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90 カノン・クライスラーはリンカネーション・ハイである(最終話)
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カノンとオルフェウスは卒業の報告をするために、クライスラー子爵家に転移した。
「父さま、母さま、兄さま、義姉さま!無事卒業しました!」
バーンスタイン王国の辺境伯領だけが一連の騒ぎから落ち着いた頃、ジュールとジゼルは無事に結婚した。
王都や王宮は落ち着いているとは言いがたかったが、あの騒ぎの元凶たちのせいで娘の婚姻の予定が遅れるなどあってなるものかと辺境伯が強引に事をすすめたのだ。
その為ジュールとジゼルは仲睦まじくやっており、何の問題もない。
しかし、いつの間にか随分変わってしまった娘の言動にも慣れ、その規格外の魔法にも慣れ、時々娘が持ち込む驚くほどの性能を持つ便利魔道具にも慣れ、何故か里帰りの際に必ず伴ってくる王族の彼にも、子爵家一同やっと慣れてきた。
宮廷魔法師団からきたスカウトにも断りを入れ、卒業後はそのまま王都に住み、相棒の『フェイ』と共に冒険者活動を続けたいというカノンの言葉に、そんな気がしていたと子爵家一同納得もした。
しかし、フェイが黒い笑みを浮かべて山積みの釣書を持ち帰ってから二年。覚悟していたその瞬間が未だ訪れないのだ。
クライスラー子爵はあの時のフェイの様子から、そうなのだと思っていた。
もしそうで無いのなら、そろそろ娘の嫁入り先を探さねばならない。
しかし、二年前より娘宛の釣書は国王宛に送られることとなったままで、こちらには一切回ってこない。確かにカノンには好きな人に嫁いで欲しいのだと言いはしたが、色恋に疎そうなカノンを見ていると本当にその時は来るのかと子爵は不安になっていた。
まさか王族であるオルフェウスに子爵から「うちの娘を貰ってくれるのではないのですか?」とは聞けず、子爵は今日も二人を張り付けた笑顔で見送ったのだった。
子爵家を出た後、二人は隣国バーンスタイン王国の山中を訪れていた。
ここには二年前──ドラゴンと魔獣との戦いで荒れたバーンスタイン王国の王都周辺をソラが古代魔法で『原状回復』してから何度か訪れている。
あれから約束通りバーンスタイン王国の貴族からの接触はなく、快適に冒険者活動を行っている。
「ルスティカーナ様!」
「おお、『今日は』カノンの方だな?そっちもオルフェウスの方か。人間はややこしいな」
バーンスタイン王国の山中とは、当然ドラゴンの住まう山だ。
カノンとオルフェウスは今やドラゴンに名を教えて貰うほど、仲良くなっていた。
カノンがソラと自分が別人であるという設定を貫き通したいために秘密にしてはいるが、この事を公表すれば、カノンがソラと同一人物であると一般に広く認識されても誰も手出しが出来ないだろうとオルフェウスは思う。しかしそうしてしまっては今のような勝手気ままな冒険者生活は出来なくなるだろう。
それでなくともカノンは自分から面倒ごとに突っ込んでいく質であるのだ。そんなことになれば、更に色々なことに巻き込まれるに決まっている。
カノンは前世で『物語』が大好きだったようで、その『物語』に似たシュチュエーションがあると異常な高揚感を感じるらしく、自ら関りを持とうとするのだ。その結果、事件に巻き込まれる。
その最たるものが、記憶が戻ったばかりの時に自ら飛び込んでいった『盗賊のアジト壊滅』の件だろう。
カノン本人はその現象を転生者・ハイだと言っていたが、オルフェウスには未だそれがどんなものか良く理解ってはいない。
「聞くところによると、『卒業』には『祝い』をせねばならんのだろう?何か望むものはあるか」
誰から聞いたのか、ルスティカーナがカノンにそんなことを言った。
「えぇ?お祝いな──」
お祝いなんて、いいですよ~と言いかけて、カノンはふと思った。
カノンは学園を卒業した。
そう、カノンは寮を出るのだ。
──と、言うことは、アレが解禁なのではないだろうか。
「黒い『使い魔』が欲しいんですっ!ルスティカーナ様!誰か紹介してくれませんか???」
ここにはルスティカーナを慕ってやって来た魔獣がたくさん住んでいる。一人くらいカノンと一緒に行ってもいいよという黒い子がいるかもしれない!
