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鬼姫の始まり

二話

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海に浮かぶ船、合計で五席の大きな船団は海のモンスターに襲われていた。

最も大きな船の上に、日焼けした大男が船員達に指示を飛ばしていた。

「船長~!」
「何だ!」
「2番船がやられました!、急いで救助しないと!」
「わかっとるわ!」
「船長!」
「んだ!今度は何だ!」
「でかいワニみたいなのがいっぱいいます!」
「そんな分けねーだろ、見間違えるな、いま俺達は今、キラーシャークの群れに襲われてんだぞ!!」
「船長!冒険者の人たちが、海に落ちました!」
「何だと!!あいつらは俺の認めたベテラン冒険者パーティだぞ、そんな簡単に殺られる分けねーだろ!」

「…あ~」

「船長!キラーシャークの群れに一匹どでかいのが!!」
「わかっとるがな!」

「…おーい」

「今度は何だ!ああ!!?…………え?…」

「……?」

「お前さん誰だ?」
船長と呼ばれだ男の後ろに、鬼人族の少女がいつの間にかいた。

「…私はミコト……何やらお困りのようです?………お手伝い、いる?」

「は?……お嬢ちゃん、冒険者か?」
んん、こんな子供の冒険者なんぞ、俺の船にのせた記憶ねーんだけどな………まぁこの船にのってるのは実力者のはずだし、護衛に雇ったのは、だいたいベテラン冒険者のはず……。
「よし嬢ちゃん、キラーシャークにきーつけて、戦闘に参加してくれ!」
そう言うと船長は海に落ちた船員達を嵐のように回収し始めた。

………初めての人類と、ファーストコンタクト………なんかビミョー

「……言われた…通り、きちんと………殺ろうか。」

やたらと凶悪な笑みを浮かべると船から跳躍して、海面に見えるキラーシャークに向けて、金砕棒【崩月】を降り下ろした。
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