上 下
1 / 32

プロローグ

しおりを挟む
戦乱の時代、数多くの血が流れた。

多くの国が滅び、生まれたそんな時代、一人の少女が戦場を渡り歩き数々の伝説を残した、彼女は冒険者と呼ばれる者達の一人だったそうだ。歴史で英雄と呼ばれるもの達がいた、様々な英雄達のなかでも一風変わっていたのが、【戦場の鬼姫】と呼ばれた少女だったそうだ。



鬼姫の物語は、とある島から始まった。




ここは死の海域と呼ばれる海の真ん中、そこに一つの島があった、そこにすむ魔獣は一度暴れればどうすることもできない災害、それほどの魔獣が闊歩する危険地帯、そこに一人の鬼人族の少女が暮らしていた。

島の最も高い岩山の頂上に小さなそれでいて生活感のある小屋があった。
その小屋の直ぐ近くに島全体を一望できる場所があるそこに一人の少女が岩に腰かけて海を眺めていた、その時、少女隣に何かがあらわれた。

「………」
なつかしい、私があの頃、人として生きて死んだのだ、まだ高校生に成ったばかりだったのに…………私は死だ…………炎に包まれて。

熱くて、痛くて、苦しい …



……そして寒かった………

今でもはっきり覚えてる、あのとき死んだってことに。

私は気がつくと、真っ暗なところをさ迷っていた、何も見えないし、聞こえない。

ずっと、ずっと私はそこで私は一人ぼっちだった。

ずっと…ずっと……一人ぼっちだった…


ずっと…ずっと…………………




……多分私は、鬼と言うものをはじめて見たと思う。

一人ぼっちだった私の目の前に、いつからいたのか私の何倍も大きな、神々しさすら感じる鬼が私を拾い上げてくれた、あのとき私は光の玉のような感じだったと、自分の事ながらはじめて知った。

私は魂と言うものになっていたんだとをもう。

鬼は自分は鬼神だと言って、鬼神は無言で自分の角を一本へし折った、その折れた角を私に差し出すと、折れた黒い角は私に溶け込んだ……


…鬼神の折れた部分は直ぐに治ったけど。

そして私は鬼として目覚めた………何言ってんだコイツと思うかもしれないけど本当だ。

形のない光の玉のようだった私は、私として、人の形を作りあげて、目覚めたんだ。

黒い角のある一人の女の子として?多分だが……。

私は真っ暗な空間でもずっと辺りを見渡せるようになった、色々な物がそこらじゅうに漂ってた。

いつの間にか私は真っ暗な空間で鬼神に様々なことを教えられた。

様々な知識や武術、神々や世界のことを。
他にも様々なことを学んだ。

私は何年も鬼神といたんだと思う、真っ暗な空間には私と鬼神しかいなかったし、時間の感覚が分からなかった。

それからも真っ暗な空間で私は鬼神といっしょにいた。
たぶんあの真っ暗な空間では何年もたっていたはずなのに私は鬼となった時から背も………胸も………成長しなかった………見た目は思いっきり変わっちゃたのに。

鬼神は言っていた、お前はワシの娘に生ったんだと

………そう、言ってくれた、嬉しいかった、人であった頃は親はいなかったから、それにずっと一人だったから。

人であったと言ってる時点で、私は人を止めちゃったんだなと認めてると思った。

いつしか長い時が過ぎたと思う、鬼神は言った、一人立ちの時だと………そして私は、真っ暗な空間から出るときがやって来た。

少し寂しいけど、鬼神が言うんだから仕方がないと思う。
そして、鬼神に修行してこいとも言われた。

選別に金破棒て言う武器をもらった、名は【崩月】私よりも大きな金属の棒だけど不思議と手に馴染んだ、鬼に金棒?

目の前に扉が出てきた、私は鬼神の顔を見てから、扉を抜けた………そこは森だった。

生命力溢れる大自然が広がっていた。

あとから続いて出てきた鬼神は数年後に様子を見に来ると言った、あと武術を極めて見せろとも言って、来た扉を戻っていった。

私は説明とくに無しでサバイバル生活を余儀なくされた。

それからというもの、この森でサバイバル、食うか食われるかの自然の生存競争を生き抜いた、ちなみに森を抜けると海だった。

ビックリなことに、ここは無人島だった、まぁ動物も植物も見たことないものだらけで、例えば、燃える熊や岩の巨人に歩く茸、空飛ぶ魚あと空にはドラゴン?までがいたんだ。

この世界は何と不思議な物がたくさんある世界だっと思った、たぶん生前の知識だとファンタジーて言うのがあってると思う、まぁ未だに島を出ずに修行しているのだが…………だってこの島の動物も植物も皆強いんだ、まぁ………私はいつの間にか島で五匹のボスぽいのを倒したら、私が島のボスみたくなっちゃたけどね………。

………あと…何年かに1日鬼神が会いに来る、その時にお話ししたり、一日ずっと戦ったり稽古つけてもらったりしたっけな。

この島に来てからたぶん何年もたったが私は老いるこも衰えることも無かった。

人だった頃の記憶はもう、うっすらとしか覚えてないけど、いつか私は鬼神に認めてもらえるようになりたいと思う。




そう目の前にいる鬼神に話した。
 
まあ、私はあの真っ暗な空間で、鬼に成ってから見た目は、ほとんど変化していない。

感覚的には未だに十代半ばの見た目と精神が釣り合ってると思う、まぁサバイバルで妙に大人っぽくなっちゃたけど………ね。

鬼神とお揃いの修験者のような服装で、下駄をはいて、背中に自分よりも大きな金砕棒【崩月】を背負っている、見た目的には真っ白な長い髪を腰の辺りまで伸ばして、後ろで一本に縛った、十代半ばくらいの、黒い二本の角がある女の子で、右目は黒く、左目は金色をしている、左目の所から左り腕にかけて、なにか、紋様があるし、それに普段は左目を閉じている。                                           
『………。』
鬼神は金色に光る両目を向けてきた。
まだまだ武に関しては認めてはくれなかったが、嬉しそうに笑ってくれた。

私は鬼神にいままでの事を話したりして、いつの間にか時が過ぎた。

辺りが薄暗く空には星がきらめき出すと、鬼神は私の頭を撫でて、一つの革の袋をくれた。

『…我が娘よ、ワシは行く、また会おう。』

「…分かった。」
鬼神の前にいつか見た扉が現れて鬼神は消えていった。

「…よし……旅に出よう。」
私は海を眺めてそんなことを言うと太陽が沈むまで水平線を眺めていた。
しおりを挟む

処理中です...