「そう言えばそんなことを言っていたね・・・。諦めてなかったんだ」
フェイがそう言って苦笑した。
学園生であったため一旦は諦めたが、『魔法の杖』も『空飛ぶホウキ』も実は完全に諦めてはいない。
『ホウキ』はまだ収納に入っているし、杖だって、人目に付かないところでなら使ってもいいんじゃないかな~くらいには思っている。
「なるほど、次に会う時までに何匹かに声を掛けておこう。気に入った者を連れて行くと良い──っと、おぉ、とうとう出来たのか?」
ルスティカーナがふと、オルフェウスの懐から自身の気配を感じ取り、そう尋ねた。
「はい、なんとか完成しました」
「?」
話が見えず首を傾げるカノンに、オルフェウスが懐から出した箱を差し出した。
「卒業祝いだよ。開けてみて」
オルフェウスにそう言われカノンがその箱を開けると、中にはかわいらしい髪飾りと指輪が入っていた。
「わぁ!キレイ!!」
「ルスティカーナ様の鱗から作ったんだ。固くて僕の魔法でも中々加工が出来ず、二年も掛かってしまった」
どちらも七色の光を反射するルスティカーナの鱗に、オルフェウスの色である青い魔石と、金が使われていた。
「使用者登録にサイズの自動調整と──付与がえげつないな。カノンはそんなに護りを必要としておらんだろう」
ルスティカーナが呆れたように言うが、オルフェウスは転生者・ハイを発動し、とんでもないことをしでかしたり、自ら面倒ごとに飛び込んでいくカノンを見ていると心配で仕方がないのだ。
ルスティカーナは鱗の加工とそれをカノンにプレゼントすることについては許可を求められたため事前に聞いていたが、何を作るかまでは聞いていなかった。
しかし人間たちの事情に疎いルスティカーナにも、これらを見れば何も言われずとも察することは出来た。
オルフェウスが自らの色を使って作ったアクセサリーとそれに施された付与は『カノンは自分の物だ』と主張しているようなものだし、オベルトがルスティカーナの鱗でアクセサリーを送ろうとしたときは全力で拒否していたカノンが今、オルフェウスの作ったアクセサリーを見て瞳を輝かせている。
ドラゴンは人間と違って空気など読まない。
「で、二人はいつ頃婚姻するのだ?」
「「え!?婚姻!?」」
ルスティカーナの質問に、オルフェウスとカノンの声がハモった。
天界地球支部日本派出所転生課第百六十三番窓口からはじまったこの転生。
これから新たな冒険譚がはじまるのだと思っていた所に、いきなり加わった恋愛要素(多分)。
それでもカノンとオルフェウスの冒険とスイーツ探訪はまだまだ続くのだろう。
カノン・クライスラーはこれからも転生者・ハイである。
*--*--*
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
少しでも面白いな、好きだなと思って頂けていたらうれしいです。
あと、おまけの小話(全二話)、書けなかったけど、私が気になるお残しエピソードを消化したお話になります。
軽く読めますので、ついでに読んで(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
「父さま、母さま、兄さま、義姉さま!無事卒業しました!」
バーンスタイン王国の辺境伯領だけが一連の騒ぎから落ち着いた頃、ジュールとジゼルは無事に結婚した。
王都や王宮は落ち着いているとは言いがたかったが、あの騒ぎの元凶たちのせいで娘の婚姻の予定が遅れるなどあってなるものかと辺境伯が強引に事をすすめたのだ。
その為ジュールとジゼルは仲睦まじくやっており、何の問題もない。
しかし、いつの間にか随分変わってしまった娘の言動にも慣れ、その規格外の魔法にも慣れ、時々娘が持ち込む驚くほどの性能を持つ便利魔道具にも慣れ、何故か里帰りの際に必ず伴ってくる王族の彼にも、子爵家一同やっと慣れてきた。
宮廷魔法師団からきたスカウトにも断りを入れ、卒業後はそのまま王都に住み、相棒の『フェイ』と共に冒険者活動を続けたいというカノンの言葉に、そんな気がしていたと子爵家一同納得もした。
しかし、フェイが黒い笑みを浮かべて山積みの釣書を持ち帰ってから二年。覚悟していたその瞬間が未だ訪れないのだ。
クライスラー子爵はあの時のフェイの様子から、そうなのだと思っていた。
もしそうで無いのなら、そろそろ娘の嫁入り先を探さねばならない。
しかし、二年前より娘宛の釣書は国王宛に送られることとなったままで、こちらには一切回ってこない。確かにカノンには好きな人に嫁いで欲しいのだと言いはしたが、色恋に疎そうなカノンを見ていると本当にその時は来るのかと子爵は不安になっていた。
まさか王族であるオルフェウスに子爵から「うちの娘を貰ってくれるのではないのですか?」とは聞けず、子爵は今日も二人を張り付けた笑顔で見送ったのだった。
子爵家を出た後、二人は隣国バーンスタイン王国の山中を訪れていた。
ここには二年前──ドラゴンと魔獣との戦いで荒れたバーンスタイン王国の王都周辺をソラが古代魔法で『原状回復』してから何度か訪れている。
