前世は仕事のやりすぎによる過労死を経験したので次の人生ではのんびり生きたい

幼少編

お友達との対話と選択肢

私がこの対面の意味をぐるぐる考えていると、横から視線を感じました。
視線の主はアルシェイドでした。
ちらっと彼の方を目だけで向くと、彼は穴が開くほど私を見ていました。
私が思考に耽っている間ずっとこんな感じで見られていたのでしょうか。
こんなに見られているのに気づかない私って鈍感なんでしょうか。
まあ前世では、高校生のとき友人にあなたって鈍感ねーと言われ続けていましたが。
今世でも治らなかったのでしょう。バカは治っても鈍感は治らないのでしょうか。
そんな埒もないことを考えていると、見るのに飽きたのか、アルシェイドが口を開きました。
「両親が満足するまでは友人として仲良くしましょうか？」
と品定めするような目線付きのにっこり笑顔でそう言いました。
友人のところにアクセントをつけて言いましたよね？
彼ってまだ、私と同い年の四歳でしたよね？
なんかものすごく子供には似合わない笑顔なんですが。
私は少し考えながらも、考えるのが面倒になったので彼の言葉に合わせた返答をしました。
「そうですね、両親もすぐに飽きるでしょう。それまでは、友人として仲良くしましょう」
と彼と同じように友人のところにアクセントをつけました。
彼は私の返答に一瞬だけ驚いた顔をしたがすぐに元のにっこり笑顔に戻り？あれ？戻ってるか？
「ふふっ君は面白いな、そんな返答が返ってくるなんて思わなかったよ」
とさっきの笑顔なんて序の口だったようで、とってもきらきらとした笑顔で言った。
何か選択肢を間違えたような気がとってもするんだが、気のせいかな。
いや気のせいじゃなさそうだ。なぜか警鐘が聞こえる気がするし。