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31 主導権(最終話)
ヴェルトからエボニーに本当の嫁入り先がどこで誰なのかが語られ、決して「嫌がらせ」ではなかったとの弁解が行われた日からしばらく経った。
現在、ヴェルトはある悩みを抱えている。
エボニーはその容姿から、元々低位貴族への嫁入りを期待されており、所作はまだ荒いが既にマナーを学んでいたこと。剣の訓練に真面目に取り組んでおり、辺境伯邸での仕事の理解度・評価も高いこと。
また、獣からオリーブを守ろうとして取った行動の高尚さからも、次期男爵夫人として問題ないと、無事に現男爵夫妻とレィディアンスに認められた。
──表向きは。
実はエボニーが認められた最大の理由はヴェルトと相愛であることなのだが、ヴェルトからの一方的な弁解兼プロポーズが行われただけで、エボニーから何も語られていない為、ヴェルト本人はそのことを知る由もない。
エボニーはあの日、あの時、あの瞬間までヴェルトはオリーブと相愛だと思っていたのだ。
エボニーも混乱していたし、オリーブの見送りもあったため、ヴェルトのことを先送りにしてしまっていたのだ。
その為エボニーとの婚約が正式に決まった今でも、ヴェルトの悩みが解消されることはなかった。
「エボニーは俺が結婚相手でいいのか?」
エボニーの生活拠点は男爵家に移ったが、毎朝の剣の訓練は継続して行われていた。
国境の森は落ち着いたが、またいつあのようなことが起きるか分からないからだ。
男爵家の訓練場でエボニーの剣の素振りを見ていたヴェルトがふと、そんなことを言った。
エボニーはヴェルトの婚約者としてやってきた。
しかしヴェルトは、あの日エボニーが自分の父親をはじめ、壮年期の男たちを穴が開くほど見つめていたことが忘れられなかったのだ。
王都から追われる形で辺境にやってきたエボニーだが、エボニーにも好いた男と幸せになる権利はある。
その趣味にかすりもしない若造が夫でエボニーは大丈夫なのかと聞きたかったのだ。
しかしヴェルトがそんなことを考えているとは思わないエボニーは、突然そのように言われ不快感を露わにした。
「はぁ!?」
こっちには元より選択肢など無いのだ。
イイのかもクソもないだろう。
嫌なら自分に聞かずにヴェルトがレィディアンスに断りを入れれば良いではないか!
言葉にはしないが眉間に皺を寄せたエボニーに、ヴェルトはやっぱり嫌だったんだと顔色を青くした。
「いや、エボニーがおっさん趣味とか知らなくて・・・。どうにかしたくても、その・・・うち母親も健在だし。
エボニー、親父のことは諦めて、俺で我慢しといてくれないかっ!?
俺は親父似だから、将来はエボニーの好みに添うような容姿になると確約する」
そこまで言われて、エボニーはあの日ヴェルトに「エボニーって、おっさんが趣味なの?」と聞かれ、「あたし、すっごく年上の人が趣味なの」と返していたことを思い出した。
そう、あの報告会があった日の裏庭での会話だ。
エボニーは自分がヴェルトに恋をして、嫁入り先のことが聞けなかったことは、棚どころか天高く上げることにした。
平民は恋愛結婚が多いからこそ、夫婦間で言葉が足りないことが致命的な結果をもたらすことがよくあるが、言葉にしない方が上手くいくこともまた、よくある。
そして、妻が強い方が好ましい。
「ヴェルトの言葉が足りなかったせいだからね!」
エボニーがおっさん趣味になったのが、なぜ自分の言葉が足りないせいなのかは全く分からなかったけれど、最初に自分の言葉が足りなかったことで誤解を生んだことは確かだ。
それに、こういうとき女性の言い分はきちんと聞かなければならないことは、父と母を見ていたらよくわかる。
「ずっと、おじいちゃんに嫁入りするんだって、不安に思って生活していたんだからね!」
「いや、本当に悪かったっ!」
おっさんはいいけどジジィは嫌なんだなと思いつつも、ヴェルトはエボニーの怒りが収まるのを待つ。
よく分からないエボニーの訴えに耳を傾け、必死に嵐が去るのを待っていた。
するといつの間にか、
「これからはしっかり報告する」
「夫婦の会話は大事にする」
「隠し事はしない」
「良いことも悪いことも我慢せず、思ったことはちゃんと言葉にする」
などということを、ヴェルトは約束させられていた。
「え?」
気付いたときにはご機嫌なエボニーがヴェルトを見上げ、勝ち誇ったように笑っていた。
(え、かわいっ!)
