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第7章 ペンタグラム
第120話 ウォルフ兄弟
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「ウォルフ兄弟?……」
俺がそう呟くとエリンが口を開く。
「小さな男がコレル、大きい方がダレン、ペンタグラムの犯罪者を処刑する執行人、魔法が使えるペンタグラム人に特化した者達……」
「執行人……」
感情を表に出さないエリンのその声に感情が込められているのを感じ只事ではないと感じる。
「この水路を通るものは誰であれ処刑していいと言われている」
エリンからコレルと言われた小さな男が口を開く。
「私達はここを通る必要がある!」
エリンはそう言うと口元が小さく動くのが見える、魔法? そう思った瞬間エリンの近くにスイカほどの大きさの火球が出現し、ウォルフ兄弟に向けて飛んでいく。
コレルは動じもせず、その場を動くことはない、ダレンと呼ばれる頭を剃りあげた熊のような大男が火球を拳で殴りつけると火球はその場で爆発をする。
ダレンが口を開く。
「僕がやってもいい?お兄ちゃん」
「ああ、いいとも。だけどあんまり汚すなよ」
ダレンは俺の方を見てニヤリと笑って、左右の拳をぶつけ合う、拳からはカチンカチンと金属音が聞こえ、拳には虹色に輝く鉄製の拳当てがされている。
「それじゃいくよー」
ダレンはそう言った瞬間に俺の懐に潜り込み、右の拳を振り上げ、拳が俺の頬をかすめ後ろの壁に当たる。
壁は爆発したかのような音をたて大きな穴が空く。
あいつワザと外しやがった……あのガタイであの身のこなし……魔法の力か……
ペキペキと空気のが凍る音が聞こえ、エリンの方に目をやると、大きなツララが4本エリンの周囲に浮かんでいる。
そしてそのツララが一気にそのダレンに襲いかかる。
ボン、ボン、ボン、ボンという音ともにダレンは拳でそれらを迎撃する。そして俺にしてみせたようにエリンに一気に間合いを詰め、体を傾けその拳はエリンの腹部を確実に狙っている。
咄嗟に剣を抜き、ダレン目掛けて突きを放つ。
ダレンの拳と剣先がぶつかり合って、火花が飛びカーンという甲高い音が響く。
ダレンはエリンに狙いを付けた拳を方向転換させ剣先真っ正面から殴り迎撃したのだ。
力負けしクン!と剣先が上を向いた瞬間にダレンは俺の懐に潜り込む。
怒りの表情を見せたダレンはこう呟く。
「久しぶりに女の子のお腹が殴れると思ったのに!」
そして言い終わる直前に俺の顔面に狙いを付けた拳を放つ。
そのままダレンの体幹を蹴り後方に跳ぶ、奴の拳が鼻先で止まった。
その瞬間、ダレンの足元から火柱が上がる。
ダレンの体は一瞬で炎に包まれたが、すぐにその火は消え、カンカンと両手の拳を合わせる音が響く。
「この程度じゃ僕の体は傷一つ付かないよ」
ダレンは俺を興味津々といった感じで見ており、俺に話し掛ける。
「君、剣を使うんだぁ」
「その身体、魔法か……」
「僕、魔法で筋力を強化してるんだ。どうしても人を殴り殺す感覚が忘れられ無くてねぇ。剣を使う人間は殺すのは久しぶりだなぁ」
エリンの攻撃で分かったのだが、ダレンには恐らく魔法障壁がない、その代わりに、 魔法で強化された筋肉は鎧の様な役割をも果たしているのだろう。
エリンは私が戦うという感じで一歩前に出ようとする、俺はそれを手でそれを止め自分が戦うという意思表示を見せる。
こいつらは魔法が使える奴ら前提の戦いには慣れているが俺のような剣士とは戦ったことはないはず……勝機ならそこにあるはず
「ダレン、手を貸そうか?」
コレルがそう言うと「大丈夫だよ、兄ちゃん次は本気でやるから」と言いい、
「剣使いくんと戦うほうが、面白そうだから君から先に殺すね。僕はさ美味しいものは真っ先に食べるんだ!」
一瞬で間合いを詰めると目の前に、拳の壁が現れる。そうこれは高速でのパンチのラッシュが拳の壁を作っているのだ、その壁に瞬時に飲み込まれる。
拳が俺の目の前や胸、腹の皮膚のほんの少しの先を通過する。
そして、ボボボボボボボボボボという空気を斬る音だけが虚しく響く。
そうただの一発も俺の身体にその拳が触れることはない。
数秒のラッシュが終わるとダレンは狼狽し叫ぶ。
「なんで!!なんで一発もあたらない!!」
「俺はお前より速い剣を知っている! 20代剣聖の剣はお前より遥かに速くそして強い!!」
「ほざけ!!!」
怒りに任せた大ぶりの一撃をかわし俺は剣を振るいながら通り過ぎる。
チン!
