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第五節
夜の息づかい(17)
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画面が切り替わる。
廊下を歩く男性。
ランタンの明かりが漏れる牢屋に着いた。
その牢屋には、誰も居なかった。
ぐるる。
犬の威嚇する声が聞こえて、男性は左を見る。
そこには、大型犬が居た。
私は全力で廊下を走って逃げる。
あと少しでシャッターの所で、足を滑らせて転倒した。
その男性に犬は飛びかかり、男性の首に噛み付く。
それを見て、皆は大笑いしている。
「いやー!」
突然、田堂の母が叫んだ。
叫び声は悲鳴にも似ている。
田堂の母へ目線を向けた時、私の全身をふわっとした空気に包まれる。
その瞬間、視界はまた違った光景を映した。
眠っていたようだ。
私は上体を起こし、周囲を見た。
元の店内に戻っている。
「ねぇ、どうしたの? ねぇ!」
田堂の母が、息子の体を揺すっている。
息子は目が突出して、呼吸をしようにも何か詰まっていて出来ない。
顔は赤く、唇は青白い。
「早く、テープを剥がしてください!」
篠生は、田堂の母に言う。
「ならぬ! 声を上げれば、悪魔が集まる」
老婆は阻止しようとする。
田堂の母は混乱して呼吸が荒い。
「ぼ、僕だって。僕だって、医者なんだ!」
篠生はそう言って、田堂の息子へ駆け寄る。
篠生は田堂の息子の口を塞ぐテープを取った。
田堂の息子は、舌は垂れ下がり、よだれが流れる。
喉を詰まらせて、呼吸の循環が出来ていない。
「横に寝かせます」
篠生は言う。
「そう言って、あたしの息子を殺そうとしているのね! あたしの息子には一本も触れさせないわ」
田堂の母は篠生の前に立ちはだかる。
見る見るうちに、田堂の息子の状態が悪化していく。
遂には、田堂の息子の全身が、大きく痙攣を起こし始めた。
痙攣により、車椅子が大きく揺れ動く。
その揺れに車椅子の車輪が耐えている。
次の瞬間、田堂の息子の痙攣が、ぴたっと、止まった。
先程までの激しい動きが止まり、静けさが広がる。
静けさの中で、私の不穏な心音が体を揺らす。
廊下を歩く男性。
ランタンの明かりが漏れる牢屋に着いた。
その牢屋には、誰も居なかった。
ぐるる。
犬の威嚇する声が聞こえて、男性は左を見る。
そこには、大型犬が居た。
私は全力で廊下を走って逃げる。
あと少しでシャッターの所で、足を滑らせて転倒した。
その男性に犬は飛びかかり、男性の首に噛み付く。
それを見て、皆は大笑いしている。
「いやー!」
突然、田堂の母が叫んだ。
叫び声は悲鳴にも似ている。
田堂の母へ目線を向けた時、私の全身をふわっとした空気に包まれる。
その瞬間、視界はまた違った光景を映した。
眠っていたようだ。
私は上体を起こし、周囲を見た。
元の店内に戻っている。
「ねぇ、どうしたの? ねぇ!」
田堂の母が、息子の体を揺すっている。
息子は目が突出して、呼吸をしようにも何か詰まっていて出来ない。
顔は赤く、唇は青白い。
「早く、テープを剥がしてください!」
篠生は、田堂の母に言う。
「ならぬ! 声を上げれば、悪魔が集まる」
老婆は阻止しようとする。
田堂の母は混乱して呼吸が荒い。
「ぼ、僕だって。僕だって、医者なんだ!」
篠生はそう言って、田堂の息子へ駆け寄る。
篠生は田堂の息子の口を塞ぐテープを取った。
田堂の息子は、舌は垂れ下がり、よだれが流れる。
喉を詰まらせて、呼吸の循環が出来ていない。
「横に寝かせます」
篠生は言う。
「そう言って、あたしの息子を殺そうとしているのね! あたしの息子には一本も触れさせないわ」
田堂の母は篠生の前に立ちはだかる。
見る見るうちに、田堂の息子の状態が悪化していく。
遂には、田堂の息子の全身が、大きく痙攣を起こし始めた。
痙攣により、車椅子が大きく揺れ動く。
その揺れに車椅子の車輪が耐えている。
次の瞬間、田堂の息子の痙攣が、ぴたっと、止まった。
先程までの激しい動きが止まり、静けさが広がる。
静けさの中で、私の不穏な心音が体を揺らす。
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