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第1章 世界の果てと老騎士
第2話 世界の果ての老騎士
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「おーーい、だれかーー」
僕の声は砂漠の砂に吸い込まれて消えていった。
やっぱり魔法が使えない僕は捨てられたんだ……
僕は思ったここは世界の果てだ。僕は世界の果てに捨てられたのだ…
行く当てもなくひたすらなにもない白い砂の上をを歩く。
容赦なく照らす陽の光となれない砂を歩いているせいで体力は想像以上に早くなくなっていく…
「喉が渇いた…水がほしいな」
お父さんなら空中からあっというまに水を取り出して僕に飲ませてくれるだろう。
そのお父さんはいないんだ!もう一人で生きていくしかないんだ!
僕はお父さんに渡された剣を両手で握りしめる。
なんで僕は魔力がないんだろう…魔力さえあればこんな……
どうしてお父さんは僕にこんなことをしたんだろう…でもお父さんは生き延びろ!と僕に涙をこらえながら言っていた…
気力を振り絞り再び立ち上がる
数時間ほど歩くが白い砂と真っ青な雲ひとつ無い空、僕の足跡が風に吹かれ、消えていく。
そして僕は…歩くのを止め、その場で座り込む。
もう歩けないや、お父さんごめんなさい、もう無理です…
頬を一筋の涙がつたい、そのまま眠るように倒れこんだ。
頬を叩かれ、僕は目を覚ます。それまで真っ青だった空が赤く染まっている。
「坊主、こんなところで寝ると危ないぞ」
やさしく低い男の人の声だった。
陽が傾いており逆光のためか、その人の顔はよく見えない。
僕に声をかけてくれた男の人は、僕に水筒を渡してくれる。
「飲め」
「…ありがとう」
僕は一息でその水筒の水を全て飲みきった。
僕は飲みきった水筒をその人に渡す。
「坊主、ここで何をしていた、砂漠の夜は寒い、その格好では一晩もたんぞ」
目が慣れてきたせいか、徐々にその人の姿が分かってくる。その人の髪は真っ白な長い髪を後ろに一つにまとめており、顔に大きな傷があった。体にはボロボロの目の粗い布をマントのように纏い、腰には剣をたずさえ、後ろには荷物を積んだ馬のがいた。
答えなきゃ…僕が何故ここにいるのかを…
「僕はラグウェル・アルタイル。ペンタグラム…ペンタグラムからここに……」
「なに!ペンタグラム!、小僧笑わせるな、ここからペンタグラムまでは人の足で2年はかかるぞ」
「僕は父の転移魔法で…ここにつれてこられたんです……」
少しの沈黙の後、おじさんが一言。
「なるほどな…」
おじさんの表情はよく見えなかったが、何かを察したような優しい声で話してくれた。
「私と一緒にくるか?」
もう僕に選択する余地は無かった。
「うん」
僕は人の優しさに触れ、自然に頬を涙がつたった。
おじさんは馬に積んであった荷物を降ろし、てきぱきと薪を出し火を起こしなにかの準備をし始める。
僕はそれをじっと眺めている。
「ん?なにかめずらしいか?」
「僕の国では全部魔法でつくってるから」
「ああ、そうだなペンタグラムは魔法の国だからな」
ぐーーー
僕はあわててお腹を押さえる。
そういえば朝から何も食べてなかった!
