アラシとナギの料理店

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「お菓子はできましたか？」

お店に入ってきたのは、アライグマさんでした。
アラシがびっくりして「いらっしゃいませ」と声を張り上げました。

「すみません、お菓子はこれから作るんですよ」

「こんにちは、アラシくんにナギちゃん。おや、来るのが少し早すぎましたか？」

きょとんとするアライグマさんに、ナギが呆れ顔になりました。

「こんにちはですって？　まだ朝ですよ」

「おや、それは失礼。早く望遠鏡をのぞきたいと考えているうちに、もうお昼になったと勘違いしてしまったようです」

アライグマさんは星の観測に熱中するあまり、時間も約束も忘れてしまうのです。
望遠鏡から離れても、考え事をしているうちにご飯を忘れることだってしょっちゅうでした。
それに、ちょっとせっかちなのです。

「なるべく早くお願いしたいですね。私には時間がないんです」