乙女ゲームは水槽の中

nana

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実験後

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A「…あら、被検体3号がまた気づいたの。この子察しが良すぎて上手く命令を送れないのよね。処分かしら。」

B「処分だな、邪魔すぎる。代わりに誰を入れるか…」

2人の声が響き渡る。
周囲には数多の水槽。
水槽の中にはたくさんの管に繋がれた脳。
管の先にはコンピュータ。

そう、2人は乙女ゲームを強制的に脳にプレイさせている。

脳は、人だった。
いや、過去形はおかしいかもしれない。
ゲームの中で人として生きている。
昔とは違う人としてだが。

2人は初め、ゲーム機器の乙女ゲームで満足し、語り合っていた。

そのうちAが言い出した。
「ねぇ、人間でやったらどうなるかな?乙女ゲーム。」

…これが出来る能力がAにはあった。
すぐさま人の脳を抜き取り誰も入って来れない場所を作り、脳による乙女ゲームを作った。

そして、時に脳に信号を送り、乙女ゲームから脱線させないようにした。

しかし、被検体3号はそれに応じなかった。

Aにとって邪魔だった。
でももうどうでも良くなってきていた。
Aはもうこの脳の乙女ゲームも飽きているからだ。

次は脳で戦闘ゲームにでも作ろう。
そしたら被検体3号は邪魔だから処分だ。

代わりに…

A「ねぇ、B」

B「どうした…?…っ」

A「Bのそれ、ちょうだい?」

Bもまた水槽の中に入った。

しかしBは気づかないだろう。

それが現実か、プログラミングされたゲームか。

自分は存在しているのか、それとも脳なのか…。
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