おじさんは笑いながら話しかけてくれる。
「坊主、もう少し待て、今食事をつくってやるから」
「こうやってご飯をつくってるんだ」
「ああ、そうだお前の国ではしないだろうがね」
おじさんは鍋を火にかけ、荷物の中からパンを取り出しナイフで二つ割る、そして円形の大きなチーズを取り出し三角に切り分ける。それをナイフで刺し火であぶり、やわらかくトロリとしたチーズをパンの上に乗せる。チーズが柔らかそうで凄く美味しそうに見え、おじさんはそのパンを僕に渡してくれる。
「ヤクのチーズだ」
「美味しそう!!」
僕はあつあつのチーズが乗ったパンを口に運ぶ。
チーズの匂いが鼻の奥を刺激する。
大きく口を開け、ガブリと齧り付く。
渡されたパンの1/3ほどのところを噛み切り、パンを引っ張るとトロリとしたチーズがパンからこぼれそうになり慌ててパンを傾ける。
口の中に広がるチーズの味、ちょっとしたとくせと苦味があったが空腹であるため、つぎつぎと口に運びあっというまにパンはなくなった。
「そんなにおいしかったか、子供にはまだ早いかとおもったが」
「ちょっと苦かったです」
「あははは、そうだなろな、ヤクのチーズを肴にぶどう酒を飲むと絶品だが、小僧にはまだ10年は早そうだな」
おじさんはそういって豪快に笑いチーズをパンに乗せ食べながら、陶器でできた瓶に口をつけ何かを飲んでいる。おじさんがパンを食べ終わると鍋をかき回しながら
「スープもそろそろ頃合だな」
といって皿に盛り付けをはじめた。
ゴツゴツとした大きな芋と肌色の腸詰が入ったほのかに金色に輝く透明なスープだった。
「ほれ」
おじさんはスープの入ったお皿とスプーンを渡してくれる。
スプーンで芋を触るとほろほろと崩れていき、そのかけらを口の中に放り込む。
なんだろう…普段だったらとても塩辛くて食べられないんだろうけど…だけど体がこの塩辛いスープを欲している。
「塩辛いだろ?、おまえさんずっと砂漠をあるいていたし、涙で塩がたりないからなこの味がいいかとおもってな」
「辛いけど…美味しい」
「そうだろ?腸詰も食べてみ、この腸詰は絶品だ」
「うん!」
腸詰を口に含む、パリッとした皮を歯で破ると、中からジュワッと肉汁が溢れでてきて、口の中で濃い塩味と肉汁が混ざり合う。
こんなおいしい腸詰は食べたことが無い。僕は無我夢中で芋を食べ、腸詰を口に入れあっというまにスープを飲み干した。
「どうだ、小僧上手いか?」
「うん、今までこんなにおいしいものは食べたことないや」
「あははは、空腹は最大の調味料というしな」
「それってどういう意味?」
「腹が減ったらなんでもおいしいって意味だよ」
「腹はっててもおいしいと思うよ」
「ありがとよ」
2人とも食事を終え僕は焚き火を火を眺め、おじさんは鉄の棒で焚き火を弄っている。
漆黒の砂漠に広がる満天の星空。その空の下で焚き火の炎がゆらゆらと揺れ、ときどき薪がピキッと音を立てる。その音が僕とおじさんしかいない砂漠に響く。
ブルブルっと体の底から震え、僕は体の寒さを覚える。
昼間はあんなに暑かったのに夜になると寒い
「小僧、寒いか、砂漠の夜は昼とは大違いで冷えるからな」
おじさんはそういって荷物から毛布を取り出し、毛布と一緒にお湯を渡してくれた。
「おじさんの毛布は?」
「大丈夫これがある」
そういって陶器でできた瓶を見せる。
「それは?」
「ぶどう酒、まだおまえさんには早いがな、これを飲むと温まる」
「へぇぇそうなんだ…」
僕は毛布を被ってお湯を少しづつ口にしながらおじさんに話しかける。
おじさんは火を弄っている。
「おじさん、なにからなにまでありがとう」
「ここじゃ子供一人じゃいきていけないからな」
「ここはどこなの?」
「まあお前さんたちかすれば、世界の果てといったとこかな」
「世界の果てか…」
「お前さん、ここに連れてこられたことを恨んじゃいないか?」
「…わからない、お父さん僕を転移させるときに泣いていた」
「そうか、お前の父上はお前さんのことを守ったんだな」
「守った?」
「ああ、時が来れば分かるようになる」
「うん…」
おじさんが視線を僕の足元に落とす。
「小僧、その剣は?」
「これ?別れるときにお父さんが」
「そうか、おじさんこうみえても剣は少し詳しいからみせてくれないか?」
「いいよ」
おじさんに僕が剣を渡しおじさんは剣を鞘から抜く。シャーンという金属がすべる音が響く。中から現れた剣身は、焚き火の炎を反射させている。
おじさんは剣をまじまじと見つめ口を開く。
「ふむ、いい剣だ、シリウス鋼でできているな」
「シリウス鋼?」
「今は失われた技術で作成された名鋼だ、そんな剣をお前に託した父上に感謝だな」
「…」
「まあ、そのうち分かるさ」
僕はとんでもないことを思い出した。
「あっそういえば、おじさんの名前を聞いてなかった!」
「たしかに名乗ってなかったな、これは騎士の恥だな、すまなかった。私の名前はアルファルドだ」
「…アルファルド…さん」
漆黒の砂漠の空に広がる、満天の星々の下、僕はその名前を心に刻んだ。
僕の声は砂漠の砂に吸い込まれて消えていった。
やっぱり魔法が使えない僕は捨てられたんだ……
僕は思ったここは世界の果てだ。僕は世界の果てに捨てられたのだ…
行く当てもなくひたすらなにもない白い砂の上をを歩く。
容赦なく照らす陽の光となれない砂を歩いているせいで体力は想像以上に早くなくなっていく…
「喉が渇いた…水がほしいな」
お父さんなら空中からあっというまに水を取り出して僕に飲ませてくれるだろう。
そのお父さんはいないんだ!もう一人で生きていくしかないんだ!
