一回も振り返ってくれません……
「ゼタもあんな感じだったって聞いたわ。ゼタの両親はかなり寂しそうにしてたって話よ」
「そうなんですか……家だと甘えてくれるんですけど、ここに来るとみんなと遊ぶ方が楽しいのを覚えたようです……はぁ」
「ふふ、良いじゃない!ミシュメールはしっかり休みなさい! じゃないと夜が辛いわよ」
「うう……お言葉に甘えます」
そう言って、僕は我が子であるルッタを置いてお家にとぼとぼと帰りました。
オークにとって子供はなによりも優先すべきことです。 それこそ村一丸となって育てなくてはならないと決めているそうで、日中は持ち回りでこうして家事や育児を分担しています。食事も育児も分担すればかなり楽が出来て、正直母から聞いていた育児のつらさが今のところびっくりするほど感じないのです。
このシステム、人間の村では難しいかも知れません。差別やら育児のルールやら色んな問題がありますしね。
三食昼寝付きなのは身体がとっても楽なのですが、如何せん、僕が子離れ出来なそうで困っています。
とはいえ、まだ夜泣きをする我が子に体力を吸われすぎないように、僕のすべきことは少しでも休むことです。昼寝をする癖もしっかりついてしまったので、僕は小さく欠伸をしながらお家のベッドにダイブしました。
「ふぅ……」
徐々に重くなる瞼に、僕は抗わず眠りの世界に入っていったのです。
「ぱーぁ、まー、ねっね」
「シー。ママはおねんね中だ。ルッタはまんま食べような」
カタカタと物音と優しい気配を感じてゆっくりと浮上していきます。目を開けると寝室の中は真っ暗でした。真っ暗…真っ暗!
「ルッタのお迎え!」
「起きたか、ルッタなら居るから安心しろ」
ガバッと勢いよく起き上がると、夫であるゼタさんがいました。ゼタさんはルッタを抱えながら寝室の扉を開けて言います。ルッタの無邪気なキャッキャッという笑顔を見て僕は大きく溜息をつきました。
「よ、良かった……ありがとうございます……」
「いや。疲れてるならもう少し寝てても」
その優しい言葉に僕は被りを振ります。
「いえ、夜寝れなくなっちゃうのも良くないので。ゼタさん、ルッタおかえりなさい」
へにゃ、と笑うとルッタを抱えたままベッドの方に屈んで、上半身を起こしたままの僕の額にキスをしてくれます。嬉しくて僕もゼタさんの頬にキスをして、ルッタにも額にキスをしました。
ベッドから降りて、伸びーっとした後、カーディガンを羽織るとルッタが降りたがったようでゼタさんは代わりに僕を抱っこしました。
「もしかして、ご飯も準備してくれました……?」
「ああ、まだ食べてはないから一緒に食べよう」
「はい、ありがとうございます…っん…」
抱っこされたまま口付けをするのですが、ルッタもまだ起きているので深くはしません。口付けを離すと、ゼタさんはちょっとだけ不満げにしてるので僕はつい笑ってしまいました。どうにかなっちゃいそうなほど幸せで、素敵な時間です。
「あ、そうだ。エマはどうでした?」
「エマはここに来てから腕を上げたようでな……進展はないな」
「そ、そうですか……うーん……」
エマはオークの青年につい先日、告白をされたのです。あんなに結婚しなきゃと焦っていたはずのエマは、彼に条件をつけたそうで、青年はその条件を呑んで毎日エマに試合を申し込んでいるみたいです。
条件は一つ。エマより強いことです。弱い男とは結婚したくない、とはエマの口癖です。エマの【カッコイイ】は【強い】と同等なのです。
「でもまぁ、エマも満更でもなさそうだがな。嫌なら嫌だとはっきり言うタイプだろう」
確かに。と頷くと僕を椅子に座らせてくれます。さすがにルッタが居るので抱っこのまま食事する訳には行きません。ゼタさんは構わないと思ってるようですが、そこは親の威厳を保たなくては。
ルッタもよじよじと子供用の椅子に座ろうと登り、自分で座ることが出来ます。オークの身体能力は高く、どうやら2、3年で子供時代が終わってしまうと聞いたので僕はたくさん堪能したいのですが…ゼタさんは、多少自分のことは自分でやらせた方が良いと言うのです。こういう一つ一つが、後々の狩りに影響するみたいで、子供なりに身体を鍛えているようなのです。
僕はすっごく寂しいので、ルッタが甘えてきた時は全力で甘えさせようと心に決めました。
「ルッタ偉いねぇ。まんま食べようか」
