復讐のブラッド

限界大学生

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1章

クソキモストーカー

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「ははは!!ほら!ほら!ほら!ほら!」
顔にモヤがかかった男がナイフで女性の顔を切りつけている。
「やめてぇえええ!もうやめてぇええ!イダィィイイイイイ!」
女性は泣き叫びながら男を手を自分の身体から離そうとしてる。すると男は女性の脇から手を入れ動けなくして耳元でこう言った。
「綺麗な顔を傷だらけにされた気分はどうだい?ねぇ、気持ちよかった?僕は君に反省して欲しいんだよ。分かった?」
早く開放されたい女性は頷くと、男は立ち上がり去り際にこう言い放った。
「お姉さん、今が一番いい顔してるよ。」
男が去った後、女性は1人で傷の着いた自分の顔をオフィスの窓ガラスで見て泣き崩れた。

「次のニュースです。中心都市1区の高層ビルに会社を構える富士の観光案内、A州オフィスの会社員の女性が何者かに刃物で顔を切りつけられる事件が発生しました。女性は命に別状は無いものの、日防衛軍はその経緯と犯人について捜索中です。さぁ、次のコーナは…」

ここは少し現代からは遠い未来、日本は解放国家として成立しており、都道府県の概念は取り払われ47の都市をそれぞれ区として分け、中心都市や大きな都市に関しては州で分割されていた。そして警察の取り締まる制度はとある事件以降廃止され、国から派遣された戦闘のエリート「日防衛軍」という組織がその次の担い手として国や市民の安全を守る役に転じた。

「こんな朝早くからスクールカフェ使ってんのお前だけだぞ信、しかも俺も付き合わされてるし。この貸しはでかいぞ。」
広々とした間取りに喫茶店のようなファミレスのようなこのスクールカフェは休み時間になると学生が集う学校のオアシスだ。ここに俺は今日、用があるのだ。
「まぁまぁ、和虎の好きなスペシャルプリンパフェ奢ってやったんだから、少しは付き合えよ。」
下にはチョコのコーンフレーク、その上に大きなプリンが乗っており、上に生クリーム、ソフトクリームとなんとも色合い的には微妙だがこれが何故か美味いのだ。
「まぁ、いいけど。朝からこれ食う俺の気にもなれよな!」
「すまんすまん!また今度なんか奢るって!あ、きたぞ」
俺の目当ては勿論、同学年で1番の美少女と呼び声の高い「谷地頭久美」だ。彼女は決まって、朝早くに学校のスクールカフェに現れて、コーヒーを飲みに来るのだ。
「お前はどうやってその情報仕入れたんだよ。ストーカーかてめぇは。」
和虎が冷たい目線でこちらを見ながら小声で僕に言ってくる。
「い、いやぁ、たまたま宿題学校に忘れちゃってさ、朝早く来てやろうと思って学校来たら見つけてね、着いて行ったらスクールカフェに向かっていったのを見たんだよ。それでついて行って…」
「やっぱストーカーだったのか」
和虎は呆れるとこう続ける。
「確かに久美が朝友達と登校する所、俺見た事ないかも。」
和虎はサッカー部で朝練がある日とない日で登校時間が違うのにも関わらず、どちらの日も見たことがないのだ。
「信みたいに家がめちゃくちゃ遠いとかじゃないのか?」
僕の家は学校から徒歩約50分かかる。バスや電車で行けよと思うかもしれないが、この登校する時の風景を見るのが好きで歩いて通っている。勿論雨の日も。
「いや、見たことないよ」
「そりゃそーか、お前みたいな物好きはいないか」
そう言っているうちに久美は学校の荷物を華奢な腕にかけてスクールカフェを出た。
「信、おまえこのままくそキモストーカーのままでいいのか」
和虎が辛辣に言う。
「くそキモとか言うなよ。」
「でも見てるだけじゃ、お前の気持ち伝わらないぞ。行くなら早めの方がいいだろうなぁ。君の麗しの久美さんは非常にモテていらっしゃるので。」
少しおちょくる様子で和虎が言う。
「このままじゃだめだよなぁ。」

今日の授業は珍しく4講義で終わる日で和虎は練習もなかったため着いてきてくれた。
4講義目の終わりのチャイムがなり、生徒が一斉に下校する頃、玄関で忘れ物に気がついた。
「やばい、教室に財布忘れたぁ!和虎ちょっと待っててぇ!」走って教室に向かう。
「俺今日は早く帰って母ちゃんの手伝いだから無理だー、って聞こえてないか。」和虎は小さく「すまん!」と会釈して合掌し、肩に補助バックをかけて帰った。
タタタタタッ!と階段を上がる。こうして階段を駆け上がると中学時代陸上の練習でこうして走ったなと思い出す。そうしてるうちに教室のある4階に着いた。するとタイミング良く教室から人が出てきた。しかもその人は。
「あ、谷地頭…久美…」
心の声が小さく口に出ていた。
「え?どーしたの?私になんか用?」
不思議そうにこちらを見ていた。
「え、あ、いや、特に理由はないというかなんというか…はは。」
完全にやらかした。
「あぁ!君木京くんだよね!体育祭の選抜リレー1位だった子!」
え?
「私足遅くてさ~、運動できる子ってホントすごいよね、尊敬しちゃうなぁ。」
なんかめっちゃ褒められてるし、なんだ。
「い、いや、もう帰宅部だけど中学の時陸上部だったんだ~、まさか知ってるなんて…」
「え?陸上部だったのは知らないよ?」
あ、コミュ障が出てしまった。女の子と話すのなんていつぶりだ。体育祭の時和虎と教室の前に立っててクラスメイトの女に
「そこ邪魔」
って言われたのが最後か。
「ふふ、面白いね木京くんって。」
何が面白かったのだろう。久美は笑ってそう言った。
「なんか忘れ物でもしたの?」
それを言われて思い出した。
「あぁ!財布ぅうううううううう!」

勿論教室の鍵は閉められ、真は1文無しで家に帰ることとなった。
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