「約束はちゃんと守ってよ」
「え?じゃ、俺でいいのか?」
「良いもなにも、あたし、ヴェルトのこと好きだもの。
大体前に好きだった人が『あの人』なのに、オジサマが趣味なわけないじゃない」
「あ・・・」
若く美しい友人の顔を思い出し、そう言えば、と思う。
「おじいちゃんとキスできるかなって、本気で悩んで、悩んで、覚悟決めてたんだからね!!」
「え?」
「何よっ!」
「いや、あの・・・」
「なんか言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ!約束したでしょっ!!」
(そうかよ)
何故か分からないが、さっきまで何かに動揺していたヴェルトの目が急に据わった。
エボニーは何かヴェルトの機嫌を損ねることを言ってしまったのだろうかと考えながら、訓練を再開──木剣を振り下ろした。
「え?」
ヴェルトは、振り下ろされていた木剣を軽く手で受け止めると上に持ち上げた。
剣の柄を握ったままのエボニーの腕が剣と共に持ち上げられ、そのままヴェルトの方に倒れ込む。その華奢な身体をもう片方の手で抱き込むように受け止めながら、ヴェルトは挑戦的な笑みを浮かべた。
「ふぇ?」
「ジジィとのキスするつもりがあったんだ。当然大好きな俺となら悩むまでもないよな」
言いたいことははっきり言えってエボニーが言ったんだし──まさか拒むなんてことはないよな。
ヴェルトがニヤリと意地悪く笑った。
二人の距離が近くなる。
大好きなんて言ってないし、人の言葉の揚げ足を取るなんて、これこそ嫌がらせじゃない?と思ったが、お淑やかな貴族令嬢ではないエボニーは、そんなモノに屈するような玉ではない。
そして、そんなエボニーを選んだのはヴェルトだ。
これは、この先の主導権をどちらが握るかの勝負。
エボニーは、めいっぱい背伸びをし、先手を取ることにした。
(おしまい)
あらすじにも書いていますが、このお話は「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、一番最初に書いた「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の”ざまぁ”される?平民エボニーのその後のお話です(あるいは最終話「ジェード様の憂鬱」の少し前とその後)。
因みに公爵令息の彼がこういった行動に出たのはヴェルトのためではありません(笑)
「で、私がその方に~」を投稿して約一年。
あの時からエボニーが幸せになる話を書きたかったので、今、大変満足しています。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました(*´▽`人)
✳2026.2.15
オリーブその後を執筆中です。チャンネル?はそのまま(๑•᎑<๑)ー☆
*****Debby
現在、ヴェルトはある悩みを抱えている。
エボニーはその容姿から、元々低位貴族への嫁入りを期待されており、所作はまだ荒いが既にマナーを学んでいたこと。剣の訓練に真面目に取り組んでおり、辺境伯邸での仕事の理解度・評価も高いこと。
また、獣からオリーブを守ろうとして取った行動の高尚さからも、次期男爵夫人として問題ないと、無事に現男爵夫妻とレィディアンスに認められた。
──表向きは。
実はエボニーが認められた最大の理由はヴェルトと相愛であることなのだが、ヴェルトからの一方的な弁解兼プロポーズが行われただけで、エボニーから何も語られていない為、ヴェルト本人はそのことを知る由もない。
エボニーはあの日、あの時、あの瞬間までヴェルトはオリーブと相愛だと思っていたのだ。
エボニーも混乱していたし、オリーブの見送りもあったため、ヴェルトのことを先送りにしてしまっていたのだ。
その為エボニーとの婚約が正式に決まった今でも、ヴェルトの悩みが解消されることはなかった。
「エボニーは俺が結婚相手でいいのか?」
エボニーの生活拠点は男爵家に移ったが、毎朝の剣の訓練は継続して行われていた。
国境の森は落ち着いたが、またいつあのようなことが起きるか分からないからだ。
男爵家の訓練場でエボニーの剣の素振りを見ていたヴェルトがふと、そんなことを言った。
エボニーはヴェルトの婚約者としてやってきた。
しかしヴェルトは、あの日エボニーが自分の父親をはじめ、壮年期の男たちを穴が開くほど見つめていたことが忘れられなかったのだ。
王都から追われる形で辺境にやってきたエボニーだが、エボニーにも好いた男と幸せになる権利はある。
その趣味にかすりもしない若造が夫でエボニーは大丈夫なのかと聞きたかったのだ。
しかしヴェルトがそんなことを考えているとは思わないエボニーは、突然そのように言われ不快感を露わにした。
「はぁ!?」
こっちには元より選択肢など無いのだ。
イイのかもクソもないだろう。
嫌なら自分に聞かずにヴェルトがレィディアンスに断りを入れれば良いではないか!
