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結婚後
21.宝石店
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アリス達は、光輝く店内の宝石を眺めながら、奥の特別室に案内された。
ここは王都で一番と呼ばれるほどの宝石店で、レイモンドがアリスへプレゼントする時はここのオーナーであるラウノが公爵家に宝石を持って訪問している。
よって、この宝石店に直接、レイモンドが来るのは、初めてだった。
「急にお邪魔して悪かったね。」
「いえいえ、丁寧に先ぶれまでいただいて、感謝しております。
まずは、ご結婚おめでとうございます。
アリス様ですね。
初めまして。
会えて、光栄です。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。
私はいつもレイにプレゼントされるばかりで、こちらで、お買い物したことはなかったわね。」
「はい、ぜひこれからはご贔屓にしていただけると、大変喜ばしく存じます。
ところで、伺っていた相談とはどのようなお話でしょうか?」
「ああ、それがね。
この者はカーラと言って、うちで働いていてくれた人なんだ。
それで、内緒で、うちの宝石を磨いてくれていて、誤解されて、連行されてしまったんだ。
ほら、僕が今までアリスに送った宝石は古いものだと、十年以上経った物もあるだろう。
そのまま、保管しているのは、宝石が可哀想だってね。
聞いてみると宝石をとても大切にする人だとわかったんだ。
それで、どこか、宝石に関係する仕事を紹介してほしいと思ってね。」
「なるほど、でも、私どもが一番大切にするのは信頼と宝石を目利きする力なんです。
それがないと、レイモンド様の御推薦でも、受け入れかねます。」
「信頼と言うなら、私のレイモンドからもらった宝石を彼女が何か悪いことをしたのなら、こちらへお渡しします。」
「アリス様の宝石は国宝クラスなので、もし、カーラさんが目利きの力があるなら、むしろ働いてもらって、いざと言う時、アリス様の宝石をいただくのも、正直悪くないです。」
ラウノは商売人らしい、抜け目のない顔をみせた。
「私は絶対に悪いことはしません。
アリス様に誓います。」
「そうですか、でしたら早速、目利きの力を試させていただきます。」
「はい、よろしくお願いします。」
カーラはさらに真剣な顔つきになる。
ラウノは奥から、宝石を10個ほど乗せたベルベットの箱を持って来て、三人の前に並べ、白い手袋をカーラに渡す。
「こちらをどうぞ。
この宝石を偽物は左、本物は右に分けてください。」
カーラは手袋を履いて、一個ずつ手に取って、宝石を見て、選別していく。
その視線は、喜びに溢れている。
それを見たアリスは、カーラは宝石を手に取って、見ることを楽しんでいる。
だったら、大丈夫。
そう思った。
「こうだと思います。」
カーラの仕分けは左の偽物はたった一つで、残りはすべて本当であった。
それを見たラウノはクックと笑い出した。
「すべて当たりです。
ここは王都一の宝石店です。
偽物なんて、ほぼないんですよ。
カーラさんはどこで学んだのですか?」
「私は学んでいません。
でも、本物は輝いて見えるんです。
惹きつける力を感じます。」
「なるほど、最後にあなたがこの中で一番ほしいのは、どれですか?」
「私がほしいのは、この宝石です。
でも、価値が一番高いのはこちらです。」
「カーラさん、あなた最高です。
ほしいと言ったのは、昔、王妃が王にもらった中で、一番大切にしていたピンクダイヤモンドです。
価値が高いのは、タンザナイトと言うもので、希少性が高いものです。
でも、女性はダイヤモンドに一番愛を感じる方が多い。
宝石商は、ただ美しいものを集めるのではなく、主に女性が欲しがるものを集めるのが、仕事です。
あなたはそれがすでにできている。
紹介すると言う話でしたが、こちらで、一緒に働きませんか?」
「ラウノさん、ありがとうございます。