ダレンの体を撫でる様に振るった剣を俺は鞘に納める。
「なんだそれなんにも効いてけど」
ダレンはそう言って背後から襲い掛かる。
ドサッと言う音ともにダレンはその場で全身の力が抜けたように倒れ込む。
「……どうして?身体が動かない……」
「筋肉と筋肉を繋ぐ腱を切った。お前は動くことはできない」
「くそ!くそ!くそ!兄ちゃん助けてー」
そう言ったダレンの体は激しく燃え上がる。
「ど……して……にいちゃん」
ダレンはそう言って真っ黒になり動かなくなる。
「すまんなダレン動けないものは必要ない」
コレルは動かなくなったダレンだったものを冷ややかな視線で見つめながらそう言った。
俺がそう呟くとエリンが口を開く。
「小さな男がコレル、大きい方がダレン、ペンタグラムの犯罪者を処刑する執行人、魔法が使えるペンタグラム人に特化した者達……」
「執行人……」
感情を表に出さないエリンのその声に感情が込められているのを感じ只事ではないと感じる。
「この水路を通るものは誰であれ処刑していいと言われている」
エリンからコレルと言われた小さな男が口を開く。
「私達はここを通る必要がある!」
エリンはそう言うと口元が小さく動くのが見える、魔法? そう思った瞬間エリンの近くにスイカほどの大きさの火球が出現し、ウォルフ兄弟に向けて飛んでいく。
コレルは動じもせず、その場を動くことはない、ダレンと呼ばれる頭を剃りあげた熊のような大男が火球を拳で殴りつけると火球はその場で爆発をする。
ダレンが口を開く。
「僕がやってもいい?お兄ちゃん」
「ああ、いいとも。だけどあんまり汚すなよ」
ダレンは俺の方を見てニヤリと笑って、左右の拳をぶつけ合う、拳からはカチンカチンと金属音が聞こえ、拳には虹色に輝く鉄製の拳当てがされている。
「それじゃいくよー」
ダレンはそう言った瞬間に俺の懐に潜り込み、右の拳を振り上げ、拳が俺の頬をかすめ後ろの壁に当たる。
壁は爆発したかのような音をたて大きな穴が空く。
あいつワザと外しやがった……あのガタイであの身のこなし……魔法の力か……
ペキペキと空気のが凍る音が聞こえ、エリンの方に目をやると、大きなツララが4本エリンの周囲に浮かんでいる。
そしてそのツララが一気にそのダレンに襲いかかる。
ボン、ボン、ボン、ボンという音ともにダレンは拳でそれらを迎撃する。そして俺にしてみせたようにエリンに一気に間合いを詰め、体を傾けその拳はエリンの腹部を確実に狙っている。
咄嗟に剣を抜き、ダレン目掛けて突きを放つ。
ダレンの拳と剣先がぶつかり合って、火花が飛びカーンという甲高い音が響く。
ダレンはエリンに狙いを付けた拳を方向転換させ剣先真っ正面から殴り迎撃したのだ。
力負けしクン!と剣先が上を向いた瞬間にダレンは俺の懐に潜り込む。
怒りの表情を見せたダレンはこう呟く。
「久しぶりに女の子のお腹が殴れると思ったのに!」
そして言い終わる直前に俺の顔面に狙いを付けた拳を放つ。
そのままダレンの体幹を蹴り後方に跳ぶ、奴の拳が鼻先で止まった。
その瞬間、ダレンの足元から火柱が上がる。
ダレンの体は一瞬で炎に包まれたが、すぐにその火は消え、カンカンと両手の拳を合わせる音が響く。
「この程度じゃ僕の体は傷一つ付かないよ」
ダレンは俺を興味津々といった感じで見ており、俺に話し掛ける。
「君、剣を使うんだぁ」
「その身体、魔法か……」
「僕、魔法で筋力を強化してるんだ。どうしても人を殴り殺す感覚が忘れられ無くてねぇ。剣を使う人間は殺すのは久しぶりだなぁ」
エリンの攻撃で分かったのだが、ダレンには恐らく魔法障壁がない、その代わりに、 魔法で強化された筋肉は鎧の様な役割をも果たしているのだろう。
エリンは私が戦うという感じで一歩前に出ようとする、俺はそれを手でそれを止め自分が戦うという意思表示を見せる。
こいつらは魔法が使える奴ら前提の戦いには慣れているが俺のような剣士とは戦ったことはないはず……勝機ならそこにあるはず
「ダレン、手を貸そうか?」
コレルがそう言うと「大丈夫だよ、兄ちゃん次は本気でやるから」と言いい、
「剣使いくんと戦うほうが、面白そうだから君から先に殺すね。僕はさ美味しいものは真っ先に食べるんだ!」
一瞬で間合いを詰めると目の前に、拳の壁が現れる。そうこれは高速でのパンチのラッシュが拳の壁を作っているのだ、その壁に瞬時に飲み込まれる。
拳が俺の目の前や胸、腹の皮膚のほんの少しの先を通過する。
そして、ボボボボボボボボボボという空気を斬る音だけが虚しく響く。
そうただの一発も俺の身体にその拳が触れることはない。
数秒のラッシュが終わるとダレンは狼狽し叫ぶ。
「なんで!!なんで一発もあたらない!!」
「俺はお前より速い剣を知っている! 20代剣聖の剣はお前より遥かに速くそして強い!!」
「ほざけ!!!」
怒りに任せた大ぶりの一撃をかわし俺は剣を振るいながら通り過ぎる。
チン!
ダレンの体を撫でる様に振るった剣を俺は鞘に納める。
「なんだそれなんにも効いてけど」
ダレンはそう言って背後から襲い掛かる。
ドサッと言う音ともにダレンはその場で全身の力が抜けたように倒れ込む。
「……どうして?身体が動かない……」
「筋肉と筋肉を繋ぐ腱を切った。お前は動くことはできない」
「くそ!くそ!くそ!兄ちゃん助けてー」
そう言ったダレンの体は激しく燃え上がる。
「ど……して……にいちゃん」
ダレンはそう言って真っ黒になり動かなくなる。
「すまんなダレン動けないものは必要ない」
コレルは動かなくなったダレンだったものを冷ややかな視線で見つめながらそう言った。
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