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第2章 王位継承
第17話 虎穴に入らずんば
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「そうか捕まればいいんだ」
私はある考えを思いつき口に出してしまった。
フリージアさんとソルフィン殿下が怪訝そうにこちらをみる。
「いい案を思いつきました」
フリージアさんは表情を変えずに口を開く。
「それはさっきの独り言?」
「ええ、そうなんですよ、捕まればいいんです」
「どういうこと?」
「今は夜です、甲冑の兜をすれば、誰かはわからなくなります。だからその騎士を襲って装備を奪う」
「うん」
「私が騎士の恰好をして、殿下とフリージアさんを捕まえたということにする」
「それで」
「恐らく、大広間にコフィン殿下とバルバドス公がいるので、大広間に連れていかれます」
「大広間の抜け道をつかう?」
「ええ、グレンさんも人質になっているので助けます」
「さすがに無理」
「敵もまさか、懐に入ってくるとは思っていません」
「虎穴に入らずんば虎子を得ずってことか…」
「そうです、もうこの方法しかないと思います」
ソルフィン殿下はそっと立ち上がり口を開く
「わかりました、その方法にかけましょう」
私がリネン室の扉の前にたち、扉を少しだけあけて外をうかがう、騎士が前を通りかかったら、扉を開けて中に引き込み気絶させる。
そうして装備を奪い、私が騎士として二人を捕まえたということで、大広間に行く。
そして、ソルフィン殿下に注意が集まっているところでグレンさん達の縄を切り、騒ぎを起こす、そしてその混乱に乗じて逃げる。
扉の前にたち、廊下をうかがう。
カチャカチャと鉄製の鎧を鳴らしながら騎士が小走りでこちらの方に来ているのが見える。
前を通った瞬間、扉を勢いよくあける、
騎士は何が起こったのか分からず、一瞬うろたえているように見えた。
そのまま体をつかみ、リネン室に中に引きずり込む。
甲冑の間から見える首の頸動脈の部分を絞める。もがき手足をばたつかさせているが、頸動脈をがっちりおさえているため、数十秒で動かなくなる。
落ちたことを確認し、甲冑を脱がせ、自分で装備をする、数十秒で装備をきこなし、兜と顔当てをする。装備を奪われた騎士はパンツ一枚で手足を縛り、リネン室に放置する。
フリージアさんとソルフィン殿下は切れ目を入れたロープで体を縛る。
一見きつく縛っているようにみえるが、少し力を入れるとすぐに切れるようになっており、体を巻いたロープの内側にはナイフを仕込んでいる。
事を開始したら、殿下とフリージアさんはロープを切り、ナイフで自分の身を守るということだ。
「ソルフィンがいたぞーーーー」
私は大声で叫ぶ
するとまわりの騎士たちが集まってくる。
「よくやった、大広間に連れていけ」
「はい」
私はほかの騎士の指図の通りに、二人を大広間に連行した。
大広間では、コフィン殿下とバルバドス公が満面の笑顔を浮かべており、私にコフィン殿下が話しかけてきた。
「よくやった、今度褒美を取らせる」
「はい、ありがとうございます」
「よし、下がれ」
「はっ」
私はそのままグレンさんたちが縛られているところに向かう。
グレンさんは意気消沈といった感じでうなだれている。
「グレンさん、私ですレクシアです」
グレンさんはパッと顔あげ、素知らぬふりをしながら話す。
「どうして、そんな恰好をしておる」
「これには訳があって、とりあえず縄をきります。これから騒ぎを起こしますのでそのときに隠し通路へ」
「わかった、くれぐれも殿下を頼む」
「はい」
コフィン殿下はソルフィン殿下の前に立ち話しかけている
コフィン殿下の声が響く
「最初から王位継承権を放棄しておればこんなことにはならなかったのにな、わが弟よ」
「父上さまは私が王になるべきだとおっしゃっておりました」
「父上は、病でまともな考えができなくなっていたのだ!」
「元老院も私の方が王にふさわしいと」
バシーン
コフィン殿下がソルフィン殿下の顔を叩く
「だれもかれも、俺が王にふさわしくないといいやがって、まだ10歳の子供が生意気なことをいってるんじゃねーよ」
コフィン殿下はそのまま、ソルフィン殿下の腹を蹴り上げる。
「死ねばいいんだよ、こんな奴、こいつの母親も大っ嫌いだったんだよ」
コフィン殿下は蹴り続けている
ーーこのままでは命に係わる、私は兜を脱ぎ捨て、剣を抜き走りだした。
その瞬間、殿下の側にいた、フリージアさんは自力で縄を切り、コフィン殿下の首に左腕を絡め、右手のナイフを右頬にあてる。
