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第五節
夜の息づかい(14)
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もう間もなく、日付が変わろうとしていた。
皆は疲れ果て、目が、うつろになっている。
私もその一人だ。
悪魔は人の姿のまま、死んでいた。
妻は娘と体を寄せて眠っている。
老婆も頭をこくりこくりとして、まどろみにいる。
田堂の親子もまどろみに入り、いつ寝ても良いだろう。
皆が、まどろみにある状態を見て、私は不思議な安心感を覚えた。
何だろうか。
私は気が付いた。
悪魔に恐れているのではなく、人に恐れていた。
助かりたいと願う思いが交錯している。
しかし、寝ている時だけは、人は同じ様子になる。
そう考えているうちに、私の視界も、まどろみに溺れていった。
目を開くと、私は、厨房に居た。
「お父さん、助けて」
厨房にあるシャッターの向こう側から娘の声がする。
私は、シャッターを開けようと試みるがびくともしない。
「今開けるからな、待っていろ」
私は屈んで、腰に力を入れ、全力でシャッターを持ち上げる。
少しずつ開いていく。
半分程、シャッターが持ち上がると上体を上げて上へ押し上げる。
シャッターが開いた。
このシャッターは納品された食材の搬入場所だと思っていた。
しかし、シャッターの向こう側には、施設が続いていた。
薄暗い廊下。
湿気が充満した、むさ苦しい空間。
時折、天井から結露が滴る。
その廊下は真っ直ぐに続き、窓は一つも無い。
廊下の左右には、鉄格子で仕切られた部屋が連なっている。
私は廊下へと足を踏み入れた。
ゆっくり歩いていく。
まるで、牢獄を見ているかのようだった。
鉄格子の中に目を凝らす。
床に、注射器が転がっている。
奥の鉄格子の中を見る。
何も無い。
更に奥の鉄格子の中を見た。
何も無い。
いや、視界に何か映った。
部屋の片隅に固まっている何やら動物が居た。
目を凝らす。
そこには、幼い子供が数人見えた。
身を寄せ合っている。
視線を子供達の足元に向けると、その子供達の下にも子供達が居た。
部屋の床には、体を密着させている子供達が大勢居る。
糸を通す隙間も無い程に密着し、まるで子供達の絨毯だった。
見渡すも、そこに娘は居ない。
皆は疲れ果て、目が、うつろになっている。
私もその一人だ。
悪魔は人の姿のまま、死んでいた。
妻は娘と体を寄せて眠っている。
老婆も頭をこくりこくりとして、まどろみにいる。
田堂の親子もまどろみに入り、いつ寝ても良いだろう。
皆が、まどろみにある状態を見て、私は不思議な安心感を覚えた。
何だろうか。
私は気が付いた。
悪魔に恐れているのではなく、人に恐れていた。
助かりたいと願う思いが交錯している。
しかし、寝ている時だけは、人は同じ様子になる。
そう考えているうちに、私の視界も、まどろみに溺れていった。
目を開くと、私は、厨房に居た。
「お父さん、助けて」
厨房にあるシャッターの向こう側から娘の声がする。
私は、シャッターを開けようと試みるがびくともしない。
「今開けるからな、待っていろ」
私は屈んで、腰に力を入れ、全力でシャッターを持ち上げる。
少しずつ開いていく。
半分程、シャッターが持ち上がると上体を上げて上へ押し上げる。
シャッターが開いた。
このシャッターは納品された食材の搬入場所だと思っていた。
しかし、シャッターの向こう側には、施設が続いていた。
薄暗い廊下。
湿気が充満した、むさ苦しい空間。
時折、天井から結露が滴る。
その廊下は真っ直ぐに続き、窓は一つも無い。
廊下の左右には、鉄格子で仕切られた部屋が連なっている。
私は廊下へと足を踏み入れた。
ゆっくり歩いていく。
まるで、牢獄を見ているかのようだった。
鉄格子の中に目を凝らす。
床に、注射器が転がっている。
奥の鉄格子の中を見る。
何も無い。
更に奥の鉄格子の中を見た。
何も無い。
いや、視界に何か映った。
部屋の片隅に固まっている何やら動物が居た。
目を凝らす。
そこには、幼い子供が数人見えた。
身を寄せ合っている。
視線を子供達の足元に向けると、その子供達の下にも子供達が居た。
部屋の床には、体を密着させている子供達が大勢居る。
糸を通す隙間も無い程に密着し、まるで子供達の絨毯だった。
見渡すも、そこに娘は居ない。
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