前世は仕事のやりすぎによる過労死を経験したので次の人生ではのんびり生きたい

学園入学編

この人怖い

コクラン先生と向き合うこと一時間。
無言の空間が約一時間も続いた。
私の忍耐力の強さは誉められてもいいくらいに強靭だと思う。
我ながら悲しい事実だ。そんな強さ、いらんわ。
一時間も同じ空間にいれば多少は落ち着いてきたのか、コクラン先生の方から話しかけられた。
「あっあの、君がグリフォンと契約したって本当なの！？」
求めた授業でなく、質問なのはどうかと思うが。
私は内心ため息をつきながらもコクラン先生の質問に答えた。
「本当です。でなければ、突貫で魔術講義なんてしません」
私の忍耐力が強靭だからといって、いつまでも待てるわけではない。
だから、魔術講義のところを強調して、さっさと講義しろと、質問の答えに混ぜてみた。
この人に通じるかはわからないが。
案の定というか、むしろ思っていたよりもひどいかもしれない。
本当の部分は耳に入ったようだが、後の言葉は聞こえていないように、なにやらぶつぶつしゃべっている。
端から見たら怖いだけだな。
「あの、先生？」
さすがに数分経ってもしゃべり続けるコクラン先生は、旗から見なくても怖いので、現実に戻っていただくために、呼びかけた。
私の言葉にはっとなったように、こちらにぐるんという擬音が聞こえてきそうな勢いで、顔（ローブを深くかぶっているので顔は見えない）を向けて、さっきのびくびくおどおどが嘘のように私の肩に腕を置いて、興奮しながら質問ぜめしてきた。
「グリフォンの力ってどのくらい強い？引き出せる力に上限はある？力の源ってどこ？やっぱり翼？ペラペラペラペラ」
この人怖いよ！