「まっま! うー!」
にこにこと嬉しそうに笑って、んぐんぐと食べさせたご飯を一生懸命食べる姿がとっても可愛いです。ルッタが食べる合間合間に、僕も食事をします。ゼタさんは1人が長かったのか、料理がとっても上手です。
「パパのご飯美味しいねぇ。ルッタ」
「あいー!」
ゼタさんが嬉しそうに微笑んでいるのが、本当に幸せでなりません。僕とルッタは感謝の気持ちとして一緒にごちそうさまを言うのでした。
□■□
「ルッタ寝ました? 寝かしつけまで、ありがとうございます」
「いや。興奮してるようだったから不安だったが、すぐに眠ってくれた」
今日は手強くなかったな、と笑うゼタさんに僕も微笑みます。
「あ、呑みますか? おつまみでも出します?」
「……今日は呑まない」
いつもは寝酒に一杯するゼタさんが、珍しく呑まないと言います。首を傾げて不思議そうにゼタさんを見ると、ヒョイっと軽く持ち上げられました。逞しいオークの腕で縦抱きにされ、ゼタさんの顔がすぐ近くになります。
「ゼタさ……?んっ…ん、んん……」
さっきしたキスよりも深い口付けで、ゼタさんの舌が入り込んできます。僕の弱い所を擦られ、ピク、と身体が反応するとゼタさんも嬉しそうに口の中を弱く吸い上げてきました。
「……ぁ…、ルッタが」
「起きたら……止める、つもりだ」
怪しく言い淀んだ様子ですが、止める間もなくゼタさんの大きな手がするりと僕の服の中に入ってきました。
「っ、ぁ、ん……っ!」
ルッタに吸われて少し大きくなった乳首を摘まれます。ルッタが産まれてから乳首が異様に感じるようになったことを分かっているので、痛くならないようにゼタさんは優しく摘んで来るのです。
一度身体が火照ると、ゼタさんが欲しいと感じるようになってしまいます。
どうしてなのか、コソっとユエルさんに聞いたら「人間にはオークの精液は媚薬みたいなものだって知ってるでしょ? ……癖になっちゃう人間、たまにいるらしいのよ」と言われ、僕はもうゼタさんから離れられないんだと思い知らされました。
「る、るったに聞こえ…っやん!」
「シーっ…、良い子だから我慢できるな……?」
「っ、ズル、ぁっ、や、ん、んん……っ」
意地悪です。やっぱりゼタさんは意地悪です。乳首を程よい力加減で捏ねられたら身体が跳ねてしまうのです。くりくりと親指で擦られ、ビクビクと反応を示すと椅子に座ったゼタさんの膝に向き合う形で座りました。ゼタさんは楽しそうに僕を見ているので、何だか僕も嬉しくてゼタさんの顔を両手で挟み、自分からキスをします。
「ん……ゼタさん、好きです…」
「ああ。俺もだ。ミシュメール……愛してる」
そんな意地悪で優しいオークのゼタさんの番になれて、僕はこれからもずっと幸せに暮らすのです。
-------------
ミシュメール
とにかく可愛い名前を付けたい!そんな可愛い名前を強面のオークに呼んでもらいたい!と言うことでミシュメールという名前に。
彼はこれから子沢山になる予定。だって何人も産むって約束したし。ちなみに両親にオークの子供を産んだことを伝えたら二人ともぶっ倒れた。
エマ
気の強いお姉さん的役割。ミシュメールが振り撒いた愛嬌でストーカー化した奴らを撃退することが多々あった。ゼタのおかげで遂にその役割から脱出。自分の恋愛に目を向けることが出来ることになった。オークの青年とは上手くいくけど結婚はまだまだ先の事だったりする。
ゼリカ
獣人の国で生涯独身を貫く。監視の下だが教会でシスターとして働き、孤児の獣人達を育てていく。ミシュメールとエマから時折届く便りに涙を流す姿を見て、獣人達から女神様みたいと言われたりする。
ゼタ
カッコイイオークって、オークっぽくないな?なんて思いながらもやっぱりイケメンにしたかった。ミシュメールが乱れる姿を見て大興奮し、番にしようと決めた。ヤリ過ぎでミシュメールがベッドから出れない日は甲斐甲斐しいほど世話をして幸せに浸る。
ルッタ
父の戦う姿を見てめちゃくちゃ憧れる。母が凄く可愛いので自分も可愛い人間と番になりたいと言うようになる。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
ユエルさんやエマ、他のオークの女性陣に何やら色々叫ぶように言われたけど全くもってなんにも思い出せません。
