前世は仕事のやりすぎによる過労死を経験したので次の人生ではのんびり生きたい

学園入学編

これは授業なのか？

コクラン先生が、授業を始めると言って始まった授業は授業と言えるのか疑問に思うものだった。
「まず、魔術の定義から。魔術とは、体内にある魔力を使って発動する魔法と、自然に存在する、精霊の力を借りて発動する精霊魔法の２つが存在します。そして、精霊魔法はある程度修練すれば誰でも使えるようになりますが、魔法は、体内にある魔力が高くなければ使えません。魔力は血筋に大きく左右されるもので、今の我が国は貴族の魔術師が大半ですね。魔法に関しては姫なら使えるでしょう。あのティエールの娘なんですから。魔術の定義についてはこれで終わりです。次は属性について。属性とは魔法の属性のことを指します。火、水、風、土の４つを基本属性と言い、これ以外にも特殊な属性がありますが、人間が通常使える魔力属性はこの４つのみとなります。人間の魔力は最初は属性が付加されていない状態ですが、自然界に存在する属性が付加されている魔力を吸収することで、魔法が行使できるようになります。そして、この自然界に存在する付加されている魔力の吸収には個人差があって、相性が良い属性と悪い属性があります。例えば、水属性と相性が良い場合は、火との相性が悪いことが多いなどです。この相性が良い属性のことを適正属性と言います。だいたい１つ２つくらいの属性と相性が良い者が多いでしょう。ちなみに私は水と土属性と相性が良いです。相性が悪いからと言ってまったく使えないわけではありませんが、出力は比べるるまでもないくらい弱いでしょう。ですが、幻獣と契約しているものは例外で、姫の場合、契約獣は風属性のグリフォンなので、姫の適正属性が火であっても、グリフォンの風属性の力を使う妨げなどにはなりません。まあ自身で風の魔法を使う場合はわかりませんが。属性についてはこれで終わりです。後は、魔術の行使についてですね。まあこれはざっくり言ってしまえば、想像することです。例えば風を使って空を飛びたいと想像し、風の魔力を自身に行使すれば、何も問題がなければ飛ぶことができます。魔術のコツは具体的なものを頭に思い浮かべることと、魔力を身体に循環させることです。前者については幻獣の力を使う時と似ているので、大丈夫でしょう。後者については、俺が言えることは魔力を血と同じものと考えれば、少しはわかるようになると思いますよ。ということで、授業はこれで終わりです。後は自分で勝手にやってください」
長い間しゃべり続けたコクラン先生は、授業の終了を告げ、帰っていった。
一言、言ってもいいだろうか。
子供相手にその授業はないだろう！
最早授業ですらないだろ。