コフィン殿下は狼狽し叫ぶ
「はなせ!」
「放しません、ソルフィン殿下を自由にするまで放しません」
私はソルフィン殿下のもとに駆け寄り、倒れている殿下を抱き起し縄をきる
「殿下、大丈夫ですか?」
「う、うん、なんとか」
「フリージアさん、そのままコフィン殿下を人質にして、通路まで」
フリージアさんはうなづく。
私は左手にソルフィン殿下を抱きかかえ、右手で剣を構え、フリージアさんの隣に位置どり、耳打ちをする。
「フリージアさん、私が合図したら、コフィン殿下を捨てて逃げて下さい」
フリージアさんは頷く。
周りの騎士や衛兵は、遠巻きに私たちをみて、手出しをすることができない。
コフィン殿下は必死に命乞いをする。
「わかった。わかったから逃がしてやる、だから殺すな」
ナイフの刃先が顔に当たり、一筋の血が流れている。
玉座の裏の隠し通路まであと数十歩程度というところで、大広間の扉が開いた。
低い男性の声が響く。
「まさか、ここに来るとはな」
フロイトが騎士たちを引き連れてやってきたのだ。
コフィン殿下が叫ぶ
「近づくな!!こいつらは本気だ、俺が殺されたら、王家は終わりだこの国は滅ぶぞ」
フロイトが苦笑いを浮かべている。
私はその顔をみて何か、嫌な予感がした。
フロイトは、頭を掻きながら、めんどくさそうに言い放つ。
「わかりました、殿下あなたにはここで死んでもらいます」
フロイトはそのまま、悠然と近づいてくる。
――こいつは本気で死んでもいいと思っている。
「フリージアさん逃げましょう」
フリージアさんはコフィン殿下の首に巻き付けた左腕を離す、よたよたっと2、3歩進むとフロイト達の元へ駆け寄る。
フロイトの正面に立ち、コフィン殿下は、不機嫌に口を開く。
「おい、フロイト死んでもいいとは、どういうことだ?」
コフィン殿下の背中から血で染まった剣の先が突き出る。
コフィン殿下はただ一言だけ発する
「え?」
そのまま床に倒れこみ、床を血で染める。
フロイトは表情を変えずに口を開く
「こういうことです」
私はソルフィン殿下をフリージアさんに託し、2人を背に、剣を構える。
フロイトは表情変えず近づいてくる。
「どうして、コフィン殿下を」
「今やほぼ全軍が我が支配下にある、最早王家には何の意味もない」
「もしかして、最初からそのつもりで」
「ああ、私が新たな王になるのだ」
私はある考えを思いつき口に出してしまった。
フリージアさんとソルフィン殿下が怪訝そうにこちらをみる。
「いい案を思いつきました」
フリージアさんは表情を変えずに口を開く。
「それはさっきの独り言?」
「ええ、そうなんですよ、捕まればいいんです」
「どういうこと?」
「今は夜です、甲冑の兜をすれば、誰かはわからなくなります。だからその騎士を襲って装備を奪う」
「うん」
「私が騎士の恰好をして、殿下とフリージアさんを捕まえたということにする」
「それで」
「恐らく、大広間にコフィン殿下とバルバドス公がいるので、大広間に連れていかれます」
「大広間の抜け道をつかう?」
「ええ、グレンさんも人質になっているので助けます」
「さすがに無理」
「敵もまさか、懐に入ってくるとは思っていません」
「虎穴に入らずんば虎子を得ずってことか…」
「そうです、もうこの方法しかないと思います」
ソルフィン殿下はそっと立ち上がり口を開く
「わかりました、その方法にかけましょう」
私がリネン室の扉の前にたち、扉を少しだけあけて外をうかがう、騎士が前を通りかかったら、扉を開けて中に引き込み気絶させる。
そうして装備を奪い、私が騎士として二人を捕まえたということで、大広間に行く。
そして、ソルフィン殿下に注意が集まっているところでグレンさん達の縄を切り、騒ぎを起こす、そしてその混乱に乗じて逃げる。
扉の前にたち、廊下をうかがう。
カチャカチャと鉄製の鎧を鳴らしながら騎士が小走りでこちらの方に来ているのが見える。
前を通った瞬間、扉を勢いよくあける、
騎士は何が起こったのか分からず、一瞬うろたえているように見えた。
そのまま体をつかみ、リネン室に中に引きずり込む。
甲冑の間から見える首の頸動脈の部分を絞める。もがき手足をばたつかさせているが、頸動脈をがっちりおさえているため、数十秒で動かなくなる。
落ちたことを確認し、甲冑を脱がせ、自分で装備をする、数十秒で装備をきこなし、兜と顔当てをする。装備を奪われた騎士はパンツ一枚で手足を縛り、リネン室に放置する。
フリージアさんとソルフィン殿下は切れ目を入れたロープで体を縛る。
