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第六節
人とは。悪魔とは。(7)
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郷珠は、出入り口へ歩きながら、小さく息を吸う。
「悪魔に少しでも人の心が残っている事を願いたい」
郷珠は、歩きながら、言った。
その郷珠の背中は迷いが無く、声は道念を悟すように穏やかだった。
郷珠は、出入り口に着くと、扉を開けた。
たちまち、白い霧が店内に入り込む。
郷珠は、白杖とランタンを同じ手に持ち、もう片方の手で、灯油タンクを持ち上げた。
白杖を突きながら、外に出た。
霧の中で、郷珠の姿が朧げに見える。
扉は、開いたままになっている。
郷珠は、出入り口先で、静かにしゃがみ、座禅を組んだ。
今まで手放さなかった白杖を地面に置いた。
「悪魔よ。悪魔とは何か。無常なものに善悪をいだき、無我なものに我をいだくものを悪魔という」
その時だった。
郷珠は、灯油を自らの頭から、かけ始めた。
私は驚倒して、思わず、言葉を失う。
郷珠の体はぎとぎとした灯油まみれになる。
二つの灯油タンクをかけ終えた。
郷珠の着衣も灯油を染み込ませて、濡れた色になる。
座禅を組んだ足の重なった部分には、灯油が溜まる。
郷珠の周囲も、水溜りのように灯油が広がっている。
次の瞬間。
郷珠は、ランタンを頭上に持ち上げた。
そして、ランタンを頭に打ち付けた。
ランタンのケースが割れて、ランタンの灯火が郷珠に触れる。
「悪魔に少しでも人の心が残っている事を願いたい」
郷珠は、歩きながら、言った。
その郷珠の背中は迷いが無く、声は道念を悟すように穏やかだった。
郷珠は、出入り口に着くと、扉を開けた。
たちまち、白い霧が店内に入り込む。
郷珠は、白杖とランタンを同じ手に持ち、もう片方の手で、灯油タンクを持ち上げた。
白杖を突きながら、外に出た。
霧の中で、郷珠の姿が朧げに見える。
扉は、開いたままになっている。
郷珠は、出入り口先で、静かにしゃがみ、座禅を組んだ。
今まで手放さなかった白杖を地面に置いた。
「悪魔よ。悪魔とは何か。無常なものに善悪をいだき、無我なものに我をいだくものを悪魔という」
その時だった。
郷珠は、灯油を自らの頭から、かけ始めた。
私は驚倒して、思わず、言葉を失う。
郷珠の体はぎとぎとした灯油まみれになる。
二つの灯油タンクをかけ終えた。
郷珠の着衣も灯油を染み込ませて、濡れた色になる。
座禅を組んだ足の重なった部分には、灯油が溜まる。
郷珠の周囲も、水溜りのように灯油が広がっている。
次の瞬間。
郷珠は、ランタンを頭上に持ち上げた。
そして、ランタンを頭に打ち付けた。
ランタンのケースが割れて、ランタンの灯火が郷珠に触れる。
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