僕はお父さんに渡された剣を両手で握りしめる。
なんで僕は魔力がないんだろう…魔力さえあればこんな……
どうしてお父さんは僕にこんなことをしたんだろう…でもお父さんは生き延びろ!と僕に涙をこらえながら言っていた…
気力を振り絞り再び立ち上がる
数時間ほど歩くが白い砂と真っ青な雲ひとつ無い空、僕の足跡が風に吹かれ、消えていく。
そして僕は…歩くのを止め、その場で座り込む。
もう歩けないや、お父さんごめんなさい、もう無理です…
頬を一筋の涙がつたい、そのまま眠るように倒れこんだ。
頬を叩かれ、僕は目を覚ます。それまで真っ青だった空が赤く染まっている。
「坊主、こんなところで寝ると危ないぞ」
やさしく低い男の人の声だった。
陽が傾いており逆光のためか、その人の顔はよく見えない。
僕に声をかけてくれた男の人は、僕に水筒を渡してくれる。
「飲め」
「…ありがとう」
僕は一息でその水筒の水を全て飲みきった。
僕は飲みきった水筒をその人に渡す。
「坊主、ここで何をしていた、砂漠の夜は寒い、その格好では一晩もたんぞ」
目が慣れてきたせいか、徐々にその人の姿が分かってくる。その人の髪は真っ白な長い髪を後ろに一つにまとめており、顔に大きな傷があった。体にはボロボロの目の粗い布をマントのように纏い、腰には剣をたずさえ、後ろには荷物を積んだ馬のがいた。
答えなきゃ…僕が何故ここにいるのかを…
「僕はラグウェル・アルタイル。ペンタグラム…ペンタグラムからここに……」
「なに!ペンタグラム!、小僧笑わせるな、ここからペンタグラムまでは人の足で2年はかかるぞ」
「僕は父の転移魔法で…ここにつれてこられたんです……」
少しの沈黙の後、おじさんが一言。
「なるほどな…」
おじさんの表情はよく見えなかったが、何かを察したような優しい声で話してくれた。
「私と一緒にくるか?」
もう僕に選択する余地は無かった。
「うん」
僕は人の優しさに触れ、自然に頬を涙がつたった。
おじさんは馬に積んであった荷物を降ろし、てきぱきと薪を出し火を起こしなにかの準備をし始める。
僕はそれをじっと眺めている。
「ん?なにかめずらしいか?」
「僕の国では全部魔法でつくってるから」
「ああ、そうだなペンタグラムは魔法の国だからな」
ぐーーー
僕はあわててお腹を押さえる。
そういえば朝から何も食べてなかった!