励ましたりアドバイスしたりしてくれていたようだが、1ミリも覚えてません。
ただただ痛みが襲いかかり、死ぬんじゃないかと思うほど体力をごっそり持っていかれたのです。
けど、記憶があるのは産声を聞いたあたりからです。元気に泣く声が、聞こえてきて、エマもユエルさんもみんな、一斉におめでとう、とか頑張ったわね、とか色々言ってくれました。
ユエルさんが抱えた赤ちゃんを優しく拭って、僕の胸の前に置いて抱かせてくれます。
「……この、子が…僕の子ですか……?」
皆さんより少し薄い緑だけど、間違いなくオークの子です。
何もかもちっちゃくて、必死に泣いています。
「ええ、ええ!そうよ! ミシュメール、頑張ったわね!」
「……可愛い……、とっても可愛い……」
疲れていて、今にも意識を失いそうなのに、それでもなんとか抱えて、我が子を見ていると泣きたくなるほど胸が苦しくなりました。
「ほら、旦那にも抱かせてあげなさい」
外に追い出されていたゼタさんがようやく中に入ることをユエルさんに許されたようです。
『邪魔だよ!ゼタ!!』とユエルさんと他の女性陣に怒られているのが遠くの方で聞こえてはいたのですが、あいにく僕は構ってもいられないほど苦しかったので、ゼタさんがハラハラした顔のまま追い出されていたのを横目に見たのです。
そして、そのゼタさんはバタン!とドアを慌ただしく開けて、僕のところに一目散にやってきます。
「ミシュメール! 大丈夫か?! 子供は!?」
「……ゼタさん」
僕はなんとか疲れている顔をへにょりと笑顔にします。僕の腕で泣いている子を見て、ゼタさんはほんの少し震える手で赤ちゃんの頬に触れました。
「凄く可愛い…!ミシュメール、ありがとう……!」
「まぁー」
「はーい、よいしょ」
まだ舌っ足らずな我が子が抱っこをせがむようにまだ短い腕を伸ばします。僕は作業していた手を止めて子供を優先しました。
「ミシュメール、交代よ。少しだけ休んできなさい」
後ろからユエルさんが声をかけてくれます。
「はい、ありがとうございます。ルッタ、ママお昼寝してくるけど、ルッタもする?ここで遊ぶ?」
「ぶー!」
「ありゃ。フラれちゃいました…」
元気よく返事をする我が子に僕が少ししょんぼりしてしまいます。
ルッタはまだ産まれたばかりですが、少しずつお話してくれるようになりました。子供の成長は早いって言いますが、本当のようで、僕は毎日驚くことばかりです。
「ふふふ、みんなと遊びたいわよねぇ? 寂しくなって泣いちゃったらルッタを連れてくから、安心して休んできなさい」
「ありがとうございます」
ルッタを下ろすと四つん這いで他の子供たちのところにトコトコ歩いていってしまいました。
一回も振り返ってくれません……
「ゼタもあんな感じだったって聞いたわ。ゼタの両親はかなり寂しそうにしてたって話よ」
「そうなんですか……家だと甘えてくれるんですけど、ここに来るとみんなと遊ぶ方が楽しいのを覚えたようです……はぁ」
「ふふ、良いじゃない!ミシュメールはしっかり休みなさい! じゃないと夜が辛いわよ」
「うう……お言葉に甘えます」
そう言って、僕は我が子であるルッタを置いてお家にとぼとぼと帰りました。
オークにとって子供はなによりも優先すべきことです。 それこそ村一丸となって育てなくてはならないと決めているそうで、日中は持ち回りでこうして家事や育児を分担しています。食事も育児も分担すればかなり楽が出来て、正直母から聞いていた育児のつらさが今のところびっくりするほど感じないのです。
このシステム、人間の村では難しいかも知れません。差別やら育児のルールやら色んな問題がありますしね。
三食昼寝付きなのは身体がとっても楽なのですが、如何せん、僕が子離れ出来なそうで困っています。
とはいえ、まだ夜泣きをする我が子に体力を吸われすぎないように、僕のすべきことは少しでも休むことです。昼寝をする癖もしっかりついてしまったので、僕は小さく欠伸をしながらお家のベッドにダイブしました。
「ふぅ……」
徐々に重くなる瞼に、僕は抗わず眠りの世界に入っていったのです。
「ぱーぁ、まー、ねっね」
「シー。ママはおねんね中だ。ルッタはまんま食べような」
カタカタと物音と優しい気配を感じてゆっくりと浮上していきます。目を開けると寝室の中は真っ暗でした。真っ暗…真っ暗!