一見きつく縛っているようにみえるが、少し力を入れるとすぐに切れるようになっており、体を巻いたロープの内側にはナイフを仕込んでいる。
事を開始したら、殿下とフリージアさんはロープを切り、ナイフで自分の身を守るということだ。
「ソルフィンがいたぞーーーー」
私は大声で叫ぶ
するとまわりの騎士たちが集まってくる。
「よくやった、大広間に連れていけ」
「はい」
私はほかの騎士の指図の通りに、二人を大広間に連行した。
大広間では、コフィン殿下とバルバドス公が満面の笑顔を浮かべており、私にコフィン殿下が話しかけてきた。
「よくやった、今度褒美を取らせる」
「はい、ありがとうございます」
「よし、下がれ」
「はっ」
私はそのままグレンさんたちが縛られているところに向かう。
グレンさんは意気消沈といった感じでうなだれている。
「グレンさん、私ですレクシアです」
グレンさんはパッと顔あげ、素知らぬふりをしながら話す。
「どうして、そんな恰好をしておる」
「これには訳があって、とりあえず縄をきります。これから騒ぎを起こしますのでそのときに隠し通路へ」
「わかった、くれぐれも殿下を頼む」
「はい」
コフィン殿下はソルフィン殿下の前に立ち話しかけている
コフィン殿下の声が響く
「最初から王位継承権を放棄しておればこんなことにはならなかったのにな、わが弟よ」
「父上さまは私が王になるべきだとおっしゃっておりました」
「父上は、病でまともな考えができなくなっていたのだ!」
「元老院も私の方が王にふさわしいと」
バシーン
コフィン殿下がソルフィン殿下の顔を叩く
「だれもかれも、俺が王にふさわしくないといいやがって、まだ10歳の子供が生意気なことをいってるんじゃねーよ」
コフィン殿下はそのまま、ソルフィン殿下の腹を蹴り上げる。
「死ねばいいんだよ、こんな奴、こいつの母親も大っ嫌いだったんだよ」
コフィン殿下は蹴り続けている
ーーこのままでは命に係わる、私は兜を脱ぎ捨て、剣を抜き走りだした。
その瞬間、殿下の側にいた、フリージアさんは自力で縄を切り、コフィン殿下の首に左腕を絡め、右手のナイフを右頬にあてる。
コフィン殿下は狼狽し叫ぶ
「はなせ!」
「放しません、ソルフィン殿下を自由にするまで放しません」
私はソルフィン殿下のもとに駆け寄り、倒れている殿下を抱き起し縄をきる
「殿下、大丈夫ですか?」
「う、うん、なんとか」
「フリージアさん、そのままコフィン殿下を人質にして、通路まで」
フリージアさんはうなづく。
私は左手にソルフィン殿下を抱きかかえ、右手で剣を構え、フリージアさんの隣に位置どり、耳打ちをする。
「フリージアさん、私が合図したら、コフィン殿下を捨てて逃げて下さい」
フリージアさんは頷く。
周りの騎士や衛兵は、遠巻きに私たちをみて、手出しをすることができない。
コフィン殿下は必死に命乞いをする。
「わかった。わかったから逃がしてやる、だから殺すな」
ナイフの刃先が顔に当たり、一筋の血が流れている。
玉座の裏の隠し通路まであと数十歩程度というところで、大広間の扉が開いた。
低い男性の声が響く。
「まさか、ここに来るとはな」
フロイトが騎士たちを引き連れてやってきたのだ。
コフィン殿下が叫ぶ
「近づくな!!こいつらは本気だ、俺が殺されたら、王家は終わりだこの国は滅ぶぞ」
フロイトが苦笑いを浮かべている。
私はその顔をみて何か、嫌な予感がした。
フロイトは、頭を掻きながら、めんどくさそうに言い放つ。
「わかりました、殿下あなたにはここで死んでもらいます」
フロイトはそのまま、悠然と近づいてくる。
――こいつは本気で死んでもいいと思っている。
「フリージアさん逃げましょう」
フリージアさんはコフィン殿下の首に巻き付けた左腕を離す、よたよたっと2、3歩進むとフロイト達の元へ駆け寄る。
フロイトの正面に立ち、コフィン殿下は、不機嫌に口を開く。
「おい、フロイト死んでもいいとは、どういうことだ?」
コフィン殿下の背中から血で染まった剣の先が突き出る。
コフィン殿下はただ一言だけ発する
「え?」
そのまま床に倒れこみ、床を血で染める。
フロイトは表情を変えずに口を開く
「こういうことです」
私はソルフィン殿下をフリージアさんに託し、2人を背に、剣を構える。
フロイトは表情変えず近づいてくる。
「どうして、コフィン殿下を」
「今やほぼ全軍が我が支配下にある、最早王家には何の意味もない」
「もしかして、最初からそのつもりで」
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