おじさんは笑いながら話しかけてくれる。
「坊主、もう少し待て、今食事をつくってやるから」
「こうやってご飯をつくってるんだ」
「ああ、そうだお前の国ではしないだろうがね」
おじさんは鍋を火にかけ、荷物の中からパンを取り出しナイフで二つ割る、そして円形の大きなチーズを取り出し三角に切り分ける。それをナイフで刺し火であぶり、やわらかくトロリとしたチーズをパンの上に乗せる。チーズが柔らかそうで凄く美味しそうに見え、おじさんはそのパンを僕に渡してくれる。
「ヤクのチーズだ」
「美味しそう!!」
僕はあつあつのチーズが乗ったパンを口に運ぶ。
チーズの匂いが鼻の奥を刺激する。
大きく口を開け、ガブリと齧り付く。
渡されたパンの1/3ほどのところを噛み切り、パンを引っ張るとトロリとしたチーズがパンからこぼれそうになり慌ててパンを傾ける。
口の中に広がるチーズの味、ちょっとしたとくせと苦味があったが空腹であるため、つぎつぎと口に運びあっというまにパンはなくなった。
「そんなにおいしかったか、子供にはまだ早いかとおもったが」
「ちょっと苦かったです」
「あははは、そうだなろな、ヤクのチーズを肴にぶどう酒を飲むと絶品だが、小僧にはまだ10年は早そうだな」
おじさんはそういって豪快に笑いチーズをパンに乗せ食べながら、陶器でできた瓶に口をつけ何かを飲んでいる。おじさんがパンを食べ終わると鍋をかき回しながら
「スープもそろそろ頃合だな」
といって皿に盛り付けをはじめた。
ゴツゴツとした大きな芋と肌色の腸詰が入ったほのかに金色に輝く透明なスープだった。
「ほれ」
おじさんはスープの入ったお皿とスプーンを渡してくれる。
スプーンで芋を触るとほろほろと崩れていき、そのかけらを口の中に放り込む。
なんだろう…普段だったらとても塩辛くて食べられないんだろうけど…だけど体がこの塩辛いスープを欲している。
「塩辛いだろ?、おまえさんずっと砂漠をあるいていたし、涙で塩がたりないからなこの味がいいかとおもってな」
「辛いけど…美味しい」
「そうだろ?腸詰も食べてみ、この腸詰は絶品だ」
「うん!」
腸詰を口に含む、パリッとした皮を歯で破ると、中からジュワッと肉汁が溢れでてきて、口の中で濃い塩味と肉汁が混ざり合う。
こんなおいしい腸詰は食べたことが無い。僕は無我夢中で芋を食べ、腸詰を口に入れあっというまにスープを飲み干した。
「どうだ、小僧上手いか?」
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「あははは、空腹は最大の調味料というしな」
「それってどういう意味?」
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「腹はっててもおいしいと思うよ」
「ありがとよ」
2人とも食事を終え僕は焚き火を火を眺め、おじさんは鉄の棒で焚き火を弄っている。
漆黒の砂漠に広がる満天の星空。その空の下で焚き火の炎がゆらゆらと揺れ、ときどき薪がピキッと音を立てる。その音が僕とおじさんしかいない砂漠に響く。
ブルブルっと体の底から震え、僕は体の寒さを覚える。
昼間はあんなに暑かったのに夜になると寒い
「小僧、寒いか、砂漠の夜は昼とは大違いで冷えるからな」
おじさんはそういって荷物から毛布を取り出し、毛布と一緒にお湯を渡してくれた。
「おじさんの毛布は?」
「大丈夫これがある」
そういって陶器でできた瓶を見せる。
「それは?」
「ぶどう酒、まだおまえさんには早いがな、これを飲むと温まる」
「へぇぇそうなんだ…」
僕は毛布を被ってお湯を少しづつ口にしながらおじさんに話しかける。
おじさんは火を弄っている。
「おじさん、なにからなにまでありがとう」
「ここじゃ子供一人じゃいきていけないからな」
「ここはどこなの?」
「まあお前さんたちかすれば、世界の果てといったとこかな」
「世界の果てか…」
「お前さん、ここに連れてこられたことを恨んじゃいないか?」
「…わからない、お父さん僕を転移させるときに泣いていた」
「そうか、お前の父上はお前さんのことを守ったんだな」
「守った?」
「ああ、時が来れば分かるようになる」
「うん…」
おじさんが視線を僕の足元に落とす。
「小僧、その剣は?」
「これ?別れるときにお父さんが」
「そうか、おじさんこうみえても剣は少し詳しいからみせてくれないか?」
「いいよ」
おじさんに僕が剣を渡しおじさんは剣を鞘から抜く。シャーンという金属がすべる音が響く。中から現れた剣身は、焚き火の炎を反射させている。
おじさんは剣をまじまじと見つめ口を開く。
「ふむ、いい剣だ、シリウス鋼でできているな」
「シリウス鋼?」
「今は失われた技術で作成された名鋼だ、そんな剣をお前に託した父上に感謝だな」
「…」
「まあ、そのうち分かるさ」
僕はとんでもないことを思い出した。
「あっそういえば、おじさんの名前を聞いてなかった!」
「たしかに名乗ってなかったな、これは騎士の恥だな、すまなかった。私の名前はアルファルドだ」
「…アルファルド…さん」
漆黒の砂漠の空に広がる、満天の星々の下、僕はその名前を心に刻んだ。
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