ぜひ、働かせてください。」
カーラさんは、その後、宝石商として、多くの女性を虜にしていくこととなった。
ここは王都で一番と呼ばれるほどの宝石店で、レイモンドがアリスへプレゼントする時はここのオーナーであるラウノが公爵家に宝石を持って訪問している。
よって、この宝石店に直接、レイモンドが来るのは、初めてだった。
「急にお邪魔して悪かったね。」
「いえいえ、丁寧に先ぶれまでいただいて、感謝しております。
まずは、ご結婚おめでとうございます。
アリス様ですね。
初めまして。
会えて、光栄です。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。
私はいつもレイにプレゼントされるばかりで、こちらで、お買い物したことはなかったわね。」
「はい、ぜひこれからはご贔屓にしていただけると、大変喜ばしく存じます。
ところで、伺っていた相談とはどのようなお話でしょうか?」
「ああ、それがね。
この者はカーラと言って、うちで働いていてくれた人なんだ。
それで、内緒で、うちの宝石を磨いてくれていて、誤解されて、連行されてしまったんだ。
ほら、僕が今までアリスに送った宝石は古いものだと、十年以上経った物もあるだろう。
そのまま、保管しているのは、宝石が可哀想だってね。
聞いてみると宝石をとても大切にする人だとわかったんだ。
それで、どこか、宝石に関係する仕事を紹介してほしいと思ってね。」
「なるほど、でも、私どもが一番大切にするのは信頼と宝石を目利きする力なんです。
それがないと、レイモンド様の御推薦でも、受け入れかねます。」
「信頼と言うなら、私のレイモンドからもらった宝石を彼女が何か悪いことをしたのなら、こちらへお渡しします。」
「アリス様の宝石は国宝クラスなので、もし、カーラさんが目利きの力があるなら、むしろ働いてもらって、いざと言う時、アリス様の宝石をいただくのも、正直悪くないです。」
ラウノは商売人らしい、抜け目のない顔をみせた。
「私は絶対に悪いことはしません。
アリス様に誓います。」
「そうですか、でしたら早速、目利きの力を試させていただきます。」
「はい、よろしくお願いします。」
カーラはさらに真剣な顔つきになる。
ラウノは奥から、宝石を10個ほど乗せたベルベットの箱を持って来て、三人の前に並べ、白い手袋をカーラに渡す。
「こちらをどうぞ。
この宝石を偽物は左、本物は右に分けてください。」
カーラは手袋を履いて、一個ずつ手に取って、宝石を見て、選別していく。
その視線は、喜びに溢れている。
それを見たアリスは、カーラは宝石を手に取って、見ることを楽しんでいる。
だったら、大丈夫。
そう思った。
「こうだと思います。」
カーラの仕分けは左の偽物はたった一つで、残りはすべて本当であった。
それを見たラウノはクックと笑い出した。
「すべて当たりです。
ここは王都一の宝石店です。
偽物なんて、ほぼないんですよ。
カーラさんはどこで学んだのですか?」
「私は学んでいません。
でも、本物は輝いて見えるんです。
惹きつける力を感じます。」
「なるほど、最後にあなたがこの中で一番ほしいのは、どれですか?」
「私がほしいのは、この宝石です。
でも、価値が一番高いのはこちらです。」
「カーラさん、あなた最高です。
ほしいと言ったのは、昔、王妃が王にもらった中で、一番大切にしていたピンクダイヤモンドです。
価値が高いのは、タンザナイトと言うもので、希少性が高いものです。
でも、女性はダイヤモンドに一番愛を感じる方が多い。
宝石商は、ただ美しいものを集めるのではなく、主に女性が欲しがるものを集めるのが、仕事です。
あなたはそれがすでにできている。
紹介すると言う話でしたが、こちらで、一緒に働きませんか?」
「ラウノさん、ありがとうございます。
ぜひ、働かせてください。」
カーラさんは、その後、宝石商として、多くの女性を虜にしていくこととなった。
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