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6.食堂での仕事
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食堂で働き出すと、オーレリアを一目見たいというたくさんのお客達が、毎日詰めかけるようになっていた。
器量が良く、一生懸命働くオーレリアには、たくさんの男達が次々と声をかける。
「帰り待ってるから、食事をしに行こう。」
「休みの日、デートしよう。」
「おじさんの息子と会ってみないかい?」
お客達の間を丁寧に注文を取って歩くオーレリアは、常に注目の的で、男達の視線を集めている。
忙しく働いていても、所作の美しさは変わらずで、一人一人と丁寧に接客するその姿をぼんやりと見ているだけでも、心が洗われる。
そんな女性だった。
そして、どんなに偉そうな人や金回りの良さそうな人が話しかけても、誰に媚びるわけでもないし、贔屓をするわけでもない。
その純粋で公平な態度は、誰もが好感を持てるもので、ただの綺麗な鑑賞相手というだけでなく、どんな手を使っても彼女をいとめたいと願うものも出てきていた。
それは日ごとに増えていき、ついには仕事帰りに待ち伏せする者も現れ、とても一人で暮らすのは、危険過ぎると判断したサリーは、借りたばかりのオーレリアの家を引き払い、店の二階に住まわせた。
そうなると、男達は店でしか会えないと思い、さらに店に詰めかけて、サリーの経営するただの食堂は、あっという間に長蛇の列ができる繁盛店になった。
夜の営業が終わり、店を閉めた後、遅くなった夕食をオーレリアとサリーはとっていた。
「リア、あんたすごいね。
もう少し緩く働いたら?
一生懸命な姿もまた、男達がほっておかないって言うか。
まぁ、それがあんたのいいところなんだけどね。
平民のくせにやけに動きが上品なんだよ。
高嶺の花が、何故か店の中にいるみたいな。」
「はぁ、ご迷惑かけているなら、すみません。」
一般の民として働いたことがなかったオーレリアは、王宮でやっていたように働いていたつもりだが、私は普通ではないかもしれないと不安に思った。
王宮では、私に注目する人などいなかったし、ましてや色々と誘ってくる男性など皆無であったのに、私の何が皆と違うのだろう。
「いや、いや、文句言うつもりはないんだよ。
ただ、何て言うか、男達に注目されて大変なら、後ろの厨房に行くかい?
あそこなら、男達もうるさくないだろうし。」
そうサリーが提案すると、オーレリアは嬉しそうに微笑む。
厨房ならサリーさんを困らせることなく、働かせてもらえるかもしれない。
それに、元々はライナートが喜ぶような料理をしたいとこの店に来たのを思い出した。
「はい、料理作りも好きなので、よろしくお願いします。」
「じゃ、明日からしばらく厨房に入って、私が注文取りに行くよ。」
「ありがとうございます。」
次の日から、オーレリアは食堂の調理の担当になった。
早速次の日から、オーレリアの姿を見れなくなった男達は不満の嵐だったが、いざ料理を食べ始めると、とても美味しく、その料理をオーレリアが作っていると思うとみんなにやけながら、静かに食べ始める。
結果的には静かな食堂にはなったが、長蛇の列は延びる一方だった。
特におススメのシチューは絶品で、必ず注文されている。
どんなに男達に誘われても、いっこうになびかない清楚なその姿は、食堂に行っても中々見ることはできず、運良く見れたら御利益があると噂されたことで、さらに神秘性まで醸し出し、平民の間で姫と囁かれている。
だか、そんなことを全く知らないオーレリアは、自分の料理の中で、シチューが一番美味しいのは、ライナートのおかげと妙に納得していた。
器量が良く、一生懸命働くオーレリアには、たくさんの男達が次々と声をかける。
「帰り待ってるから、食事をしに行こう。」
「休みの日、デートしよう。」
「おじさんの息子と会ってみないかい?」
お客達の間を丁寧に注文を取って歩くオーレリアは、常に注目の的で、男達の視線を集めている。
忙しく働いていても、所作の美しさは変わらずで、一人一人と丁寧に接客するその姿をぼんやりと見ているだけでも、心が洗われる。
そんな女性だった。
そして、どんなに偉そうな人や金回りの良さそうな人が話しかけても、誰に媚びるわけでもないし、贔屓をするわけでもない。
その純粋で公平な態度は、誰もが好感を持てるもので、ただの綺麗な鑑賞相手というだけでなく、どんな手を使っても彼女をいとめたいと願うものも出てきていた。
それは日ごとに増えていき、ついには仕事帰りに待ち伏せする者も現れ、とても一人で暮らすのは、危険過ぎると判断したサリーは、借りたばかりのオーレリアの家を引き払い、店の二階に住まわせた。
そうなると、男達は店でしか会えないと思い、さらに店に詰めかけて、サリーの経営するただの食堂は、あっという間に長蛇の列ができる繁盛店になった。
夜の営業が終わり、店を閉めた後、遅くなった夕食をオーレリアとサリーはとっていた。
「リア、あんたすごいね。
もう少し緩く働いたら?
一生懸命な姿もまた、男達がほっておかないって言うか。
まぁ、それがあんたのいいところなんだけどね。
平民のくせにやけに動きが上品なんだよ。
高嶺の花が、何故か店の中にいるみたいな。」
「はぁ、ご迷惑かけているなら、すみません。」
一般の民として働いたことがなかったオーレリアは、王宮でやっていたように働いていたつもりだが、私は普通ではないかもしれないと不安に思った。
王宮では、私に注目する人などいなかったし、ましてや色々と誘ってくる男性など皆無であったのに、私の何が皆と違うのだろう。
「いや、いや、文句言うつもりはないんだよ。
ただ、何て言うか、男達に注目されて大変なら、後ろの厨房に行くかい?
あそこなら、男達もうるさくないだろうし。」
そうサリーが提案すると、オーレリアは嬉しそうに微笑む。
厨房ならサリーさんを困らせることなく、働かせてもらえるかもしれない。
それに、元々はライナートが喜ぶような料理をしたいとこの店に来たのを思い出した。
「はい、料理作りも好きなので、よろしくお願いします。」
「じゃ、明日からしばらく厨房に入って、私が注文取りに行くよ。」
「ありがとうございます。」
次の日から、オーレリアは食堂の調理の担当になった。
早速次の日から、オーレリアの姿を見れなくなった男達は不満の嵐だったが、いざ料理を食べ始めると、とても美味しく、その料理をオーレリアが作っていると思うとみんなにやけながら、静かに食べ始める。
結果的には静かな食堂にはなったが、長蛇の列は延びる一方だった。
特におススメのシチューは絶品で、必ず注文されている。
どんなに男達に誘われても、いっこうになびかない清楚なその姿は、食堂に行っても中々見ることはできず、運良く見れたら御利益があると噂されたことで、さらに神秘性まで醸し出し、平民の間で姫と囁かれている。
だか、そんなことを全く知らないオーレリアは、自分の料理の中で、シチューが一番美味しいのは、ライナートのおかげと妙に納得していた。
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