言葉にはしないが眉間に皺を寄せたエボニーに、ヴェルトはやっぱり嫌だったんだと顔色を青くした。
「いや、エボニーがおっさん趣味とか知らなくて・・・。どうにかしたくても、その・・・うち母親も健在だし。
エボニー、親父のことは諦めて、俺で我慢しといてくれないかっ!?
俺は親父似だから、将来はエボニーの好みに添うような容姿になると確約する」
そこまで言われて、エボニーはあの日ヴェルトに「エボニーって、おっさんが趣味なの?」と聞かれ、「あたし、すっごく年上の人が趣味なの」と返していたことを思い出した。
そう、あの報告会があった日の裏庭での会話だ。
エボニーは自分がヴェルトに恋をして、嫁入り先のことが聞けなかったことは、棚どころか天高く上げることにした。
平民は恋愛結婚が多いからこそ、夫婦間で言葉が足りないことが致命的な結果をもたらすことがよくあるが、言葉にしない方が上手くいくこともまた、よくある。
そして、妻が強い方が好ましい。
「ヴェルトの言葉が足りなかったせいだからね!」
エボニーがおっさん趣味になったのが、なぜ自分の言葉が足りないせいなのかは全く分からなかったけれど、最初に自分の言葉が足りなかったことで誤解を生んだことは確かだ。
それに、こういうとき女性の言い分はきちんと聞かなければならないことは、父と母を見ていたらよくわかる。
「ずっと、おじいちゃんに嫁入りするんだって、不安に思って生活していたんだからね!」
「いや、本当に悪かったっ!」
おっさんはいいけどジジィは嫌なんだなと思いつつも、ヴェルトはエボニーの怒りが収まるのを待つ。
よく分からないエボニーの訴えに耳を傾け、必死に嵐が去るのを待っていた。
するといつの間にか、
「これからはしっかり報告する」
「夫婦の会話は大事にする」
「隠し事はしない」
「良いことも悪いことも我慢せず、思ったことはちゃんと言葉にする」
などということを、ヴェルトは約束させられていた。
「え?」
気付いたときにはご機嫌なエボニーがヴェルトを見上げ、勝ち誇ったように笑っていた。
(え、かわいっ!)
「約束はちゃんと守ってよ」
「え?じゃ、俺でいいのか?」
「良いもなにも、あたし、ヴェルトのこと好きだもの。
大体前に好きだった人が『あの人』なのに、オジサマが趣味なわけないじゃない」
「あ・・・」
若く美しい友人の顔を思い出し、そう言えば、と思う。
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「え?」
「何よっ!」
「いや、あの・・・」
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(そうかよ)
何故か分からないが、さっきまで何かに動揺していたヴェルトの目が急に据わった。
エボニーは何かヴェルトの機嫌を損ねることを言ってしまったのだろうかと考えながら、訓練を再開──木剣を振り下ろした。
「え?」
ヴェルトは、振り下ろされていた木剣を軽く手で受け止めると上に持ち上げた。
剣の柄を握ったままのエボニーの腕が剣と共に持ち上げられ、そのままヴェルトの方に倒れ込む。その華奢な身体をもう片方の手で抱き込むように受け止めながら、ヴェルトは挑戦的な笑みを浮かべた。
「ふぇ?」
「ジジィとのキスするつもりがあったんだ。当然大好きな俺となら悩むまでもないよな」
言いたいことははっきり言えってエボニーが言ったんだし──まさか拒むなんてことはないよな。
ヴェルトがニヤリと意地悪く笑った。
二人の距離が近くなる。
大好きなんて言ってないし、人の言葉の揚げ足を取るなんて、これこそ嫌がらせじゃない?と思ったが、お淑やかな貴族令嬢ではないエボニーは、そんなモノに屈するような玉ではない。
そして、そんなエボニーを選んだのはヴェルトだ。
これは、この先の主導権をどちらが握るかの勝負。
エボニーは、めいっぱい背伸びをし、先手を取ることにした。
(おしまい)
あらすじにも書いていますが、このお話は「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、一番最初に書いた「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の”ざまぁ”される?平民エボニーのその後のお話です(あるいは最終話「ジェード様の憂鬱」の少し前とその後)。
因みに公爵令息の彼がこういった行動に出たのはヴェルトのためではありません(笑)
「で、私がその方に~」を投稿して約一年。
あの時からエボニーが幸せになる話を書きたかったので、今、大変満足しています。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました(*´▽`人)
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