「ルッタのお迎え!」
「起きたか、ルッタなら居るから安心しろ」
ガバッと勢いよく起き上がると、夫であるゼタさんがいました。ゼタさんはルッタを抱えながら寝室の扉を開けて言います。ルッタの無邪気なキャッキャッという笑顔を見て僕は大きく溜息をつきました。
「よ、良かった……ありがとうございます……」
「いや。疲れてるならもう少し寝てても」
その優しい言葉に僕は被りを振ります。
「いえ、夜寝れなくなっちゃうのも良くないので。ゼタさん、ルッタおかえりなさい」
へにゃ、と笑うとルッタを抱えたままベッドの方に屈んで、上半身を起こしたままの僕の額にキスをしてくれます。嬉しくて僕もゼタさんの頬にキスをして、ルッタにも額にキスをしました。
ベッドから降りて、伸びーっとした後、カーディガンを羽織るとルッタが降りたがったようでゼタさんは代わりに僕を抱っこしました。
「もしかして、ご飯も準備してくれました……?」
「ああ、まだ食べてはないから一緒に食べよう」
「はい、ありがとうございます…っん…」
抱っこされたまま口付けをするのですが、ルッタもまだ起きているので深くはしません。口付けを離すと、ゼタさんはちょっとだけ不満げにしてるので僕はつい笑ってしまいました。どうにかなっちゃいそうなほど幸せで、素敵な時間です。
「あ、そうだ。エマはどうでした?」
「エマはここに来てから腕を上げたようでな……進展はないな」
「そ、そうですか……うーん……」
エマはオークの青年につい先日、告白をされたのです。あんなに結婚しなきゃと焦っていたはずのエマは、彼に条件をつけたそうで、青年はその条件を呑んで毎日エマに試合を申し込んでいるみたいです。
条件は一つ。エマより強いことです。弱い男とは結婚したくない、とはエマの口癖です。エマの【カッコイイ】は【強い】と同等なのです。
「でもまぁ、エマも満更でもなさそうだがな。嫌なら嫌だとはっきり言うタイプだろう」
確かに。と頷くと僕を椅子に座らせてくれます。さすがにルッタが居るので抱っこのまま食事する訳には行きません。ゼタさんは構わないと思ってるようですが、そこは親の威厳を保たなくては。
ルッタもよじよじと子供用の椅子に座ろうと登り、自分で座ることが出来ます。オークの身体能力は高く、どうやら2、3年で子供時代が終わってしまうと聞いたので僕はたくさん堪能したいのですが…ゼタさんは、多少自分のことは自分でやらせた方が良いと言うのです。こういう一つ一つが、後々の狩りに影響するみたいで、子供なりに身体を鍛えているようなのです。
僕はすっごく寂しいので、ルッタが甘えてきた時は全力で甘えさせようと心に決めました。
「ルッタ偉いねぇ。まんま食べようか」
「まっま! うー!」
にこにこと嬉しそうに笑って、んぐんぐと食べさせたご飯を一生懸命食べる姿がとっても可愛いです。ルッタが食べる合間合間に、僕も食事をします。ゼタさんは1人が長かったのか、料理がとっても上手です。
「パパのご飯美味しいねぇ。ルッタ」
「あいー!」
ゼタさんが嬉しそうに微笑んでいるのが、本当に幸せでなりません。僕とルッタは感謝の気持ちとして一緒にごちそうさまを言うのでした。
□■□
「ルッタ寝ました? 寝かしつけまで、ありがとうございます」
「いや。興奮してるようだったから不安だったが、すぐに眠ってくれた」
今日は手強くなかったな、と笑うゼタさんに僕も微笑みます。
「あ、呑みますか? おつまみでも出します?」
「……今日は呑まない」
