潔癖で真面目だけれども人夏の思い出作りたいっ!

黒綾奈由

文字の大きさ
2 / 4
 一話

風紀とは人によって考え方が違う

しおりを挟む
 午後の授業が終了し、放課後。俺は風紀委員会へ向かう。
「ハロー、君も委員会に向かうのかい?」
 途中で出会いたい人ランキング二位の六日月むにつき三夜みよにばったり出くわした。
 俺は無視して廊下を曲がろうとした。
「うわっと」
「きゃあ」
 誰かとぶつかってしまい、可愛らしい悲鳴が聞こえた。
 ぶつかった相手は、生徒会書記の火柳那由他ひやなぎなゆたさんだった。
「「すっ、すみません!」」
 同時に誤った。
「「あっ、いえいえ」」
 同時に誤り返した。
「では、私はこれで」
 そう言って、生徒会室の方に走っていった。
「ちょっとー? なーに青春学生あるあるを一つ成し遂げようとしているのかなー?」
 六日月三夜が、嫉妬したような口調でいった。
 まあ、そんなことはどうでもいい。今は委員会に向かわなければならないのだ。
 そんなこんなで、委員会に到着。
 俺は並べられているデスクテーブルの一角に、定位置に着席した。
 今現在、委員会には六日月三夜と俺しか居ない。
 すると、扉がバン! と開けられた。そこには人が立っていた。
「遅れちゃいました。あれ? 会長はまだ来ていませんの?」
 今の季節、女子は髪を整えるのが大変だということを全く感じさせないようなきれいな銀髪。雪見だいふくみたいに柔らかそうな肌。瞳には海が如く鮮やかな青。
 やってきたのは、学園二位の天才。染合祐里那そめあいゆりなだった。
 そしてなぜか、もういるはずの六日月三夜が後ろに居た。
「あれっ? なんでボクがもういるのかな?」
「この世界に同じような人間がいるとはきいいていたけど。なかなかにそっくりだね」
 二人の六日月がそう言った。
 そこに染合が疑問をぶつける。
「あれ? でも前からいた方の六日月さんは、いつも右耳につけてるピアスが左耳にありますね。私と一緒に来た六日月さんは右耳についていたのに」
 さすがは学園二位の天才。すごい観察眼だ! と感心している時間はない。
 六日月は、目にどす黒い悪意を浮かべながら言う。
「君、だぁれ?」
 俺もこいつとは中学生からの長い付き合いだが、ここまでムカついているのはあんまり見たことがない。いや、一回だけ怒らせたことがある。
 あれは中学二年生の頃。妹と映画館に言った時の話だ。
 朝、起きて隣に妹が寝ていて絶望したあと、暇なので映画館に行くことにした。
 そのとき、俺は【一匹狼のお弁当 THE movie】という映画が見たかったのでちょうどよかったのだ。

               △

 映画を見終わり満足した俺は、妹がクレープを食べたいと言うので、買うために並んでいた。
 そこで、六日月とばったりでくわした。
「おや~? 柊くんじゃないか。クレープ買うために男一人で並ぶなんて面白いね!」
 クレープを買い、妹のところへ向かおうとすると。
「おや? なんで君はクレープを二つも買ったんだい?」
「妹の分だよ」
 そう言うと、変な笑みを浮かべて。
「いもうとぉ~? 柊くん、妹いたんだね? あってみたいな」
 と言った。
 妹のもとに戻り六日月と会わせてやると、六日月は驚愕の表情を浮かべた。
「い、妹? ふ、ふふ双子? 同年齢? 彼女?」
 妹とは言っても、双子なので何例は一緒。瑠璃色の髪に銀色の目。あんまり似ていない。
「ひ、柊くん。妹なんだよね? 彼女じゃないんだよね?」
 もうなんか敗者の雄叫びみたいな感じに言った。
「お兄ちゃん。この人だれ? 彼女? 今まであんまり女子と面識がないと思ったら、案外あっさりなんだね」
 なんてことを言いやがる。そう思った矢先に、六日月が面倒くさいこと言った。
「ああ、このひとh
「私は、葬奈くんの彼女ですよ。よろしく」
 なんてこと言いやがるんだこいつ。そう思って訂正しようとしたが。
「いいや、ちがうんだ。このひとh
「彼女。だよねぇ~?」
 圧倒的威圧。
 このせいで、今も妹は六日月を彼女だと思っている。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

同級生

真田直樹
青春
主人公:新田里奈(にった・りな) 彼氏:藤川優斗(ふじかわ・ゆうと)

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。

猫屋敷むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で―― 私の願いは一瞬にして踏みにじられました。 母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、 婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。 「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」 まさか――あの優しい彼が? そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。 子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。 でも、私には、味方など誰もいませんでした。 ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。 白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。 「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」 やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。 それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、 冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。 没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。 これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。 ※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ ※わんこが繋ぐ恋物語です ※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ

【朗報】俺をこっぴどく振った幼馴染がレンカノしてたので2時間15,000円でレンタルしてみました

田中又雄
恋愛
俺には幼稚園の頃からの幼馴染がいた。 しかし、高校進学にあたり、別々の高校に行くことになったため、中学卒業のタイミングで思い切って告白してみた。 だが、返ってきたのは…「はぁ!?誰があんたみたいなのと付き合うのよ!」という酷い言葉だった。 それからは家は近所だったが、それからは一度も話をすることもなく、高校を卒業して、俺たちは同じ大学に行くことになった。 そんなある日、とある噂を聞いた。 どうやら、あいつがレンタル彼女なるものを始めたとか…。 気持ち悪いと思いながらも俺は予約を入れるのであった。 そうして、デート当日。 待ち合わせ場所に着くと、後ろから彼女がやってきた。 「あ、ごめんね!待たせちゃっ…た…よ…ね」と、どんどんと顔が青ざめる。 「…待ってないよ。マイハニー」 「なっ…!?なんであんたが…!ばっかじゃないの!?」 「あんた…?何を言っているんだい?彼女が彼氏にあんたとか言わないよね?」 「頭おかしいんじゃないの…」 そうして、ドン引きする幼馴染と俺は初デートをするのだった。

処理中です...