あれから約束通りバーンスタイン王国の貴族からの接触はなく、快適に冒険者活動を行っている。
「ルスティカーナ様!」
「おお、『今日は』カノンの方だな?そっちもオルフェウスの方か。人間はややこしいな」
バーンスタイン王国の山中とは、当然ドラゴンの住まう山だ。
カノンとオルフェウスは今やドラゴンに名を教えて貰うほど、仲良くなっていた。
カノンがソラと自分が別人であるという設定を貫き通したいために秘密にしてはいるが、この事を公表すれば、カノンがソラと同一人物であると一般に広く認識されても誰も手出しが出来ないだろうとオルフェウスは思う。しかしそうしてしまっては今のような勝手気ままな冒険者生活は出来なくなるだろう。
それでなくともカノンは自分から面倒ごとに突っ込んでいく質であるのだ。そんなことになれば、更に色々なことに巻き込まれるに決まっている。
カノンは前世で『物語』が大好きだったようで、その『物語』に似たシュチュエーションがあると異常な高揚感を感じるらしく、自ら関りを持とうとするのだ。その結果、事件に巻き込まれる。
その最たるものが、記憶が戻ったばかりの時に自ら飛び込んでいった『盗賊のアジト壊滅』の件だろう。
カノン本人はその現象を転生者・ハイだと言っていたが、オルフェウスには未だそれがどんなものか良く理解ってはいない。
「聞くところによると、『卒業』には『祝い』をせねばならんのだろう?何か望むものはあるか」
誰から聞いたのか、ルスティカーナがカノンにそんなことを言った。
「えぇ?お祝いな──」
お祝いなんて、いいですよ~と言いかけて、カノンはふと思った。
カノンは学園を卒業した。
そう、カノンは寮を出るのだ。
──と、言うことは、アレが解禁なのではないだろうか。
「黒い『使い魔』が欲しいんですっ!ルスティカーナ様!誰か紹介してくれませんか???」
ここにはルスティカーナを慕ってやって来た魔獣がたくさん住んでいる。一人くらいカノンと一緒に行ってもいいよという黒い子がいるかもしれない!
「そう言えばそんなことを言っていたね・・・。諦めてなかったんだ」
フェイがそう言って苦笑した。
学園生であったため一旦は諦めたが、『魔法の杖』も『空飛ぶホウキ』も実は完全に諦めてはいない。
『ホウキ』はまだ収納に入っているし、杖だって、人目に付かないところでなら使ってもいいんじゃないかな~くらいには思っている。
「なるほど、次に会う時までに何匹かに声を掛けておこう。気に入った者を連れて行くと良い──っと、おぉ、とうとう出来たのか?」
ルスティカーナがふと、オルフェウスの懐から自身の気配を感じ取り、そう尋ねた。
「はい、なんとか完成しました」
「?」
話が見えず首を傾げるカノンに、オルフェウスが懐から出した箱を差し出した。
「卒業祝いだよ。開けてみて」
オルフェウスにそう言われカノンがその箱を開けると、中にはかわいらしい髪飾りと指輪が入っていた。
「わぁ!キレイ!!」
「ルスティカーナ様の鱗から作ったんだ。固くて僕の魔法でも中々加工が出来ず、二年も掛かってしまった」
どちらも七色の光を反射するルスティカーナの鱗に、オルフェウスの色である青い魔石と、金が使われていた。
「使用者登録にサイズの自動調整と──付与がえげつないな。カノンはそんなに護りを必要としておらんだろう」
ルスティカーナが呆れたように言うが、オルフェウスは転生者・ハイを発動し、とんでもないことをしでかしたり、自ら面倒ごとに飛び込んでいくカノンを見ていると心配で仕方がないのだ。
ルスティカーナは鱗の加工とそれをカノンにプレゼントすることについては許可を求められたため事前に聞いていたが、何を作るかまでは聞いていなかった。
しかし人間たちの事情に疎いルスティカーナにも、これらを見れば何も言われずとも察することは出来た。
オルフェウスが自らの色を使って作ったアクセサリーとそれに施された付与は『カノンは自分の物だ』と主張しているようなものだし、オベルトがルスティカーナの鱗でアクセサリーを送ろうとしたときは全力で拒否していたカノンが今、オルフェウスの作ったアクセサリーを見て瞳を輝かせている。
ドラゴンは人間と違って空気など読まない。
「で、二人はいつ頃婚姻するのだ?」
「「え!?婚姻!?」」
ルスティカーナの質問に、オルフェウスとカノンの声がハモった。
天界地球支部日本派出所転生課第百六十三番窓口からはじまったこの転生。
これから新たな冒険譚がはじまるのだと思っていた所に、いきなり加わった恋愛要素(多分)。
それでもカノンとオルフェウスの冒険とスイーツ探訪はまだまだ続くのだろう。
カノン・クライスラーはこれからも転生者・ハイである。
*--*--*
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
少しでも面白いな、好きだなと思って頂けていたらうれしいです。
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