いつもは寝酒に一杯するゼタさんが、珍しく呑まないと言います。首を傾げて不思議そうにゼタさんを見ると、ヒョイっと軽く持ち上げられました。逞しいオークの腕で縦抱きにされ、ゼタさんの顔がすぐ近くになります。
「ゼタさ……?んっ…ん、んん……」
さっきしたキスよりも深い口付けで、ゼタさんの舌が入り込んできます。僕の弱い所を擦られ、ピク、と身体が反応するとゼタさんも嬉しそうに口の中を弱く吸い上げてきました。
「……ぁ…、ルッタが」
「起きたら……止める、つもりだ」
怪しく言い淀んだ様子ですが、止める間もなくゼタさんの大きな手がするりと僕の服の中に入ってきました。
「っ、ぁ、ん……っ!」
ルッタに吸われて少し大きくなった乳首を摘まれます。ルッタが産まれてから乳首が異様に感じるようになったことを分かっているので、痛くならないようにゼタさんは優しく摘んで来るのです。
一度身体が火照ると、ゼタさんが欲しいと感じるようになってしまいます。
どうしてなのか、コソっとユエルさんに聞いたら「人間にはオークの精液は媚薬みたいなものだって知ってるでしょ? ……癖になっちゃう人間、たまにいるらしいのよ」と言われ、僕はもうゼタさんから離れられないんだと思い知らされました。
「る、るったに聞こえ…っやん!」
「シーっ…、良い子だから我慢できるな……?」
「っ、ズル、ぁっ、や、ん、んん……っ」
意地悪です。やっぱりゼタさんは意地悪です。乳首を程よい力加減で捏ねられたら身体が跳ねてしまうのです。くりくりと親指で擦られ、ビクビクと反応を示すと椅子に座ったゼタさんの膝に向き合う形で座りました。ゼタさんは楽しそうに僕を見ているので、何だか僕も嬉しくてゼタさんの顔を両手で挟み、自分からキスをします。
「ん……ゼタさん、好きです…」
「ああ。俺もだ。ミシュメール……愛してる」
そんな意地悪で優しいオークのゼタさんの番になれて、僕はこれからもずっと幸せに暮らすのです。
-------------
ミシュメール
とにかく可愛い名前を付けたい!そんな可愛い名前を強面のオークに呼んでもらいたい!と言うことでミシュメールという名前に。
彼はこれから子沢山になる予定。だって何人も産むって約束したし。ちなみに両親にオークの子供を産んだことを伝えたら二人ともぶっ倒れた。
エマ
気の強いお姉さん的役割。ミシュメールが振り撒いた愛嬌でストーカー化した奴らを撃退することが多々あった。ゼタのおかげで遂にその役割から脱出。自分の恋愛に目を向けることが出来ることになった。オークの青年とは上手くいくけど結婚はまだまだ先の事だったりする。
ゼリカ
獣人の国で生涯独身を貫く。監視の下だが教会でシスターとして働き、孤児の獣人達を育てていく。ミシュメールとエマから時折届く便りに涙を流す姿を見て、獣人達から女神様みたいと言われたりする。
ゼタ
カッコイイオークって、オークっぽくないな?なんて思いながらもやっぱりイケメンにしたかった。ミシュメールが乱れる姿を見て大興奮し、番にしようと決めた。ヤリ過ぎでミシュメールがベッドから出れない日は甲斐甲斐しいほど世話をして幸せに浸る。
ルッタ
父の戦う姿を見てめちゃくちゃ憧れる。母が凄く可愛いので自分も可愛い人間と番になりたいと言うようになる。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
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読んでくださってありがとうございます。